バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

シャンパーニュ。
これほど「めでたい」イメージを想起させる言葉がほかにあるでしょうか?

世界のどこの人たちも、何か「めでたい」ことをお祝いをしたいときは、きっとこう言うのではないでしょうか。

「シャンパンで乾杯だ!」

(「アイスコーヒーで乾杯だ!」とは言わないですよね・・・あまり ^^)

「シャンパーニュ」とは、実際にはフランスのシャンパーニュ地方で造られたものだけを指します。

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 ▲ドン・ペリニヨン

オーヴィレール修道院の醸造長だった僧侶ドン・ペリニヨンは、シャンパーニュそのものを発明したわけではありませんが、シャンパーニュを製造するための重要な技術をいくつか開発しました。

彼は、たとえば黒ブドウから透明な果汁を得て白ワインを造る方法を完成させました。
最も重要なものとしては、彼は様々な村のブドウから造られたワインをブレンドして複雑なベースワインを仕込む、アッサンブラージュの技法を開発し、洗練させました。

シャンパーニュ地方はフランス国内では最北のブドウ栽培地です。

主要シャンパーニュハウスの多くは、歴代フランス国王の戴冠式が行われた歴史を持ちジャンヌダルクともゆかりのある大聖堂がある町、ランス Reims に拠点を置いています。
もうひとつ重要な町はランスの南に位置するエペルネ Epernay で、こちらに拠点を置くシャンパーニュハウスも多数あります。

ランスとエペルネの周辺に主なブドウ畑エリアが広がっています。
とくに重要な生産地区は北から順に次の3つで、「北部重要3地区」と呼ばれます。

(1) モンターニュ・ド・ランス Montagne de Reims
 ・・・ピノ・ノワールが中心

(2) ヴァレ・ド・ラ・マルヌ Vallée de la Marne
 ・・・シャルドネが中心

(3) コート・デ・ブラン Côte des Blancs
 ・・・ピノ・ムニエ(黒ブドウ)が中心

シャンパーニュ地方では、各村(コミューヌ)が21段階に格付されています。
そのうち最高の格付けを持つ17村のことを一般にグランクリュ村と呼び、すべて北部重要3地区にあります。

地区ごとのグランクリュ村の数は、
モンターニュ・ド・ランス地区に9村、ヴァレ・ド・ラ・マルヌ地区に2村、コート・デ・ブラン地区に6村です。
(※グランクリュ村の一覧を文末に示しました。)

ほとんどのシャンパーニュはピノ・ノワールシャルドネピノ・ムニエの3種のブドウのブレンドで造られます。
ピノ・ノワールはシャンパーニュにボディ、骨格、深みを与えます。
ピノ・ムニエは若いうちから楽しめるように柔らかさ、フローラルさ、果実味を与えることに貢献し、
シャルドネは繊細さ、果実味、エレガントさ、熟成能力に寄与しています。

地区ごとのグランクリュ村は下記の通りです。

(1) モンターニュ・ド・ランス (9村)
 ①アンボネ Ambonnay
 ②マイィ Mailly
 ③ルヴォワ Louvois
 ④ボーモン・シュル・ヴェスル Beaumont-sur-Vesle
 ⑤ブジ Bouzy
 ⑥シユリ (シルリ) Sillery
 ⑦ヴェルジ Verzy
 ⑧ヴェルズネ Verzenay
 ⑨ピュイジュー Puisieulx

(2) ヴァレ・ド・ラ・マルヌ (2村)
 ①アイ Aÿ
 ②トゥール・シュル・マルヌ Tours-sur-Marne

(3) コート・デ・ブラン (6村)
 ①アヴィズ Avize
 ②オジェ Oger
 ③メニル・シュル・オジェ Mesnil-sur-Oger
 ④ワリ (オイリー) Oiry
 ⑤シュイィ Chouilly
 ⑥クラマン Cramant

(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)

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