バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

さて、ピエモンテ州にはバローロとかバルバレスコといった特別なときに飲むような高級ワインがあるのはわかりましたが、普段はどのようなワインを飲んでいるのでしょうか?

かの地で日常的に飲まれている赤ワインは、たいてい
ドルチェット種のワイン
バルベーラ種のワイン、もしくは
バローロ・バルバレスコとは違うところで造られたネッビオーロ種のワイン です。

これらの中でもドルチェットの赤ワインは、ピエモンテでの食事でおそらく最初に目にする赤ワインでしょう。

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 ▲ディアーノ・ダルバ


ドルチェット Dolcetto

ドルチェットという名前からドルチェ(イタリア語でデザート)を連想してしまい、
もしかして甘口ワイン?
と思うかもしれません。。

しかしドルチェットのワインはれっきとした辛口で、タンニンもそこそこしっかりしています。
(ただし食事と一緒に飲むと、それほどタンニンは強く感じません。)

ドルチェットはかすかに黒コショウのような香りと赤いベリー系の風味を伴うワインです。
酸味が少なく厚みのあるワインにもなる品種ですが、フルーティで早飲みタイプのワインにすることが多いです。

よくボージョレーのワインと比較されることがありますが、ドルチェットのほうがもう少しタンニンが豊富です。

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ドルチェットの中で良いワインはドリアーニ Doglianiディアーノ・ダルバ Diano d'Alba で、どちらもDOCGです。
いずれもラベルにはDOCG名とともに Dolcetto とブドウ品種名が記されています。

ドルチェットのワインは1本2~3千円くらいです。
前回リストアップしたバローロの生産者たちは、たいていドルチェットのワインも造っています。

バルベーラについては次回あらためて書くとして、バローロ・バルバレスコ以外のネッビオーロ・ワインについて少々触れておきましょう。

バローロやバルバレスコばかりでなく、日常ワインタイプのネッビオーロもあります。
ネッビオーロ・ダルバ Nebbioro d'Alba とかランゲ Langhe といった地名がラベルに書かれているものです。

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バローロやバルバレスコほどボディは重くなく、飲みやすい赤ワインです。

こうしたネッビオーロワインのよいところは、若飲みタイプでヴィンテージ後すぐに楽しめることです。
ネットショップで探すと2~3千円で売っていますので、試してみてはいかがでしょうか。

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