バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

シャンパーニュ地方の気候はとても冷涼で、ブドウの栽培にはギリギリのレベルです。
ブドウが十分に熟すかどうか、きわどい年もあります。

こうした気候のため、比較的温暖な年であってもブドウは酸が高くなります。
通常のワインであれば "残念" な状況になりそうですが、シャンパーニュにとっては冷涼な気候がよいのです。

冷涼な気候と白亜質で石灰質の土壌が、シャンパーニュの素晴らしさを形づくる一番重要な要素となっています。
このほかにもシャンパーニュが他のあらゆるスパークリングワインと違う点が3つあります。

● ブドウ畑の数と種類の豊富さ
・・・シャンパーニュ地方には300以上の畑があり、ベースワインのブレンドに幅広い選択肢を提供しています。

低温で奥深い、石灰岩のワイン貯蔵庫
・・・多くはローマ時代に造られたもので、シャンパーニュはこの中で何年にもわたって熟成します。

長いスパークリングワイン造りの歴史
・・・シャンパーニュの人々はここで300年にわたりスパークリングワインを造ってきました。

これらの要素が折り重なって、微小で優雅な泡、風味の複雑さ、余韻の長さを持ったエレガントなスパークリングワイン、シャンパーニュが生まれるわけですね。

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 ▲シャンパーニュの貯蔵庫

ところでシャンパーニュはたとえ開栓前であっても、あまりに長い間冷蔵庫に入れておくことはオススメしません。
1週間も入れておいたら冷蔵庫の低温のために風味が平板になってしまうおそれがあります。
また冷蔵庫のモーター振動はあらゆるワインにとって好ましくありませんが、とくにスパークリングワインやシャンパーニュには大敵です。

もうひとつ余談ですが、シャンパーニュの主要消費国について。

シャンパーニュの消費量が一番多い国は、やはりフランスです。
シャンパーニュ全生産量のうち6割近くがフランス国内で消費されます。

フランス国外については、
近年のデータを見ると、イギリスのシャンパーニュ消費量はダントツで、シャンパーニュの最大の輸入国です(2位のアメリカの倍近く)。
アメリカ、ドイツ、日本、ベルギー、イタリア、オーストラリア、スイスなどがこれに続きます。

なお、いわゆるプレステージ・シャンパーニュ(ドン・ペリニヨンなど高級物)の輸入量だけに絞っていえば、アメリカが世界で一番で、日本は世界2位となっています(3位はイギリス)。

ふむふむ・・・日本人はやはりシャンパーニュが大好きなんですね ^^

(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)

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