バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

スパークリングワインを味わうとき、いちばん大切な要素は言うまでもなく、自分がそれを好きかどうかです。
その点は通常のワインを飲むときと同じですね。

でも、スパークリングワインをもう少しプロっぽく品定めしたいのでしたら、次に掲げるような基準に照らして判断してみるとよいでしょう。

通常のワインの場合はそれほど重視されないものも含まれていますが、スパークリングワインをテイスティングするときには有用な判断ポイントとなります。

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 ▲良いスパークリングワインはきめ細かな泡がグラスの底から上方へと連続的な流れで立ち上がる


●泡の現れ方

上質なスパークリングワインの泡は微小できめ細かく、グラスの底から上方に向かって連続的な流れで浮上していきます。

もしも泡がブクブク大きくて、断続的で不規則な出方をしているようであれば、そのスパークリングワインの品質がそれほど良くないということを示しているかもしれません。

泡の数があまりにも少ないようであれば、おそらく、①そのボトルはハズレ、②グラスがよくない or 汚れている、③ワインが古すぎる、のいずれかでしょう。

グラスの種類や状態も泡の出方に非常に大きな影響を与えます。

同じボトルから
2つのグラスにスパークリングワインを注いだとき、
片方のグラスにはあまり泡が見られず、もう片方は活き活きと泡を出していたとしたら、
ワインの品質ではなくグラスのほうを疑うべきでしょう。
(もっともこのような場合は、たとえ泡があまり見えなくても、口に入れれば確かに泡はあるはずですけどね。)

●口中での泡の感じられ方

泡がきめ細かいほど、口中で泡を強烈に感じません。
とてもスムーズに心地よく口の中で溶けていくはずです。

逆に、まるでスプライトみたいに "痛い" ほどの泡を感じたとすれば・・・あなたがそのスパークリングワインに500円以上支払わなかったことを祈ります。。

●甘味と酸味のバランス

甘口、辛口には個人ごとの好みもあります。
あるスパークリングワインが自分にとって甘口すぎたり辛口すぎたり感じたとしても、その品質を客観的に評価するには、その甘味と酸味の比率がどのくらいか落ち着いて吟味する必要があります。

自分の好みはいったん脇において、甘味と酸味のバランスが合理的であるかどうか(つまり極端でないか、おかしくないか)を評価しましょう。

●口当たり

シャンパーニュなどのように伝統方式で造られた本格的なスパークリングワインは、ワインがオリに接触した状態で一定の熟成期間をとっているので、いくらかクリーミーな口当たりとなるはずです。

●フィニッシュ(後味)

飲み込んだ後に口中に妙な苦味を感じたら、それは低品質の印かもしれません。

・・・いかがでしょうか。
今度スパークリングワインを飲むときには、ぜひ上記の基準に照らしてチェックしてみましょう。
そのスパークリングワインが良いものかどうか、きっとわかるようになりますよ。

(バイザグラス株式会社 代表取締役・ソムリエ 松沢裕之)

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