バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
前回お話したように、ワインの香りを嗅ぐのはワインテイスティングの中で一番楽しい部分です。
グラスをまわして、ワインの香りをとる「儀式」・・・やっぱり華やかでステキな香りを期待しますよね。
でも、もしそれが自分の好きじゃない香りだったらどうしますか?
ここで少し、ワインマニアが使っている言葉に耳を傾けてみましょう。
ペトロール(石油)、石灰、火打石、マッチの燃えカス、青くさいアスパラガス、猫のオシッコ、馬小屋 ・・・
なんだそりゃー?!
・・・って思いますよね。。
そのような香りに、年がら年中 出合うわけではありません。
でもワインをよく飲んでいれば、たまには出合う香りです。
こうした香りは、健全なワインにも現れます。
特定のブドウ品種や特定の産地のワインに現れる特徴的な香りだと理解しておけばよいでしょう。
たとえあなたがそのような香りを好きになれなかったとしても、
ワイン好きの中には、こういった独特の香りに喜びを見出す人が結構います。
じつはぼくも、そんな人間の一人です。
リースリングが放つペトロール香や、一部のシャブリに感じられる火打石のような、擦ったマッチみたいな香りにも快感を覚えます。
南イタリアやスペインの馬小屋臭ただよう田舎っぽい赤ワインにも、心の底からワクワクします(笑)
慣れてしまえば、その種の香りはむしろワインにスリルやアクセントを与えるものだということに気づくかもしれません。

▲シャブリと火打石を並べて香りのトレーニング
ところで、ワインが発する香りの中には、誰もが不快と感じるイヤなものもあります。
もっとも典型的な不快臭はコルク臭で、ブショネと呼びます。
ブショネは、カビ臭い湿ったダンボールのような臭いです。
ブショネは、コルクの傷み・劣化が原因で起こります。
コルク材の製造時に残留した漂白剤や殺虫剤の塩素を、コルクに繁殖したカビが、TCA(トリクロロアニゾール)という化学物質に変えてしまうために生じるものです。
コルクの劣化はコルク自体の品質の悪さのほか、ワイン醸造・熟成の段階、保管状態の悪さ、輸送環境の悪さが引き金になって起こることもあると考えられています。
そうして劣化したコルクに発生した悪臭が、瓶内でワイン自体に移ってしまいます。
そして、そのワインをテイスティングすると、香りも味わいもブショネそのものとなるのです。
ブショネのワインを飲んでも体に害はないのですが、
鼻で感じたイヤな香りは口に含んでも、そのままのイヤな風味がします。
そのワイン本来の香りや味わいが消えてしまって楽しめませんので、欠陥ワインとして扱われます。
ブショネは、ワインを飲むまでもなく、抜いたコルクを嗅ぐとチェックできます。
コルクの、ワインと接触していた面に現れます。
ひどいブショネの場合は、抜栓した瞬間に臭いでわかります。
レストランでワインを抜栓したとき、ソムリエがコルクの臭いをチェックしているのを見たことがあるのではないでしょうか。
あれは、ワインがブショネじゃないかをチェックしているのですね。
レストランでブショネに当たった場合は正常なワインと交換してもらえます。
レストランでワインをボトルで注文すると、少量だけグラスに注いで確認を求められますよね。
あのホストテイスティングもワインが劣化していないかを確認するための儀式なのです。
ですから、お店でホストテイスティングを求められたら断ったりしないで、ぜひやりましょう!
不良ワインだったら、ソムリエが確認のうえ交換してくれるはずです。
もちろん、「思っていたのと味が違う」とか「味が好みじゃない」といった理由では取り換えてくれないですからね(笑)
ブショネはしょっちゅう起こるものではありませんが、一定割合で見られます。
ワインバーで毎日何本もワインを抜栓していると、体感的には100本に1~2本くらいの率で遭遇します。
ブショネのワインに当たってしまったら不運ですが、一度は経験しておくのもよいかもしれません。
ブショネの臭いを知らないと、気づかずに飲み続けるハメになるかも知れませんからね。。
ブショネは経験したことがないとわかりづらいですが、一度経験すれば必ず覚える臭いだと思います。
初めてブショネのワインに当たったら、貴重な経験値を得るラッキーな機会と考えて、丁重にテイスティングの儀式を行いましょう(笑)

前回お話したように、ワインの香りを嗅ぐのはワインテイスティングの中で一番楽しい部分です。
グラスをまわして、ワインの香りをとる「儀式」・・・やっぱり華やかでステキな香りを期待しますよね。
でも、もしそれが自分の好きじゃない香りだったらどうしますか?
ここで少し、ワインマニアが使っている言葉に耳を傾けてみましょう。
ペトロール(石油)、石灰、火打石、マッチの燃えカス、青くさいアスパラガス、猫のオシッコ、馬小屋 ・・・
なんだそりゃー?!
・・・って思いますよね。。
そのような香りに、年がら年中 出合うわけではありません。
でもワインをよく飲んでいれば、たまには出合う香りです。
こうした香りは、健全なワインにも現れます。
特定のブドウ品種や特定の産地のワインに現れる特徴的な香りだと理解しておけばよいでしょう。
たとえあなたがそのような香りを好きになれなかったとしても、
ワイン好きの中には、こういった独特の香りに喜びを見出す人が結構います。
じつはぼくも、そんな人間の一人です。
リースリングが放つペトロール香や、一部のシャブリに感じられる火打石のような、擦ったマッチみたいな香りにも快感を覚えます。
南イタリアやスペインの馬小屋臭ただよう田舎っぽい赤ワインにも、心の底からワクワクします(笑)
慣れてしまえば、その種の香りはむしろワインにスリルやアクセントを与えるものだということに気づくかもしれません。

▲シャブリと火打石を並べて香りのトレーニング
ところで、ワインが発する香りの中には、誰もが不快と感じるイヤなものもあります。
もっとも典型的な不快臭はコルク臭で、ブショネと呼びます。
ブショネは、カビ臭い湿ったダンボールのような臭いです。
ブショネは、コルクの傷み・劣化が原因で起こります。
コルク材の製造時に残留した漂白剤や殺虫剤の塩素を、コルクに繁殖したカビが、TCA(トリクロロアニゾール)という化学物質に変えてしまうために生じるものです。
コルクの劣化はコルク自体の品質の悪さのほか、ワイン醸造・熟成の段階、保管状態の悪さ、輸送環境の悪さが引き金になって起こることもあると考えられています。
そうして劣化したコルクに発生した悪臭が、瓶内でワイン自体に移ってしまいます。
そして、そのワインをテイスティングすると、香りも味わいもブショネそのものとなるのです。
ブショネのワインを飲んでも体に害はないのですが、
鼻で感じたイヤな香りは口に含んでも、そのままのイヤな風味がします。
そのワイン本来の香りや味わいが消えてしまって楽しめませんので、欠陥ワインとして扱われます。
ブショネは、ワインを飲むまでもなく、抜いたコルクを嗅ぐとチェックできます。
コルクの、ワインと接触していた面に現れます。
ひどいブショネの場合は、抜栓した瞬間に臭いでわかります。
レストランでワインを抜栓したとき、ソムリエがコルクの臭いをチェックしているのを見たことがあるのではないでしょうか。
あれは、ワインがブショネじゃないかをチェックしているのですね。
レストランでブショネに当たった場合は正常なワインと交換してもらえます。
レストランでワインをボトルで注文すると、少量だけグラスに注いで確認を求められますよね。
あのホストテイスティングもワインが劣化していないかを確認するための儀式なのです。
ですから、お店でホストテイスティングを求められたら断ったりしないで、ぜひやりましょう!
不良ワインだったら、ソムリエが確認のうえ交換してくれるはずです。
もちろん、「思っていたのと味が違う」とか「味が好みじゃない」といった理由では取り換えてくれないですからね(笑)
ブショネはしょっちゅう起こるものではありませんが、一定割合で見られます。
ワインバーで毎日何本もワインを抜栓していると、体感的には100本に1~2本くらいの率で遭遇します。
ブショネのワインに当たってしまったら不運ですが、一度は経験しておくのもよいかもしれません。
ブショネの臭いを知らないと、気づかずに飲み続けるハメになるかも知れませんからね。。
ブショネは経験したことがないとわかりづらいですが、一度経験すれば必ず覚える臭いだと思います。
初めてブショネのワインに当たったら、貴重な経験値を得るラッキーな機会と考えて、丁重にテイスティングの儀式を行いましょう(笑)
