バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドー地方の続きです。

ボルドー左岸のオーメドック地区は古くからボルドーの中でも最重要地域であり、それゆえ世界中のワイン愛好家が常に注目しているエリアです。

オーメドック地区は、ジロンド河が大西洋に注ぐ河口周辺の、メドックと呼ばれる半島の南部にあります(図表の黄緑色で示したエリア)。

medoc-map


メドック Médoc という地名は、次のように2通りの使われ方をします。

①左岸の最も北にあるメドック地区を指すとき
・・・図表の濃い緑色で示したエリアを「メドック地区」と呼びます。このエリアのワインはAOCメドックを名乗ります。

広くジロンド河口部の西側全体を指すとき
・・・①の「メドック地区」と「オーメドック地区」の2つを併せたエリア全体を「メドック」とよぶ言い方。これも、よく使われる言い方です。


ワインとして見れば、メドック地区よりオーメドック地区のほうがずっと重要です。
オーメドック地区の中には、素晴らしいワインを生み出す産地として有名な村が4つあるからです。

サンテステフ Saint-Estèphe
ポイヤック Pauillac
サンジュリアン St.-Julien

マルゴー Margaux


の4村です。

各村のワインの特徴を以下にまとめました。
  • サンテステフ Saint-Estèphe
    堅固でタンニン豊富な、分厚い感じの長期熟成型の赤ワイン。
    【代表的ワイン】 シャトー・モンローズ Château Montrose
  • ポイヤック Pauillac
    濃密で力強く、堅固でタンニン豊富な、きわめて長期の熟成能力を持つ赤ワイン。
    ボルドーで最も高名な3つのシャトーの本拠地。

    シャトー・ラトゥール Château Latour
    シャトー・ラフィット・ロートシルト Château Lafite-Rothschild
    シャトー・ムートン・ロートシルト Château Mouton-Rothschild
  • サンジュリアン St.-Julien
    風味豊かでコクがあり、タンニンが比較的柔らかく、ややふくよかな印象の赤ワイン。
    【代表的ワイン】 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ Château Ducru-Beaucaillou
  • マルゴー Margaux
    香り高く、オーメドック地区の中では繊細、しなやか、エレガントな印象の赤ワイン
    【代表的ワイン】
    シャトー・マルゴー Château Margaux

オーメドック地区には他にもリストラック Listracムーリス Moulis の2村があります。
上記の4村ほど有名ではありませんが、それぞれ良いワインを造っています。

これら6村はそれぞれ、村の名前がAOCとなっています。
それ以外のオーメドック地区では、一部の例外を除き、AOCオーメドックと名乗ります。

なお、AOCメドック、AOCオーメドック、上記6村の各AOCを名乗れるのは赤ワインの場合のみです。
これらのエリアで作られた白ワインはすべてAOCボルドーとなります。

同じ産地で同じシャトーが造ったワインであっても、赤と白とではAOCが異なるのですね。

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