バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
ワイン造りのためのブドウ栽培では、さまざまな技術、テクニックが用いられています。
そうした取り組みを表す専門用語として、ここまでミクロクリマ、キャノピー・マネジメント、成熟度、低収量・密植などをご紹介しました。
今回は有機栽培をはじめとする自然農法についてのお話です。

▲フランス・ロワール地方のニコラ・ジョリが造るサヴニエール・クレ・ド・セランはビオ・ディナミ
◆有機栽培 Organic Viticulture
オーガニック、いわゆる有機栽培を実践するブドウ農家は増え続けています。
有機栽培は、化学肥料や除草剤、殺虫剤などの農薬をを使わずに行なう農法です。
各国で公的機関が監査や認証を行なっています。
有機栽培を行う理由は、化学物質から土地の健康を守るためですが、
その根底には、
「有機栽培されたブドウは、農薬等を使用する現代的な農法で育てられたブドウよりも優れており、より良いワインができるはずだ」
というブドウ農家の信念があります。
化学肥料や農薬等の使用は短期的にはブドウの収量や農作業の効率を高めますが、
長い目で見ると土壌の活力を弱め、ひいてはワインの品質の低下につながるという考え方です。
フランスをはじめヨーロッパ諸国では有機栽培のことを一般に BIO ビオと呼び、
そのようなワインのことをビオ・ワインと呼んでいます。
◆リュット・レゾネ Lutte Raisonée
リュット・レゾネはいわゆる「減農薬栽培」のことです。
化学肥料や農薬の不使用を有機栽培ほど厳格にするのではなく、
それらの使用を必要最低限に保つやり方です。
環境保全型のブドウ栽培ともいわれています。
Lutte は努力・闘いといった意味で、Raisonée は合理的な、という意味です。
直訳すると「合理的な努力」といった意味合いになります。
高品質なワインを造る生産者の多くがこのような栽培法を採り入れるようになっており、現在フランスでは最も一般的なやり方です。
◆ビオディナミ Biodynamie (英:バイオダイナミクス Biodynamics)
有機栽培の考え方を適度に採り入れたリュット・レゾネとは異なり、
有機栽培のやり方をさらに進めたビオディナミという農法もあります。
これは、20世紀初期にオーストリアのルドルフ・シュタイナーという思想家が提唱した農法です。
化学肥料・農薬等の不使用など有機栽培の条件を守ることに加え、
月や天体運行などの動きに合わせて特定のタイミングで農作業を行なうなど、いささか呪術的な側面をもった農法です。
その科学的根拠や有効性には疑問の声もありますが、
ビオディナミを実践したワインは ある種の熱狂的で崇拝的な人気を博しています。
フランス・ブルゴーニュ地方のドメーヌ・ルロワ、ロワール地方のニコラ・ジョリといった生産者がビオディナミを推進しています。
ワイン用ブドウの自然農法にも、いろいろなやり方があるのですね!

ワイン造りのためのブドウ栽培では、さまざまな技術、テクニックが用いられています。
そうした取り組みを表す専門用語として、ここまでミクロクリマ、キャノピー・マネジメント、成熟度、低収量・密植などをご紹介しました。
今回は有機栽培をはじめとする自然農法についてのお話です。

▲フランス・ロワール地方のニコラ・ジョリが造るサヴニエール・クレ・ド・セランはビオ・ディナミ
◆有機栽培 Organic Viticulture
オーガニック、いわゆる有機栽培を実践するブドウ農家は増え続けています。
有機栽培は、化学肥料や除草剤、殺虫剤などの農薬をを使わずに行なう農法です。
各国で公的機関が監査や認証を行なっています。
有機栽培を行う理由は、化学物質から土地の健康を守るためですが、
その根底には、
「有機栽培されたブドウは、農薬等を使用する現代的な農法で育てられたブドウよりも優れており、より良いワインができるはずだ」
というブドウ農家の信念があります。
化学肥料や農薬等の使用は短期的にはブドウの収量や農作業の効率を高めますが、
長い目で見ると土壌の活力を弱め、ひいてはワインの品質の低下につながるという考え方です。
フランスをはじめヨーロッパ諸国では有機栽培のことを一般に BIO ビオと呼び、
そのようなワインのことをビオ・ワインと呼んでいます。
◆リュット・レゾネ Lutte Raisonée
リュット・レゾネはいわゆる「減農薬栽培」のことです。
化学肥料や農薬の不使用を有機栽培ほど厳格にするのではなく、
それらの使用を必要最低限に保つやり方です。
環境保全型のブドウ栽培ともいわれています。
Lutte は努力・闘いといった意味で、Raisonée は合理的な、という意味です。
直訳すると「合理的な努力」といった意味合いになります。
高品質なワインを造る生産者の多くがこのような栽培法を採り入れるようになっており、現在フランスでは最も一般的なやり方です。
◆ビオディナミ Biodynamie (英:バイオダイナミクス Biodynamics)
有機栽培の考え方を適度に採り入れたリュット・レゾネとは異なり、
有機栽培のやり方をさらに進めたビオディナミという農法もあります。
これは、20世紀初期にオーストリアのルドルフ・シュタイナーという思想家が提唱した農法です。
化学肥料・農薬等の不使用など有機栽培の条件を守ることに加え、
月や天体運行などの動きに合わせて特定のタイミングで農作業を行なうなど、いささか呪術的な側面をもった農法です。
その科学的根拠や有効性には疑問の声もありますが、
ビオディナミを実践したワインは ある種の熱狂的で崇拝的な人気を博しています。
フランス・ブルゴーニュ地方のドメーヌ・ルロワ、ロワール地方のニコラ・ジョリといった生産者がビオディナミを推進しています。
ワイン用ブドウの自然農法にも、いろいろなやり方があるのですね!
