バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
ヴィンテージ・シャンパーニュは、ブドウが十分に熟した年だけ、過去のリザーヴ・ワインをブレンドすることなく、完全にその収穫年のブドウのみを使って造られるシャンパーニュです。
ヴィンテージ・シャンパーニュはフランス語でミレジメ Millésimé とも呼ばれます。
1995年以降のシャンパーニュ地方(というよりヨーロッパ全体)の気候はそれまでの通常よりもかなり暖かく、シャンパーニュ生産者はほとんど毎年のように(2001年は例外として)ヴィンテージものを造るようになっています。
すでに述べたように、もともとシャンパーニュ地方の気候はブドウ栽培地域としては極めて冷涼です。
1990年代前半の状況はあまりに "典型的" だったようです。
1991、1992、1993、1994年はいずれも特筆すべきもののない年で、ヴィンテージものを造った生産者はほぼありませんでした。
さらに遡って1980年代について調べてみると、シャンパーニュ地方は "例外的" な好天候に恵まれ、多くの生産者が1981年から1990年まで毎年のように(1984年と1987年を例外として)ヴィンテージものを造っていたようです。
1995年以降は良いヴィンテージが続きました。
とくに1996年は秀逸でした。
それに続く1997、1998、1999年の3年も良い年でした。
2000年と2003年は並程度の年とされていますが(とくに2003年は夏が暑すぎたようです)、2002年と2004年は良いヴィンテージでした。
とくに2002年は1996年以来のグッドヴィンテージとされています。
ヴィンテージ・シャンパーニュの法定最低熟成期間は3年とされていますが、シャンパーニュ生産者の多くは風味と複雑さを高めるために4~6年くらいは熟成させています。
良いヴィンテージのシャンパーニュは長期熟成能力に優れています。

▲ポル・ロジェ・サー・ウィンストン・チャーチル2002年
ぼくは昨年(2016年)、2002年もののポル・ロジェ・サー・ウィンストン・チャーチル Pol Roger - Sir Winston Churchill を自宅で開けてみました。
14年経過していても非常に力強さを保っており、かつスモーキーな熟成感も出ていて、その複雑なバランスがさすがだなあと感動した覚えがあります。
シャンパーニュの生産者は収穫年ごとにヴィンテージものをつくるかどうかを慎重に判断します。
その際に考慮される最重要な要素は、もちろんその収穫年のブドウの品質の良し悪しですが、
それ以外にも判断材料となる事柄が主に2つあります。
● 将来のノン・ヴィンテージ用のリザーヴ・ワインとして使用するために、あえてヴィンテージものを造るためには使わずにキープしておく必要性。
(なんだかんだいっても、彼らの売上のうち約85%はノン・ヴィンテージものなので。)
● そのヴィンテージもののスタイルが、彼らの基本的な「ハウススタイル」に合致するかどうか。
(たとえば1989年はなかなかの良年でしたが、シャンパーニュ生産者の中には、その年のブドウから造るシャンパーニュは酸度が低くてマイルドすぎるのでヴィンテージものを造らない、という決断をしたところもありました。)
単にその年のブドウが良いからという理由だけでヴィンテージものを造るわけではなく、こうした要素を慎重に考慮して総合的な見地から経営判断を行っているのですね。
ヴィンテージもの・・・なるほど高価なはずです。。
よほど特別なときでないと、なかなか開けられませんね (^^;
(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)

ヴィンテージ・シャンパーニュは、ブドウが十分に熟した年だけ、過去のリザーヴ・ワインをブレンドすることなく、完全にその収穫年のブドウのみを使って造られるシャンパーニュです。
ヴィンテージ・シャンパーニュはフランス語でミレジメ Millésimé とも呼ばれます。
1995年以降のシャンパーニュ地方(というよりヨーロッパ全体)の気候はそれまでの通常よりもかなり暖かく、シャンパーニュ生産者はほとんど毎年のように(2001年は例外として)ヴィンテージものを造るようになっています。
すでに述べたように、もともとシャンパーニュ地方の気候はブドウ栽培地域としては極めて冷涼です。
1990年代前半の状況はあまりに "典型的" だったようです。
1991、1992、1993、1994年はいずれも特筆すべきもののない年で、ヴィンテージものを造った生産者はほぼありませんでした。
さらに遡って1980年代について調べてみると、シャンパーニュ地方は "例外的" な好天候に恵まれ、多くの生産者が1981年から1990年まで毎年のように(1984年と1987年を例外として)ヴィンテージものを造っていたようです。
1995年以降は良いヴィンテージが続きました。
とくに1996年は秀逸でした。
それに続く1997、1998、1999年の3年も良い年でした。
2000年と2003年は並程度の年とされていますが(とくに2003年は夏が暑すぎたようです)、2002年と2004年は良いヴィンテージでした。
とくに2002年は1996年以来のグッドヴィンテージとされています。
ヴィンテージ・シャンパーニュの法定最低熟成期間は3年とされていますが、シャンパーニュ生産者の多くは風味と複雑さを高めるために4~6年くらいは熟成させています。
良いヴィンテージのシャンパーニュは長期熟成能力に優れています。

▲ポル・ロジェ・サー・ウィンストン・チャーチル2002年
ぼくは昨年(2016年)、2002年もののポル・ロジェ・サー・ウィンストン・チャーチル Pol Roger - Sir Winston Churchill を自宅で開けてみました。
14年経過していても非常に力強さを保っており、かつスモーキーな熟成感も出ていて、その複雑なバランスがさすがだなあと感動した覚えがあります。
シャンパーニュの生産者は収穫年ごとにヴィンテージものをつくるかどうかを慎重に判断します。
その際に考慮される最重要な要素は、もちろんその収穫年のブドウの品質の良し悪しですが、
それ以外にも判断材料となる事柄が主に2つあります。
● 将来のノン・ヴィンテージ用のリザーヴ・ワインとして使用するために、あえてヴィンテージものを造るためには使わずにキープしておく必要性。
(なんだかんだいっても、彼らの売上のうち約85%はノン・ヴィンテージものなので。)
● そのヴィンテージもののスタイルが、彼らの基本的な「ハウススタイル」に合致するかどうか。
(たとえば1989年はなかなかの良年でしたが、シャンパーニュ生産者の中には、その年のブドウから造るシャンパーニュは酸度が低くてマイルドすぎるのでヴィンテージものを造らない、という決断をしたところもありました。)
単にその年のブドウが良いからという理由だけでヴィンテージものを造るわけではなく、こうした要素を慎重に考慮して総合的な見地から経営判断を行っているのですね。
ヴィンテージもの・・・なるほど高価なはずです。。
よほど特別なときでないと、なかなか開けられませんね (^^;
(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)
