バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

7月24日(火)の夜、お気楽ワインセミナー「ソーヴィニヨン・ブラン産地別飲み比べ」を開催しました。
会場は神田駅や三越前駅から近い、日本橋本町のレンタルスペースMIXERです。

今回のテーマは夏にピッタリ、スッキリ爽やか白ワインの代名詞ソーヴィニヨン・ブランの比較テイスティング。
4種類のソーヴィニヨン・ブランを楽しみながら、産地による味わいの多様性を体感するセミナーです。

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とても蒸し暑い夏の宵、白ワイン好きなゲストの方にお集まりいただきました。
まずはソーヴィニヨン・ブランの基本中の基本ともいえる、フランス・ロワール地方のサンセールで乾杯!

レモンなど柑橘系果実や青草のような香りに石灰のようなミネラル感。とてもスッキリ爽やか、フレッシュなワインですね。
このサンセール、キリっとしていて一杯めに楽しむワインとしてピッタリです。

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ワインは単に飲むだけでも美味しく楽しいお酒ですが、せっかくのワインセミナーですので、テイスティングの基本に則って進めていきます。
ワインのテイスティングでは目(外観)、鼻(香り)、口(味わい)で順に特徴をとらえていきます。

まずは目でワインの外観を確認。
ソーヴィニヨン・ブランの場合はたいてい淡い、グリーンがかったレモンイエロー色ですね(もちろん例外もありますが)。

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次に香りの特徴を捉えます。
ソーヴィニヨン・ブランはたいていアロマティックで芳香性に富み、レモンやグレープフルーツなど柑橘系の果実を思わせる香り、ハーブ、芝生のような青さを連想させる香りがします。

ただし、ワインによってその現れ方やボリュームの強さ、特徴要素の比重が異なりますし、中には樽香のするタイプもあったりして、非常に多様です。

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そして口に含んで味わいをチェックします。
フレッシュで爽やかで若々しく、酸味が豊かで、グレープフルーツのような味わい、後味に心地よい苦味を伴います。
当然、味わいも香りと同様に、ワインによって特徴の現れ方もいろいろです。

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2つめのワイン、3つめのワインとテイスティングを進めていきます。

2つめはニュージーランドのソーヴィニヨン・ブラン。
産地は南島の銘醸地マールボローです。
クラウディ・ベイ Cloudy Bay という銘柄の、ニュージーランドで最も有名なワインのひとつです。

香りのボリュームが力強く、柑橘系に加えて刈り取ったばかりの芝生や青ねぎのような香りも。
酸味もしっかり、熟したグレープフルーツのような果実味が豊富です。
ニュージーランドらしい、ソーヴィニヨン・ブランのお手本のようなワイン。

3つめは南アフリカのソーヴィニヨン・ブランです。
産地は近年注目されている比較的新しい産地エルギン。
エルギンは仏ブルゴーニュ地方と似た気候で、南アの沿岸地方では最も冷涼な産地。
ソーヴィニヨン・ブランのほか、ピノ・ノワールやリースリングなども栽培しています。

柑橘系の香りに加えて白い花やピーチのような香り。
口に含むとかすかに発泡性が感じられ、ハツラツとした果実味と同時に石灰のようなミネラル感もあります。
この南アのワイン、メリハリと言いましょうか、骨格がしっかりとした美味しいソーヴィニヨン・ブランです。

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4つめはここまでとはタイプの異なるソーヴィニヨン・ブランを。
収穫時期を遅らせて完熟させたブドウから造られたワインです。
産地はイタリア北部のヴェネト州。あのソアーヴェと同じ産地で造られています。

このワイン、前の3つとは明らかに色調が異なりますよね(上の写真、赤丸)。
ソーヴィニヨン・ブランとしては濃い目の色合いで、ややゴールドがかったニュアンスがあります。

香りも柑橘系のニュアンスはなく、洋梨、白桃、さらにはトロピカルフルーツ系の完熟性を想起させる香り。
味わいも酸味はおだやか、むしろピーチやハチミツのような残糖分がかすかにあって、辛口ワインですが甘味も感じられます。

やや豊満なボディを持った、異色のソーヴィニヨン・ブラン。
ソーヴィニヨン・ブランにもこういうスタイルのものがあるんですね。ワインって本当に面白い。

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一般にソーヴィニヨン・ブランと聞くと、あぁ、あの酸っぱいワインね・・・なんて思っている人も多いと思います。
たしかにソーヴィニヨン・ブランの特徴はあのキリリとした酸味ですが、産地によって味わいや楽しみ方もずいぶん異なるのです。

スタイルの異なる4種類の飲み比べを通じて、世界中で愛される爽やかな白ワイン、ソーヴィニヨン・ブランの奥深さや魅力を再発見したワインセミナーでした。

次回のお気楽ワインセミナーは8月28日(火)の夜19時から、スパークリングワインの種類別飲み比べを予定しています。
詳細が固まり次第ウェブサイトにてお知らせします。

ご興味のある方はぜひご参加くださいね!

(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)

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