バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

アルゼンチンは南アメリカで最大のワイン生産量を誇ります。
世界でも第5位です。

ワインの生産量の点では、アルゼンチンは昔からずっと主要なワイン生産国でした。
しかしアルゼンチンワインが国外で成功するようになったのは、21世紀に入ってからのことです。

世界でのアルゼンチンワインの成功はあまりに急速で、非常に華々しいものがあります。
いまやアルゼンチンは、世界のワイン市場における主要プレイヤーであり、とくに変化が激しく面白いワイン生産国のひとつとなっています。

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チリと同様、アルゼンチンでは16世紀の半ばからブドウが育てられてきました。

アルゼンチンに植えられているブドウ樹の原産地はいろいろですが、その多くは大量のイタリア移民とバスク移民が持ち込んだものです。
結果としてアルゼンチンは、ボナルダ(イタリア原産とされていたが、実はフランス原産のコルボーと同一品種であることが科学的に判明)やマルベック(フランス南西部原産)などのような、隣国チリでは見かけないブドウが自慢となっています。

アルゼンチンのワイン産地は主に国土の西側に位置しています。
そこは地理的にはアンデス山脈がアルゼンチンとチリを分かつ場所で、
太平洋からの湿った風がチリを超えアルゼンチンに入ると乾燥した風になります。

その風はゾンダ Zonda と呼ばれる暖かい風ですが、平均900mの高い標高が暑さを和らげ、ブドウ畑をとりまく気候は日中は暖かく、夜は涼しく、砂漠のように乾燥しています。
アルゼンチンは降雨量の少ない産地ですが、アンデス山脈から産地中を流れる川が灌漑用の水を供給してくれます。

アルゼンチンのブドウ畑の大部分はメンドーサ Mendoza にあります。
メンドーサ州はアルゼンチン最大のワイン産地で、おおむねチリの首都サンティアゴと同緯度にあります。

メンドーサ州の中にもいろいろなワイン生産地域があり、
マイプ Maipu、ルハン・デ・クージョ Luján de Cuyo、サン・ラファエル San Rafael などといった名前がしばしばラベルに表記されています。

ワイン生産者はこうした地区ごとの区別をアピールしようとしていますが、正直ぼくにとってはどれもメンドーサのワインであり、地区による差異はあまり感じられません。。

いずれにせよ、アルゼンチンの有力なワイナリーやブドウ畑の多くはメンドーサ市の周辺に散らばっています。
それだけ、アルゼンチンワインといえば「メンドーサ」が最重要キーワードだということなんですね。

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