バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

リベラ・デル・デュエロ Ribera del Duero は、スペインの首都マドリッドから車で2時間ほど北上したところにある産地です。

スペインのなかでは最もダイナミックな動きのある産地群のひとつです。

リベラ・デル・デュエロではリオハ同様テンプラニーリョが主要品種です。
この産地でテンプラニーリョはティント・フィノ Tinto Fino と呼ばれ、深い色味としっかりしたボディに繊細さも併せ持つ赤ワインが生まれます。

歴史の長いリオハ以外で、テンプラニーリョというブドウ品種がこれほどまでの高みに達した産地は、おそらく世界中を探してもリベラ・デル・デュエロだけでしょう。

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 ▲ベガ・シチリアのウニコ

リベラ・デル・デュエロでは、レジェンドと呼ばれるベガ・シチリア Vega Sicilia という生産者が何年にもわたり、この産地のワインの評判を独占していました。

実際、(産地としてではなく)個別のワインとして一番有名なスペインのワインは、
ずっとベガ・シチリアが造るウニコ Unico というワインでした。

ウニコはおおむねテンプラニーリョ8割、カベルネ・ソーヴィニヨン2割のブレンドで造られるワインで、凝縮感があり、骨格のあるタンニンを伴い、非常に長期の熟成能力を持つスケールの大きな赤ワインです。

ウニコは発売される前に木樽で10年熟成させ、場合によってはさらに瓶内でも数年間熟成させてから販売されるワインです。

スペイン国内の高級レストランではたいていワインリストに載っているはずです。
日本で購入すると最低でも1本4万5千円はするでしょう。

しかし現在は、ベガ・シチリアだけがリベラ・デル・デュエロの名声を独占しているわけではありません。

アレハンドロ・フェルナンデス Alejandro Fernández が造るペスケラ Pesquera はテンプラニーリョ100%で造られる赤ワインで、すでに20年以上にわたって高い評価を得ています。

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 ▲アレハンドロ・フェルナンデスのペスケラ・クリアンサ

ペスケラはコクがあり、樽香とタンニンが力強く、凝縮した果実味のある赤ワインです。
ペスケラ・レゼルバは1本5千円くらいです。

これより熟成期間が短く若いペスケラ・クリアンサは1本3千円くらいで購入できるので、ぼくはたまに個人的に楽しんでいます。

リオハだけではないテンプラニーリョの面白さ・・・リベラ・デル・デュエロの赤ワインもぜび試してみてはいかがでしょうか。

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