バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ポルトガルのワインというと、とにかく有名なのはあの偉大なデザートワイン、ポルト(ポートワイン)ですよね。
同じく甘口のマデイラワインもよく知られています。

でも世界のワイン好きたちは徐々に、ポルトガルのワインの別の側面に注目するようになっていきています。
それは、この国の辛口ワインです。

Vinho_Verde
 ▲ヴィーニョ・ ヴェルデ

ポルトガルには土着のブドウ品種が何百種類もあります。
ポルトガルワインのほとんどは、こうした土着品種から作られています。

ポルトガルには、まだ世界に向けてマーケティングされていないワインがたくさんあります。
手頃な値段のポルトガルワインが、日本のワイン市場でも、今後もっと大きな役割を果たすことを期待してしまいますね。
これからが楽しみな生産国です。

● ヴィーニョ・ヴェルデ ~ ポルトガルの "緑のワイン
"

暑い夏の夕暮れ時に最もピッタリなワインは、とても爽やかな白ワイン、ヴィーニョ・ヴェルデ
Vinho Verde かもしれません。
典型的なヴィーニョ・ヴェルデは、ごくわずかに炭酸を含む、ハツラツとした若飲みタイプの白ワインです。
ヴィーニョ・ヴェルデは酸味が豊かで、グリルした魚貝の料理にとてもよく合います。

ぼくは以前ポルトガルを一人旅したとき、町なかの食堂でタラを食べながらヴィーニョ・ヴェルデを飲んだことがあります。
美味しくて、すぐに1本空いてしまいました ^^

ヴィーニョ・ヴェルデ Vinho Verde は直訳すると「緑のワイン」で、これ自体が産地の名前にもなっています。

ヴィーニョ・ヴェルデがあるミーニョ地方 Minho はポルトガルの北西の端、スペインのリアス・バイシャスのすぐ南に隣接しています。
白ワインのブドウ品種も、リアス・バイシャスのアルバリーニョと同じで、ポルトガル語でいうアルヴァリーニョ Alvarinho が主体です。

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リアス・バイシャスはシーフードによく合うアルバリーニョ種の白ワインが人気の大西洋沿岸の産地です

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大西洋からの雨のおかげで、この地方はほぼ一年中、豊富な緑に恵まれた地域です。
これが、このワイン(産地)の名前の由来のひとつにもなっています。

なお、ヴィーニョ・ヴェルデでは白ワインだけでなく、赤やロゼも造られています。
実は、かつてはヴィーニョ・ヴェルデのワインの多くは赤ワインでした。
しかし白ワインの成功により、現在は赤ワインは全体の3分の1程度まで減りました。

まだまだ暑さの残る季節・・・ヴィーニョ・ヴェルデでスッキリしてみてはいかがでしょうか。
冷やして飲むと、とても美味しいですよ!

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