バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

梅雨明け翌日の6月30日(土)、お気楽ワインセミナー「ボルドーワインの基本」を開催しました。
会場は秋葉原駅のすぐそば、BAR Gauge(ゲージ)です。

気温も30度を超え、とても暑い日の昼下がり、ワイン好きのゲストの方にお集まりいただきました。
今回はボルドー地方を代表する、基本的なワインのテイスティングがテーマ。


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高価なワインが美味しいのは当然ですが、今回ぼくたちのワインセミナーでは
「お手頃でもこんなに美味しいボルドーワインがあるんです」
を副題に、リーズナブルな価格かつ美味しい、お値打ちワインをセレクトしました。

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白ワインは、アントル・ド・メール地区の「シャトー・フォンダルザック」。
ブドウ品種はソーヴィニヨン・ブラン主体でセミヨンも使用されています。
柑橘系やハーブを思わせるさわやかな香りに、パイナップルのようなややトロピカルフルーツのニュアンスも。

酸味はハツラツとしており、グレープフルーツのような果実味。
セミヨンから来ると思われる若干のオイリーな口当たりに、心地よい苦味の後味を伴います。
今日みたいに暑い日に、1杯目に飲むワインとしてピッタリですね。

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赤ワインのひとつめは、ボルドー右岸コート・ド・カスティヨンの「シャトー・サント・コロンブ」です。
2005年のグッド・ヴィンテージのもの。
外観はやや濃い、エッジがオレンジがかったガーネット。熟成のニュアンスが出ています。

メルローは熟成が進むと、カベルネ・ソーヴィニヨンよりも早めにオレンジがかってきます。
黒系果実のかなり濃密な香り。肉厚な口当たりにプルーンを思わせる濃縮感ある果実味が広がります。
渋みは鋭角的ではなくまろやかで、メルロー主体らしく全体に丸みや柔らかさを感じさせる赤ワインです。

赤ワインのふたつめは、ボルドー左岸サンジュリアンの「レ・フィエフ・ド・ラグランジュ」。
ヴィンテージは2006年です。
濃い紫がかったルビー色。こちらも若干ですが熟成の色合いが出ています。
黒系果実の香りに、ドライイチジク、杉の木、甘草などのスパイス、少しだけ紅茶のような香りがします。

先の右岸の赤ワインとは対照的に、果実味は引き締まっており、渋みは強すぎないがシッカリと感じられ、全体に筋肉質で男性的なニュアンスのワインです。
メドック格付け3級シャトー・ラグランジュのセカンドワインで、カベルネ・ソーヴィニヨン主体らしい特徴が現れています。

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4つめのワインはソーテルヌ地方の貴腐ワイン「プティ・ギロー」。
ソーテルヌ格付け1級シャトー・ギローのセカンドワインです。
ブドウ品種はセミヨン主体。貴腐ブドウを100%使用しています。
ゴールド色の外観で、ネットリとした粘性が見て取れます。

黄桃のシロップ
漬けまたは砂糖漬けしたパイナップルを思わせる香り。新樽50%使用から来る樽香とともに、ややセメダインのような香りも感じられます。
口に含むと完熟した黄桃のコンポートのようなタップリとした果実味に、ハチミツのようなニュアンスも。
甘口ですが、ベトついた甘さではなく、すぅーっと喉に流れていく上品な味わいです。
これがソーテルヌのすばらしさですね。

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今回は、4種類のボルドーらしいワインとじっくり向き合ってみたセミナーでした。
もちろん広いボルドー地方にはこれら以外のタイプのワインも多々ありますが、
「ボルドーワインの基本」という点では、きわめて特徴的な4種類のワインテイスティングになったのではないかと自負しています。

ぼくたちバイザグラスの「お気楽ワインセミナー」、次回は7月24日(火)19時~21時に、「ソーヴィニヨン・ブラン産地別飲み比べ」をテーマに開催いたします。会場は東京・中央区日本橋本町(最寄り駅はJR神田駅・東京メトロ三越前駅)です。

気楽にワインを楽しみたい方、ワインの基本を気軽に学習してみたい方、ぜひご参加ください!

(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)

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