バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
水の都ヴェネツィアは、むかし東地中海貿易によって千年にわたり栄え「アドリア海の女王」とも称えられた海洋国家、ヴェネツィア共和国(7世紀末から1797年)の本拠地だった都市です。
かつてのヴェネツィア共和国は、現在のヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア州にまたがる地域を支配していました。
このエリアは、イタリア国内はもちろん海外でもポピュラーなワインを多く産み出しています。
とくにヴェネツィアを州都とするヴェネト州はワイン生産量でもイタリア1、2位を争い、世界的に親しまれている白ワイン、赤ワインがあります。
●ヴェネト州 Veneto
あなたが初めて飲んだイタリアワインがキアンティでなかったとしたら、それは、もしかしたらソアーヴェだったかもしれません。

▲ピエロパンのソアーヴェ・クラシコ
ヴェネト州西部、ヴェネツィアの西方に位置するヴェローナの町はロミオとジュリエットの舞台としても有名ですが、
ヴェローナの北側一帯は白ワインのソアーヴェ Soave、赤ワインのヴァルポリチェッラ Valpolicella、バルドリーノ Bardolino といった知名度の高いワインの一大産地となっています。

ソアーヴェ Soave はヴァルポリチェッラ一帯のの丘陵地帯の東側にある産地で、ガルガーネガという土着のブドウ品種から造られる白ワインが世界的に有名です。
ソアーヴェはフレッシュな果実味と活き活きとした酸味、引き締まったミネラル感のある、イタリアを代表する白ワインです。
おそらく最も有名なイタリアの白ワインではないでしょうか。
特定の古い地域のものはラベルにクラシコ Classico と表示することができます。
もともとの世界的名声が築かれた丘陵地帯の栽培地が、現在クラシコと呼ばれる地域となっています。
キアンティと同様で、ソアーヴェの人気に乗じてDOCソアーヴェを名乗れる地域が周辺の平野部にまで広く拡大してしまったので、質の低いソアーヴェも大量に出回ってしまっているのが現状です。
本当に美味しいソアーヴェを飲むには、ソアーヴェ・クラシコ Soave Classico とラベルに書かれているものを選ぶか、信頼できる造り手のものを選んだほうがよいでしょう。
ピエロパン Pieropan、ジーニ Gini、イナマ Inama が「3大ソアーヴェ」と呼ばれる生産者です。
主要な赤ワイン2つのうちでは、
ヴァルポリチェッラ Valpolicella のほうがボディがやや重いワインです。
ブドウ品種はコルヴィーナ・ヴェロネーゼ(単にコルヴィーナと呼ぶことも多い)です。
通常のバルポリチェッラは、どちらかといえばミディアムボディの赤ワインです。
バルポリチェッラのなかにはラベルにリパッソ Ripasso という方式で造られた旨が書かれているものがあります。
リパッソは、アマローネ(後述)を造った時のブドウの搾りかすを加えて再発酵させる製法です。
スチールタンクで1回目の発酵をさせた後、アマローネの醸造過程で生まれる搾りかすを加えて2回目の発酵を行います。
リパッソもミディアムボディなワインですが、甘やかな風味を伴い、通常のヴァルポリチェッラよりはコクがあってボディも重めになります。
バルドリーノ Bardolino はヴァルボリチェッラのワイン生産地域から道一本を隔てた隣の地域です。
ブドウ品種はヴァルポリチェッラと同じコルヴィーナ・ヴェロネーゼが主体です。
バルドリーノはよりボディの軽めなワインで、暖かい天気の日に少々冷やして飲むと美味しいです。
生産者の中にはよりボディの重めなスタイルのバルドリーノを造ろうとしているところもありますが、基本的には気軽に飲めるスタイルのほうが楽しいワインだと思います。
ソアーヴェ、ヴァルポリチェッラ、バルドリーノは、1本千円台から2千円くらいのものがほとんどで、高くても3千円くらいです。
ヴァルポリチェッラのワインの一種に、
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ Amarone della Valpolicella というワインがあります。
単にアマローネと呼ばれることも多いです。
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは、イタリアワインの中でも最もフルボディなクラスのワインのひとつです。
ブドウ品種は普通のヴァルポリチェッラと同じくコルヴィーナ・ヴェロネーゼですが、
アマローネは熟したブドウを室内で数ヶ月陰干ししてから発酵させます。
水分が抜けて糖分の凝縮度を高めた干しブドウからワインを造るので、
強い果実味と高アルコール(15~16度くらい)、凝縮した干しブドウの風味のコクがありパワフルなワインになります。
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは1本4千円から8千円くらい、良いものになると1万円くらいします。
なおアマローネは干しブドウから造られた辛口ワインですが、
同じ製法で造られる甘口ワインもありレチョート Recioto と呼ばれています。
ちなみにソアーヴェにもレチョートがあります。
イタリアワインって本当に多様で奥が深いですね!

水の都ヴェネツィアは、むかし東地中海貿易によって千年にわたり栄え「アドリア海の女王」とも称えられた海洋国家、ヴェネツィア共和国(7世紀末から1797年)の本拠地だった都市です。
かつてのヴェネツィア共和国は、現在のヴェネト州、トレンティーノ・アルト・アディジェ州、フリウーリ・ヴェネツィア・ジューリア州にまたがる地域を支配していました。
このエリアは、イタリア国内はもちろん海外でもポピュラーなワインを多く産み出しています。
とくにヴェネツィアを州都とするヴェネト州はワイン生産量でもイタリア1、2位を争い、世界的に親しまれている白ワイン、赤ワインがあります。
●ヴェネト州 Veneto
あなたが初めて飲んだイタリアワインがキアンティでなかったとしたら、それは、もしかしたらソアーヴェだったかもしれません。

▲ピエロパンのソアーヴェ・クラシコ
ヴェネト州西部、ヴェネツィアの西方に位置するヴェローナの町はロミオとジュリエットの舞台としても有名ですが、
ヴェローナの北側一帯は白ワインのソアーヴェ Soave、赤ワインのヴァルポリチェッラ Valpolicella、バルドリーノ Bardolino といった知名度の高いワインの一大産地となっています。

ソアーヴェ Soave はヴァルポリチェッラ一帯のの丘陵地帯の東側にある産地で、ガルガーネガという土着のブドウ品種から造られる白ワインが世界的に有名です。
ソアーヴェはフレッシュな果実味と活き活きとした酸味、引き締まったミネラル感のある、イタリアを代表する白ワインです。
おそらく最も有名なイタリアの白ワインではないでしょうか。
特定の古い地域のものはラベルにクラシコ Classico と表示することができます。
もともとの世界的名声が築かれた丘陵地帯の栽培地が、現在クラシコと呼ばれる地域となっています。
キアンティと同様で、ソアーヴェの人気に乗じてDOCソアーヴェを名乗れる地域が周辺の平野部にまで広く拡大してしまったので、質の低いソアーヴェも大量に出回ってしまっているのが現状です。
本当に美味しいソアーヴェを飲むには、ソアーヴェ・クラシコ Soave Classico とラベルに書かれているものを選ぶか、信頼できる造り手のものを選んだほうがよいでしょう。
ピエロパン Pieropan、ジーニ Gini、イナマ Inama が「3大ソアーヴェ」と呼ばれる生産者です。
主要な赤ワイン2つのうちでは、
ヴァルポリチェッラ Valpolicella のほうがボディがやや重いワインです。
ブドウ品種はコルヴィーナ・ヴェロネーゼ(単にコルヴィーナと呼ぶことも多い)です。
通常のバルポリチェッラは、どちらかといえばミディアムボディの赤ワインです。
バルポリチェッラのなかにはラベルにリパッソ Ripasso という方式で造られた旨が書かれているものがあります。
リパッソは、アマローネ(後述)を造った時のブドウの搾りかすを加えて再発酵させる製法です。
スチールタンクで1回目の発酵をさせた後、アマローネの醸造過程で生まれる搾りかすを加えて2回目の発酵を行います。
リパッソもミディアムボディなワインですが、甘やかな風味を伴い、通常のヴァルポリチェッラよりはコクがあってボディも重めになります。
バルドリーノ Bardolino はヴァルボリチェッラのワイン生産地域から道一本を隔てた隣の地域です。
ブドウ品種はヴァルポリチェッラと同じコルヴィーナ・ヴェロネーゼが主体です。
バルドリーノはよりボディの軽めなワインで、暖かい天気の日に少々冷やして飲むと美味しいです。
生産者の中にはよりボディの重めなスタイルのバルドリーノを造ろうとしているところもありますが、基本的には気軽に飲めるスタイルのほうが楽しいワインだと思います。
ソアーヴェ、ヴァルポリチェッラ、バルドリーノは、1本千円台から2千円くらいのものがほとんどで、高くても3千円くらいです。
ヴァルポリチェッラのワインの一種に、
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラ Amarone della Valpolicella というワインがあります。
単にアマローネと呼ばれることも多いです。
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは、イタリアワインの中でも最もフルボディなクラスのワインのひとつです。
ブドウ品種は普通のヴァルポリチェッラと同じくコルヴィーナ・ヴェロネーゼですが、
アマローネは熟したブドウを室内で数ヶ月陰干ししてから発酵させます。
水分が抜けて糖分の凝縮度を高めた干しブドウからワインを造るので、
強い果実味と高アルコール(15~16度くらい)、凝縮した干しブドウの風味のコクがありパワフルなワインになります。
アマローネ・デッラ・ヴァルポリチェッラは1本4千円から8千円くらい、良いものになると1万円くらいします。
なおアマローネは干しブドウから造られた辛口ワインですが、
同じ製法で造られる甘口ワインもありレチョート Recioto と呼ばれています。
ちなみにソアーヴェにもレチョートがあります。
イタリアワインって本当に多様で奥が深いですね!
