バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
ここまでピエモンテ州、トスカーナ州、ヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア州、カンパーニア州、プーリア州、シチリア州について述べてきましたが、
イタリアワインは決してこれらの州だけに限られるものではありません。
他のいくつかの州についても、それぞれ簡単に紹介しておきましょう。
●ロンバルディア州
ファッションの都ミラノがあり、イタリアで最も豊かで最も人口の多い州です。
スイスとの国境近くにはヴァルテッリーナ Valtellina という産地があり、ネッビオーロから比較的ライトボディな赤ワインが造られています。
同じネッビオーロのワインでも、バローロとは異なり若いヴィンテージのうちから飲めるタイプのワインです。
なおネッビオーロはロンバルディア州ではキアヴェンナスカ Chiavennasca と呼ばれます。
ロンバルディア州にはイタリアを代表するスパークリングワインであるフランチャコルタ Franciacorta もあります。
フランチャコルタはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式で造られる本格的スパークリングです。
スパークリングワインの種類や製法については、いずれまた改めて整理して述べてみようと思っています。
●エミリア・ロマーニャ州
イタリア中西部にあるこの州は、州都ボローニャの西側がエミリア、東側がロマーニャという地域に分けられます。
なかでもエミリアにはランブルスコ Lambrusco という天然微発泡性の赤ワインがあります。
ランブルスコ種から作られ、味は甘口から辛口まであります。
ランブルスコはキアンティやソアーヴェと同様に海外市場で成功したイタリアワインのひとつです。
生ハムのプロシュット・ディ・パルマやチーズのパルミジャーノ・レッジャーノはこの州の特産品です。
●リグーリア州
ピエモンテ州の南にある小さな細長い州で、州都はイタリア最大の港町ジェノヴァです。
この州には、チンクエ・テッレ Cinque Terre ("5つの村" の意味)という非常に風光明媚な場所があり、海に迫る断崖絶壁の段々畑は世界遺産となっています。

▲チンクエ・テッレはリグーリア州を代表する白ワイン
この地で造られるチンクエ・テッレは、果皮と共に発酵させる色のやや濃いめな白ワインで、バジルソースや魚介類を使ったパスタなどにとてもよく合います。
●マルケ州
ヴェルディッキョ Verdicchio という土着品種から造られる白ワインは 廉価で気軽に飲めるフレッシュ&フルーティなワインです。
日本でもスーパーのワイン売り場やドン・キホーテなどのディスかウント・ストアなどでしばしば見かけます。
サイゼリヤには1本1000円でボトル注文できるヴェルディッキョのワインもあります。
ヴェルディッキョのワインは酸味も果実味のバランスがよく、カジュアルなイタリア料理にとてもよく合います。
造り手にもよりますが、全体に年々品質が良くなっており、かなり美味しいワインです。
非常にコストパフォーマンスに優れたお買い得なワインだと思います。
●ウンブリア州
州都はペルージャで、アッシシなど歴史的な街があります。
イタリア半島のほぼ中央に位置する海に面していない内陸州です。
オルヴィエート Orvieto という グレケット種から造られる白ワインが最も有名です。
ミネラル感や酸味と果実味が適度にあって飲みやすいデイリーワインで、世界中で親しまれています。
アンティノーリ、ルフィーノなど隣のトスカーナ州の造り手が当地で手がけているものをよく見かけます。
●ラツィオ州
イタリアの首都ローマがある州です。
おそらく日本中、世界中どこでも手に入るフラスカーティ Frascati という白ワインが有名です。

▲フラスカティは日常的なタイプのワイン
マルヴァジーア、トレッビアーノなどのイタリア土着品種から造られる、きわめて大衆的な味わいのデイリーワインです。
ぼくは近所のドン・キホーテで1本800円で売られているのを、よく買って飲んでいます。
●アブルッツォ州
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ Montepulciano d'Abruzzo という赤ワインが代表的です。
この州では天候に恵まれ自然に良質のブドウが栽培できることから、ともすれば質より両を優先したワイン造りが行われてきました。
モンテプルチアーノ・ダブルッツォはバルクワイン、デイリーワインとして廉価で大量に売られてきた時代が長く続きましたが、
近年では質が向上し、果実味しっかり、濃厚で酸味やタンニンは比較的まろやかなタイプの良いワインができるようになっています。
DOCGのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネ Montepulciano d'Abruzzo Colllne Teramane はとくに凝縮感があり濃厚で長期熟成向きの赤ワインです。
●サルデーニャ州
サルデーニャ島はイタリア西方の地中海にに浮かぶ大きな島です。
土着品種のヴェルメンティーノ Vermentino から造られる、アルコール感や塩味を感じる力強い白ワインは魚介類ととてもよく合います。
またカンノナウ Cannonau (フランスのグルナッシュと同品種)から造られる果実味の強い赤ワインも代表的です。

▲近所のスーパーで買ってきたカンノナウ・ディ・サルディーニャ
このほかヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ Vernaccia di Oristano というシェリーのような酸化熟成風味を伴うアルコール度数の高い白ワインがあり、サルデーニャの名産であるカラスミとよく合います。
これまで2週間強にわたってイタリアワインについて述べてきました。
イタリアは全20州でワインを造っているわけですが、土着品種の多さや地域ごとのスタイルの多様性に本当に驚かされますね。
それでもほとんどのワインは日本でも手に入ります。
興味を持ったワインがありましたら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

ここまでピエモンテ州、トスカーナ州、ヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア州、カンパーニア州、プーリア州、シチリア州について述べてきましたが、
イタリアワインは決してこれらの州だけに限られるものではありません。
他のいくつかの州についても、それぞれ簡単に紹介しておきましょう。
●ロンバルディア州
ファッションの都ミラノがあり、イタリアで最も豊かで最も人口の多い州です。
スイスとの国境近くにはヴァルテッリーナ Valtellina という産地があり、ネッビオーロから比較的ライトボディな赤ワインが造られています。
同じネッビオーロのワインでも、バローロとは異なり若いヴィンテージのうちから飲めるタイプのワインです。
なおネッビオーロはロンバルディア州ではキアヴェンナスカ Chiavennasca と呼ばれます。
ロンバルディア州にはイタリアを代表するスパークリングワインであるフランチャコルタ Franciacorta もあります。
フランチャコルタはシャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式で造られる本格的スパークリングです。
スパークリングワインの種類や製法については、いずれまた改めて整理して述べてみようと思っています。
●エミリア・ロマーニャ州
イタリア中西部にあるこの州は、州都ボローニャの西側がエミリア、東側がロマーニャという地域に分けられます。
なかでもエミリアにはランブルスコ Lambrusco という天然微発泡性の赤ワインがあります。
ランブルスコ種から作られ、味は甘口から辛口まであります。
ランブルスコはキアンティやソアーヴェと同様に海外市場で成功したイタリアワインのひとつです。
生ハムのプロシュット・ディ・パルマやチーズのパルミジャーノ・レッジャーノはこの州の特産品です。
●リグーリア州
ピエモンテ州の南にある小さな細長い州で、州都はイタリア最大の港町ジェノヴァです。
この州には、チンクエ・テッレ Cinque Terre ("5つの村" の意味)という非常に風光明媚な場所があり、海に迫る断崖絶壁の段々畑は世界遺産となっています。

▲チンクエ・テッレはリグーリア州を代表する白ワイン
この地で造られるチンクエ・テッレは、果皮と共に発酵させる色のやや濃いめな白ワインで、バジルソースや魚介類を使ったパスタなどにとてもよく合います。
●マルケ州
ヴェルディッキョ Verdicchio という土着品種から造られる白ワインは 廉価で気軽に飲めるフレッシュ&フルーティなワインです。
日本でもスーパーのワイン売り場やドン・キホーテなどのディスかウント・ストアなどでしばしば見かけます。
サイゼリヤには1本1000円でボトル注文できるヴェルディッキョのワインもあります。
ヴェルディッキョのワインは酸味も果実味のバランスがよく、カジュアルなイタリア料理にとてもよく合います。
造り手にもよりますが、全体に年々品質が良くなっており、かなり美味しいワインです。
非常にコストパフォーマンスに優れたお買い得なワインだと思います。
●ウンブリア州
州都はペルージャで、アッシシなど歴史的な街があります。
イタリア半島のほぼ中央に位置する海に面していない内陸州です。
オルヴィエート Orvieto という グレケット種から造られる白ワインが最も有名です。
ミネラル感や酸味と果実味が適度にあって飲みやすいデイリーワインで、世界中で親しまれています。
アンティノーリ、ルフィーノなど隣のトスカーナ州の造り手が当地で手がけているものをよく見かけます。
●ラツィオ州
イタリアの首都ローマがある州です。
おそらく日本中、世界中どこでも手に入るフラスカーティ Frascati という白ワインが有名です。

▲フラスカティは日常的なタイプのワイン
マルヴァジーア、トレッビアーノなどのイタリア土着品種から造られる、きわめて大衆的な味わいのデイリーワインです。
ぼくは近所のドン・キホーテで1本800円で売られているのを、よく買って飲んでいます。
●アブルッツォ州
モンテプルチアーノ・ダブルッツォ Montepulciano d'Abruzzo という赤ワインが代表的です。
この州では天候に恵まれ自然に良質のブドウが栽培できることから、ともすれば質より両を優先したワイン造りが行われてきました。
モンテプルチアーノ・ダブルッツォはバルクワイン、デイリーワインとして廉価で大量に売られてきた時代が長く続きましたが、
近年では質が向上し、果実味しっかり、濃厚で酸味やタンニンは比較的まろやかなタイプの良いワインができるようになっています。
DOCGのモンテプルチアーノ・ダブルッツォ・コッリーネ・テラマーネ Montepulciano d'Abruzzo Colllne Teramane はとくに凝縮感があり濃厚で長期熟成向きの赤ワインです。
●サルデーニャ州
サルデーニャ島はイタリア西方の地中海にに浮かぶ大きな島です。
土着品種のヴェルメンティーノ Vermentino から造られる、アルコール感や塩味を感じる力強い白ワインは魚介類ととてもよく合います。
またカンノナウ Cannonau (フランスのグルナッシュと同品種)から造られる果実味の強い赤ワインも代表的です。

▲近所のスーパーで買ってきたカンノナウ・ディ・サルディーニャ
このほかヴェルナッチャ・ディ・オリスターノ Vernaccia di Oristano というシェリーのような酸化熟成風味を伴うアルコール度数の高い白ワインがあり、サルデーニャの名産であるカラスミとよく合います。
これまで2週間強にわたってイタリアワインについて述べてきました。
イタリアは全20州でワインを造っているわけですが、土着品種の多さや地域ごとのスタイルの多様性に本当に驚かされますね。
それでもほとんどのワインは日本でも手に入ります。
興味を持ったワインがありましたら、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
