バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

太平洋沿いの巨大なAVAソノマコースト Sonoma Coast の中でも、
フォートロスの町を基点に北はアナポリスの町あたりまで、南はオクシデンタル、フリーストーン、セバストポルといった町のあたりまでのエリアのことを、
現地のワインファンは the True Sonoma Coast真のソノマコースト) と呼んでいます。

別名を the Extreme Sonoma Coast究極のソノマコースト)ともいうそうです。

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「真のソノマコースト」のブドウ栽培者やワイン生産者は、自分たちの
ワインは太平洋沿岸エリアならではのテロワールを反映した独特なものだと自負しており、他のAVAソノマコーストとは区別したいと考えています。
彼らの頑張りもあって、「真のソノマコースト」の名はだんだんと流布するようになりました。

広大で地理的な特定性のなかったソノマコーストAVAを、もうすこし細かく再定義しようという流れが生まれた最初の一歩は、おそらく2012年のことです。
この年、太平洋に至近なまさに "究極のソノマコースト" エリアのブドウ畑を包含したフォート・ロス-シーヴュー Fort Ross-Seaview というAVAが新たに作られました。

「真のソノマコースト」エリアの気候的特徴をひとつあげるとすれば、ボデガ湾から山々のすきまを吹き抜けていく海風でしょう。
この涼しい風と十分な日照とが組み合わさって、ピノ・ノワールとシャルドネの理想的な生育条件を生み出しています。

この冷涼な気候のために、
「真のソノマコースト」のピノ・ノワールは晩熟となり、ワインは他のソノマ地方のピノ・ノワールに比べてアルコール度数が低めになります。

「真のソノマコースト」のピノ・ノワールは、他のカリフォルニア産のピノ・ノワールよりも色合いが淡く、口当たりも軽めになります。
その分、アメリカのピノ・ノワールにはなかなか見られないようなエレガンス、バランス、デリケートさを持ったすばらしいワインとなります。

「真のソノマコースト」でピノ・ノワールを造るワイナリーはほとんどが小規模で、年間2~3千ケース程度しか生産しないため、
残念ながら日本ではなかなか見かけません。
造り手によっては、アメリカ本国ですら店頭で見つけるのが困難で、ワイナリーに直接コンタクトしないと買えないものもあるようです。

そのような中で比較的規模が大きいのは、フラワーズ・ヴィンヤード&ワイナリー Flowers Vineyard & Winery です。
フラワーズのピノ・ノワールでしたら、インターネットで探せば日本でも購入できます。
ものによりますが、だいたい1本8千円から2万円くらいしますけどね。。

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