バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
赤ワインの原料となる黒ブドウのうち、国際的なブドウ品種を紹介しています。
前回まで3回にわたり、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールについて書きました。
国際的な黒ブドウの4つめはシラー(シラーズ)です!
◆シラー(シラーズ)◆
フランスのローヌ地方北部が伝統的にシラー syrah から素晴らしいワインができる本拠地です。
ただし近年ではオーストラリアがこのブドウ品種の第二の本拠地といってもいいでしょう。
オーストラリアではシラーズ shiraz と呼ばれ、この国で最も多く栽培されているブドウ品種です。
シラーはカリフォルニア、イタリア、スペイン、チリ、アルゼンチンなどでも栽培されています。

▲エルミタージュは熟成していてもなお力強いワインだった

▲グラスに注がれたエルミタージュ ~ 香りのボリュームが強い
シラーは色が濃く、タンニンが豊かで、フルボディのワインになります。
シラーのワインには黒コショウを思わせる香りがあります。
このスパイシーな香りがシラーの最大の特徴です。
このほか、カシス、ブラックベリー、肉の燻製、血液、タール、焼いたゴムのような香りも出てきます。
実際、ローヌ北部の有名なワイン「コート・ロティ」にはタールのような焦げたニュアンスの風味が感じられますし、「エルミタージュ」には肉や血液のようなドップリとした重みがあります。
シラーは、このようにドッシリ重くパワフルなワインになりやすい品種です。
オーストラリアでは、シラーズは様々なスタイルのワインになります。
オーストラリアのシラーズは、基本的にはローヌ地方と同様に、場合によってはそれ以上にフルボディなワインになります。
黒コショウのようなスパイシーな風味に加え、チョコレートのような風味を伴うこともあります。
アルコール感が強く、辛口ワインでもカシスリキュールや黒系果実のコンポートのような濃厚な甘味すら感じられるほど、果実味がドッシリしています。
いっぽう、ものによってはフルーティでそれほど重くなく、チャーミングなタイプのワインもあります。
シラー(シラーズ)はそれ自体とても風味の強いブドウ品種ですので、他の品種の補助を必要としません。
ですからシラー(シラーズ)単体で造られるワインは多いのですが、
ローヌ北部ではシラーの力強さを柔らげるためにヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌといった白ブドウと混醸される場合があります。
ローヌ南部ではグルナッシュという黒ブドウが主体で、それにシラーが混ぜられることが多いです。
またオーストラリアではシラーとカベルネ・ソーヴィニヨンーがブレンドされたワインもあります。
ドッシリ系のシラーズと渋系のカベルネ・ソーヴィニヨンを混ぜちゃうなんて、スゴイですね。。
このようにドッシリとした力強さがシラーの特徴なのですが、
ローヌ地方で最も北部にありブルゴーニュ地方からも遠くない「コート・ロティ」のワインの中には、
熟成させると色合いも口当たりもエレガントで酸味もほどよくあり、ピノ・ノワールの熟成ワインと間違えてしまうような逸品もあります。
そのようなコート・ロティを、ぼくも飲んだことがあります。
ブドウ品種や産地ごとの原理原則はありながらも、それぞれが多様な性格を見せてくれるところがワインの面白いところですね!

赤ワインの原料となる黒ブドウのうち、国際的なブドウ品種を紹介しています。
前回まで3回にわたり、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、ピノ・ノワールについて書きました。
国際的な黒ブドウの4つめはシラー(シラーズ)です!
◆シラー(シラーズ)◆
フランスのローヌ地方北部が伝統的にシラー syrah から素晴らしいワインができる本拠地です。
ただし近年ではオーストラリアがこのブドウ品種の第二の本拠地といってもいいでしょう。
オーストラリアではシラーズ shiraz と呼ばれ、この国で最も多く栽培されているブドウ品種です。
シラーはカリフォルニア、イタリア、スペイン、チリ、アルゼンチンなどでも栽培されています。

▲エルミタージュは熟成していてもなお力強いワインだった

▲グラスに注がれたエルミタージュ ~ 香りのボリュームが強い
シラーは色が濃く、タンニンが豊かで、フルボディのワインになります。
シラーのワインには黒コショウを思わせる香りがあります。
このスパイシーな香りがシラーの最大の特徴です。
このほか、カシス、ブラックベリー、肉の燻製、血液、タール、焼いたゴムのような香りも出てきます。
実際、ローヌ北部の有名なワイン「コート・ロティ」にはタールのような焦げたニュアンスの風味が感じられますし、「エルミタージュ」には肉や血液のようなドップリとした重みがあります。
シラーは、このようにドッシリ重くパワフルなワインになりやすい品種です。
オーストラリアでは、シラーズは様々なスタイルのワインになります。
オーストラリアのシラーズは、基本的にはローヌ地方と同様に、場合によってはそれ以上にフルボディなワインになります。
黒コショウのようなスパイシーな風味に加え、チョコレートのような風味を伴うこともあります。
アルコール感が強く、辛口ワインでもカシスリキュールや黒系果実のコンポートのような濃厚な甘味すら感じられるほど、果実味がドッシリしています。
いっぽう、ものによってはフルーティでそれほど重くなく、チャーミングなタイプのワインもあります。
シラー(シラーズ)はそれ自体とても風味の強いブドウ品種ですので、他の品種の補助を必要としません。
ですからシラー(シラーズ)単体で造られるワインは多いのですが、
ローヌ北部ではシラーの力強さを柔らげるためにヴィオニエ、ルーサンヌ、マルサンヌといった白ブドウと混醸される場合があります。
ローヌ南部ではグルナッシュという黒ブドウが主体で、それにシラーが混ぜられることが多いです。
またオーストラリアではシラーとカベルネ・ソーヴィニヨンーがブレンドされたワインもあります。
ドッシリ系のシラーズと渋系のカベルネ・ソーヴィニヨンを混ぜちゃうなんて、スゴイですね。。
このようにドッシリとした力強さがシラーの特徴なのですが、
ローヌ地方で最も北部にありブルゴーニュ地方からも遠くない「コート・ロティ」のワインの中には、
熟成させると色合いも口当たりもエレガントで酸味もほどよくあり、ピノ・ノワールの熟成ワインと間違えてしまうような逸品もあります。
そのようなコート・ロティを、ぼくも飲んだことがあります。
ブドウ品種や産地ごとの原理原則はありながらも、それぞれが多様な性格を見せてくれるところがワインの面白いところですね!
