バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
ヨーロッパのワインはラベルに産地名だけが書かれているものが多いです。
いっぽうアメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの非ヨーロッパ産地、いわゆる「新世界」のワインはラベルにブドウ品種名が書かれていることがほとんどです。
ブドウの品種のことを英語でヴァラエティ variety といいます。
そして一般に、ラベルにブドウ品種名表示のあるワインのことを
ヴァラエタル・ワイン varietal wine と呼びます。
▲ヴァラエタル・ワインはラベルにブドウ品種名が書かれている
ヴァラエタル・ワインは、
単一品種のワインならそのブドウ品種名が、
複数品種のブレンドワインなら、それに含まれる主要なブドウ品種名が、ラベルに明記されています。
ヴァラエタル・ワインの場合、ラベルに表記したブドウ品種を何パーセント以上使用しなければならないかについて定めている規則が、どの生産国にもあります。
もちろん広告、販売の際にも適用されます。
たとえば、アメリカ合衆国の場合は最低でも「75%以上」と法律で定められています。
これは逆に言えば、「シャルドネ」とラベル表記されているワインには25%までならシャルドネ以外のブドウ品種も使ってよいということです。
ちなみにカナダやチリでも「75%以上」ですが、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカでは「85%以上」と定められています。
アメリカでもオレゴン州は独自に「90%以上」と定めています。
各国でこのように、ラベルに書いたブドウを最低何パーセント以上使いなさいよ、という法律があります。
もちろん単一品種のみで造られているヴァラエタル・ワインはたくさんあります。
しかし多くの場合、ヴァラエタル・ワインのラベルに他のどんなブドウ品種が何パーセント含まれているかなどは書かれていませんし、
そもそもワインに他のブドウ品種が含まれているのかどうかさえも書かれていません。
ですから、ラベルを見てわかることは
「ラベルに書かれているブドウ品種が、少なくとも法で定められた割合だけは含まれている」
ということだけです。
面白いことに、アメリカやオーストラリアのワインの中には、ラベルに複数のブドウ品種名が書かれているものが結構あります。
たとえば、「セミヨン - シャルドネ」とか「カベルネ・ソーヴィニヨン - シラーズ」みたいな書き方です。
このほうが消費者から見れば「正直」に見えますけどね(笑)
冒頭で述べたように、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカのワインのほとんどはヴァラエタル・ワイン、すなわちブドウ品種の名前がワインの名前となっています。
なぜヨーロッパみたいに土地の名前ではなく、ブドウ品種の名前をワイン名にしたのでしょうか。
ワイン造りの伝統がものすごく長く、その歴史ある土地名やブランド力でワインを売ることのできるヨーロッパ諸国とは異なり、
それほどの伝統も歴史も持たず、世界のワイン市場では「新参者」である新世界のワイン生産国は、
ある意味ヨーロッパワインに対抗するためのマーケティング戦略として、
消費者にとってわかりやすい「ブドウ品種名ワイン」にした側面が大きいと思います。
しかしヨーロッパの伝統的なワイン生産国、たとえばフランスやイタリアなどでも、最近は一部のワインにブドウ品種名をラベル記載するようになってきました。
とくにアメリカやアジアなどに輸出販売したいワインは、そうなってきています。
考えてみれば、ワインの原料はブドウなのですから、そのブドウ品種名をワイン名にするほうが合理的といえば合理的です。
だって、ブドウ品種名をワイン名にしたほうが消費者にとって選びやすいですよね。
消費者の立場からすれば、そのワインが何のブドウから造られているかを知りたい気持ちは、食品を買うときにどんな原材料が含まれているかを知りたいのと同じ部分がありますからね。
今後ワインが日本をはじめアジア諸国で普及すればするほど、ヴァラエタル・ワインもますます増えてくるのではないでしょうか。
ワインがもっと選びやすくなれば、ワインを楽しむ人ももっと増えるかもしれませんね。
ヨーロッパのワインはラベルに産地名だけが書かれているものが多いです。
いっぽうアメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカなどの非ヨーロッパ産地、いわゆる「新世界」のワインはラベルにブドウ品種名が書かれていることがほとんどです。
ブドウの品種のことを英語でヴァラエティ variety といいます。
そして一般に、ラベルにブドウ品種名表示のあるワインのことを
ヴァラエタル・ワイン varietal wine と呼びます。
▲ヴァラエタル・ワインはラベルにブドウ品種名が書かれている
ヴァラエタル・ワインは、
単一品種のワインならそのブドウ品種名が、
複数品種のブレンドワインなら、それに含まれる主要なブドウ品種名が、ラベルに明記されています。
ヴァラエタル・ワインの場合、ラベルに表記したブドウ品種を何パーセント以上使用しなければならないかについて定めている規則が、どの生産国にもあります。
もちろん広告、販売の際にも適用されます。
たとえば、アメリカ合衆国の場合は最低でも「75%以上」と法律で定められています。
これは逆に言えば、「シャルドネ」とラベル表記されているワインには25%までならシャルドネ以外のブドウ品種も使ってよいということです。
ちなみにカナダやチリでも「75%以上」ですが、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカでは「85%以上」と定められています。
アメリカでもオレゴン州は独自に「90%以上」と定めています。
各国でこのように、ラベルに書いたブドウを最低何パーセント以上使いなさいよ、という法律があります。
もちろん単一品種のみで造られているヴァラエタル・ワインはたくさんあります。
しかし多くの場合、ヴァラエタル・ワインのラベルに他のどんなブドウ品種が何パーセント含まれているかなどは書かれていませんし、
そもそもワインに他のブドウ品種が含まれているのかどうかさえも書かれていません。
ですから、ラベルを見てわかることは
「ラベルに書かれているブドウ品種が、少なくとも法で定められた割合だけは含まれている」
ということだけです。
面白いことに、アメリカやオーストラリアのワインの中には、ラベルに複数のブドウ品種名が書かれているものが結構あります。
たとえば、「セミヨン - シャルドネ」とか「カベルネ・ソーヴィニヨン - シラーズ」みたいな書き方です。
このほうが消費者から見れば「正直」に見えますけどね(笑)
冒頭で述べたように、アメリカ、チリ、アルゼンチン、オーストラリア、ニュージーランド、南アフリカのワインのほとんどはヴァラエタル・ワイン、すなわちブドウ品種の名前がワインの名前となっています。
なぜヨーロッパみたいに土地の名前ではなく、ブドウ品種の名前をワイン名にしたのでしょうか。
ワイン造りの伝統がものすごく長く、その歴史ある土地名やブランド力でワインを売ることのできるヨーロッパ諸国とは異なり、
それほどの伝統も歴史も持たず、世界のワイン市場では「新参者」である新世界のワイン生産国は、
ある意味ヨーロッパワインに対抗するためのマーケティング戦略として、
消費者にとってわかりやすい「ブドウ品種名ワイン」にした側面が大きいと思います。
しかしヨーロッパの伝統的なワイン生産国、たとえばフランスやイタリアなどでも、最近は一部のワインにブドウ品種名をラベル記載するようになってきました。
とくにアメリカやアジアなどに輸出販売したいワインは、そうなってきています。
考えてみれば、ワインの原料はブドウなのですから、そのブドウ品種名をワイン名にするほうが合理的といえば合理的です。
だって、ブドウ品種名をワイン名にしたほうが消費者にとって選びやすいですよね。
消費者の立場からすれば、そのワインが何のブドウから造られているかを知りたい気持ちは、食品を買うときにどんな原材料が含まれているかを知りたいのと同じ部分がありますからね。
今後ワインが日本をはじめアジア諸国で普及すればするほど、ヴァラエタル・ワインもますます増えてくるのではないでしょうか。
ワインがもっと選びやすくなれば、ワインを楽しむ人ももっと増えるかもしれませんね。