早稲田ワインアカデミー

ワインに興味はあるけれど、ワインって何だかムズカシそう・・・
ワインを楽しむのに必ずしも知識は要りません。
でもワインの基本を知ると、ワインがもっと楽しくなります。
ブログ「早稲田ワインアカデミー」は、ワイン初心者の方にもワインをよく飲む方にも
気軽にお読みいただける、オンライン・ワイン教室です。

​バイザグラスの初拠点となる【神楽坂ワインハウス by the glass】
2018年11月にオープンしました!
神楽坂ワインハウス バイザグラス
https://www.bytheglass.jp/

コート・シャロネーズはブルゴーニュ好きなら知っておきたい穴場的産地 ~ ジヴリ、リュリ、メルキュレにはお買い得なワインが結構あります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ブルゴーニュワインでつらいのは、コート・ドールの人気ワインはどれも価格が高めだということです。

でも、ブルゴーニュ好きならきっと知っている秘密(?)があります。
それは、コート・ドールのすぐ南にあるコート・シャロネーズのワインは結構お買い得であるということです。

コート・シャロネーズには5つの村がありますが、なかなか良いブルゴーニュワインの産地です。

たしかに、コート・ドールの最高クラスのワインに比べると、風味や口当たりがやや洗練されていないところがありますが、ぼくらのように単純に美味しいブルゴーニュワインを日常的に楽しみたい!という人にとっては、まったく問題ない美味しさです。

コート・ドール地区のワインに比べ、コート・シャロネーズ地区のワインはフルーティーで軽やかで、コストパフォーマンスの良いワインが多いです。
価格も2千円台からせいぜい5千円くらいのものが大半です。

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 ▲ワイン会で飲んだリュリ1級 ~ ピノ・ノワールらしい果実味がしっかりしていた


コート・シャロネーズの村を北から順に紹介します。

●ブズロン Bouzeron
・・・この産地はシャルドネではなくアリゴテという白ブドウから白ワインを造っています。
アリゴテは、ブルゴーニュではシャルドネに次ぐ白ブドウで、酸味が豊富でスッキリした風味のワインになります。

●メルキュレ Mercurey
・・・生産量の8割が赤ワインの産地です。コート・シャロネーズでは面積最大で、品質にも幅があります。
コート・シャロネーズで最良のワインもありますし、あまりパッとしないワインもあります。
ピノ・ノワールの果実味がわかりやすく出ている力強いワインが多いように思います。

●リュリ Rully
・・・赤も白も産出する村です。こちらの赤も比較的、ピノ・ノワールの果実味がわかりやすいワインです。
数年前にワイン会で飲んだリュリ1級が価格のわりにとても高品質だったので、個人的にはこの村に良いイメージを持っています。

●ジヴリ Givery
・・・赤ワインが有名ですが、少量ながら白もあります。ピノ・ノワールらしさがよく表れているお買い得な赤ワインが多いと思います。
メルキュレよりコスパは良いです。
品質のわりに過小評価されている産地
だと断言します。迷ったらジヴリにしてみましょう。

●モンタニ Montagny
・・・白ワインのみの産地です。シャルドネ100%です。

ブルゴーニュが好きでたまらない、もっと頻繁に飲みたい、と言う人は、コート・シャロネーズのワインをぜひ探してみてはいかがでしょうか。

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コート・ド・ボーヌは高級白ワインの名産地 ~ コルトン・シャルルマーニュ、モンラッシェ系の特級畑やムルソーの白が有名で、ポマールやヴォルネイには優れた赤ワインがあります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回はコート・ドールの北半分側、コート・ド・ニュイ Côte de Nuits の村々について述べました。
今回は、コート・ドールの南半分側である
コート・ド・ボーヌ  Côte de Beaune
について見てみましょう。

ボーヌ村がこの地区の商業の中心地であり、コート・ドールに来る旅行者の拠点ともなっています。
それににちなんで、コート・ド・ボーヌと呼ばれています。

白ワインも赤ワインも造られていますが、コート・ド・ボーヌはとくに高級白ワインで有名です。

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 ▲コルトン・シャルルマーニュはコート・ド・ボーヌが産み出す最高級白ワインのひとつ


コート・ド・ボーヌの村々を北から順にご紹介します。

●ラドワ Ladoix
・・・村名ワインクラスでは、あまり目にすることのない、それほど高価でない赤と白を造っています。ただし特級畑のコルトン(赤・白)とコルトン・シャルルマーニュ(白)の一部がこの村の中にあります。

●ペルナン・ヴェルジュレス Pernand-Vergelesses
・・・あまり知られていませんが、赤も白もお買い得なワインです。特級畑のコルトン(赤)とコルトン・シャルルマーニュ(白)の一部がこの村の中にあります。

●アロース・コルトン Aloxe-Corton
・・・フルボディで力強い赤ワインを産み出す村です。特級畑のコルトン(赤・白)とコルトン・シャルルマーニュ(白)の一部がこの村の中にあります。

コルトンの丘の斜面で上記3村にまたがる特級畑コルトン・シャルルマーニュはブルゴーニュの最高級ワインの一つです。
下図はその位置関係を示したものです。

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●ショレ・レ・ボーヌ Chorey-lès-Beaune
・・・良質の赤ワインと、わずかに白ワインもあります。

●サヴィニー・レ・ボーヌ Savigny-lès-Beaune
・・・良質のワインがあります(ほとんど赤)。

●ボーヌ Beaune
・・・しなやかなミディアムボディの赤ワインが多いです。1級畑に優れたものが複数あります。

ポマール Pommard
・・・力強くフルボディの赤ワインでよく知られています。エプノーなど優れた1級畑が複数あります。

ヴォルネイ Volnay
・・・優美でエレガントな赤ワインでよく知られています。カイユレなど優れた1級畑が複数あります。ぼくは個人的にはヴォルネイのワインが大好きです。

ムルソー Meursault
・・・とても重要な白ワインの名産地です。フルボディでナッツのようなコクのある風味の白ワインで有名です。ペリエールなど優れた1級畑が複数あります。

ピュリニー・モンラッシェ Puligny-Montrachet
・・・エレガントな上級白ワインで有名な村です。特級畑はモンラッシェ(最高級白ワイン)の一部、シュヴァリエ・モンラッシェバタール・モンラッシェの一部などがこの村にあります。

シャサーニュ・モンラッシェ Chassagne-Montrachet
・・・ピュリニー・モンラッシェより少々力強い白ワインを産み出す、上級白ワインで有名な村です。特級畑はモンラッシェの残りの部分、バタール・モンラッシェの残りの部分などがこの村にあります

上記2村における特級畑の位置関係は下図のとおりです。

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●サントネイ Santenay
・・・あまり有名ではありませんが、お手頃価格で意外と力強い赤ワインがあります。

●マランジュ Maranges
・・・あまり知られていませんが、それほど高くない赤ワインがあります。


繰り返しになりますが、コート・ド・ニュイの赤ワインはすべてピノ・ノワール、白ワインはすべてシャルドネです。
前回、今回とご紹介した村々はそれぞれテロワールが異なるので、産出するワインの特徴も村ごとに異なります。
個性豊かな村々が集まっていて、
ブルゴーニュって本当に面白いですね!

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コート・ド・ニュイは赤ワインの名醸地 ~ ジュヴレ・シャンベルタン、シャンボール・ミュジニー、ヴォーヌ・ロマネ、ニュイ・サン・ジョルジュの名はぜひ覚えておきましょう

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ブルゴーニュ地方のコート・ドール地区は、60kmほどの長さの細長いエリアです。
このコート・ドール地区こそ、世界的に名高い赤ワインと白ワインが生み出される場所なのです。

コート・ドールの北半分側のエリアを
コート・ド・ニュイ Côte de Nuits
と呼びます。

【関連記事】
コート・ドールが最重要な名醸地で、北側がコート・ド・ニュイ、南側がコート・ド・ボーヌです

このエリアの商業的な中心地であるニュイ・サン・ジョルジュ Nuits-St.-Georges にちなんで、コート・ド・ニュイと呼ばれています。

コート・ド・ニュイで造られているのは、ほとんどが赤ワインです(9割以上)。

ブルゴーニュ地方の赤ワインの特級畑(グラン・クリュ)は、1つを除きすべてコート・ド・ニュイにあります
特級畑コルトンのみコート・ド・ボーヌにあります。)
白ワインも少量ですが造られています。


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 ▲ヴォーヌ・ロマネ村の特級畑リシュブール(DRC) ~ これはたんなる酒ではない!グラスに少量注いだだけで香りがパワフルに立ち上がる



コート・ド・ニュイにある主要な村を、北から順に記します。
村の名前は、その村のワインの名前にもなります。
ブドウは、赤ワインはピノ・ノワール、白ワインはシャルドネです。

●マルサネ Marsannay
・・・ライトボディの赤ワインで知られます。ロゼも造っています。

●フィサン Fixan
・・・力強い赤ワインで、ジュヴレ・シャンベルタン系のニュアンスを感じますが、価格はそれほど高くありません。

ジュヴレ・シャンベルタン Gevrey-Chambertin
・・・フルボディでコクのある男性的な赤ワインで有名です。シャンベルタンなど特級畑が9つあります。

●モレ・サン・ドニ Morey-St.-Denis
・・・南北を有名な村に挟まれているせいか知名度は劣りますが、フルボディで力強い素晴らしい赤ワインを生みだします。クロ・ド・ラ・ロッシュ、ボンヌ・マール(シャンボール・ミュジニーにまたがる)など特級畑が5つあります。

シャンボール・ミュジニー Chambolle-Musigny
・・・しなやかでエレガントな女性的な赤ワインで有名です。特級畑はミュジニーボンヌ・マール(モレ・サン・ドニにまたがる)。ほとんど目にすることのない白ワインの
特級畑ミュジニーもあります。

●ヴージョ Vougeot
・・・ミディアム~フルボディのやや力強い赤ワイン、面積最大の特級畑クロ・ド・ヴージョがあります。

●フラジェ・エシェゾー Flagey-Echézeaux
・・・特級畑のエシェゾーグラン・ゼシェゾーがあります。この村で造られる村名クラスのワインはAOCヴォーヌ・ロマネを名乗ります。

ヴォーヌ・ロマネ Vosne-Romanée
・・・エレガントさとコクと力強さを兼ね備えた最高級ワインの産地として世界的に知られています。ロマネ・コンティラ・ターシュリシュブールロマネ・サンヴィヴァンラ・ロマネラ・グランド・リュという世界的に高名かつ超高価格の特級畑6つを擁する村です。

ニュイ・サン・ジョルジュ Nuits-St.-Georges
・・・力強い赤ワインを生み出します。特級畑はありませんが、クロ・ド・ラ・マレシャルなど優れた1級畑が複数あります。


上記のコート・ド・ニュイの村々の名前、とくにアンダーラインを記した村の名前は、ブルゴーニュのワインを知るうえでぜひとも覚えておきたいものです。
次回はコート・ド・ボーヌの村々をご紹介します!

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お気楽ワインセミナー「ワイン入門」編を開催しました!~ 美味しいワインをテイスティングしながら気軽にワインの基本が学べるアットホームなワイン講座です

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

本日(7月9日)は「お気楽ワインセミナー」 ”ワイン入門” を開催しました。
5種類のワインをテイスティングしながら、ワインの基本を学ぶセミナーです。

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今回の会場は、東京・新宿ゆるり庵。
5月28日の「赤ワイン飲み比べ」セミナーを開催した、あの和風っぽいスペースです。


まだ梅雨とは思えないほどよく晴れた日曜日の昼下がり。
新宿区の気温は34℃です・・・暑いっ!

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ってなわけで、何はともあれシャンパーニュで乾杯~!

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よく冷えた美味しいシャンパーニュで、まずはキュぅ~っといきましょう (笑)

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キュぅ~っとしたら、すぐに講座モードに入ります。
色合いや泡の具合を一緒に確認しています。

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白ワイン2種の比較テイスティング。
外の暑さに負けじと、アツく説明しています。
気合が入りすぎ?

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すこしリラックスしましょー (笑)

「ワイン入門」恒例の、ソムリエナイフを使った抜栓レッスン。
毎回1名の方に前に出て頂いて、ソムリエール犬飼雅恵が直々にコーチします。

今回初参加の男性が、手を挙げてくれました。

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ワインの抜栓は、①キャップシールを取り外す、②コルクを抜く、という2段階で行います。
まずは、キャップシールの切り方、取り外し方から。

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慣れるまでは、腕の角度が結構ムズカシイんですよねー。

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キャップシールを外した後は、コルクの抜栓です。
ソムリエナイフのスクリューをコルクに対して垂直に入れて、テコの原理でコルクを上げていきます。
コツを掴むと、意外に力は要らないんですよね。

この後、
コルクはキレイに抜栓されました。

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ソムリエール犬飼雅恵の「こっそり」コーナー。
ワインを美味しく楽しむための、ちょっとしたコツをこっそりお伝えします。

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ワインも5種類すべて出揃い、トーク&コミュニケーションの時間です。
質問にお答えしたり、最近飲んで美味しかったワインのお話など、ゲストの皆さんと自由にお話します。

今回もあっという間に楽しい2時間が過ぎました。

次回の「ワイン入門」セミナーは8月5日(土)に東京・四谷で開催します。
こちらからお申込みできます。
ご興味のある方、ぜひ気軽にご参加ください!

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グラン・クリュのワインはブルゴーニュ全体の2%、プルミエ・クリュは15%しかないエリート ~ ブルゴーニュを知るには村名ワインから飲んでみることをオススメします

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回はブルゴーニュ地方のAOCが、
①特級畑(グラン・クリュ) Grand Cru
②1級畑(プルミエ・クリュ) Premier Cru
③村名
④地区名
⑤地方名
という5階層からできていることをお話しました。

各階層によって、市場でのワインの流通量や値段も異なります。
コート・ドールのワインについて大まかな状況を以下に記します。


①特級畑(グラン・クリュ)のワイン

「シャンベルタン」「ミュジニー」「コルトン・シャルルマーニュ」などです。
特級畑(グラン・クリュ)のステイタスを持つ畑は33あります。
ワインの流通量は、ブルゴーニュワイン全体の2%程度しかありません。

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 ▲ミュジニー特級畑(ヴォギュエ)

グラン・クリュのワインは安くても1本1万円はします。
高いものになると数万円、数十万円から、「ロマネ・コンティ」のように100万円を超えるものもあります。
グラン・クリュのラベルには畑の名前のみが書かれ、その畑がある村の名前はワイン名としては書かれません。



②1級畑(プルミエ・クリュ)のワイン

「シャンボール・ミュジニー・プルミエ・クリュ・レ・ザムルーズ」
「ムルソー・
プルミエ・クリュ・ぺリエール」などです。
1級畑(プルミエ・クリュ)のステイタスを持つ畑は約560あります。

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 ▲シャンボール・ミュージニー1級レ・ザムルーズ(グロフィエ)

プルミエ・クリュのワインの流通量は、ブルゴーニュワイン全体の15%くらいです。
だいたい1本4千円から1万5千円くらいですが、銘柄によっては2万円を超えるものもあります。

プルミエ・クリュのワインは、村の名前と畑の名前の両方が書かれているのが普通です。
そして Premier Cru もしくは 1er Cru という表示があります。

もしも畑の名前が書かれているのに
Premier Cru の表示がない場合は、それは1級畑ではなく、その村の中の単一の畑のブドウから造られたたワインでしょう。
単一畑の名前が書かれているからと言って、1級畑とは限らないのです。

たまに見かけますが、同じ村の2つ以上の1級畑のブドウで造られたワインの場合は、
個々の畑の名前は書かず、その村の名前と Premier Cru という文言だけが書かれています。



③村名のワイン

このクラスのワインは一般に村名ワインと言います。
「ジュヴレ・シャンベルタン」「シャンボール・ミュジニー」「ポマール」などのように村の名前で呼ばれるワインです。

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 ▲シャンボール・ミュージニーの村名ワイン(ルーミエ)

村名AOCをもつ村は44あります。
村名ワインは量的にはブルゴーニュワイン全体の30%くらいです。
村によって値段は異なりますが、だいたい1本2500円から8千円くらいの価格帯です。

ブルゴーニュのワインが好きになり始めると、いろいろな村の村名ワインを飲むようになるケースが多いのではないでしょうか。
自分の好きな味わいの村がわかってきたら、そこのプルミエ・クリュにチャレンジしてみる、という流れですね。
同じ村のワインでも造り手によって特徴が異なることも、わかるようになってきます。



④地区名⑤地方名のワイン

「AOCボージョレー」「AOCブルゴーニュ」などです。
これら広域AOCのワインの流通量は全ブルゴーニュワインの半分以上を占めています。
このクラスのものであれば、日本では1本当り1500円から3千円台で購入できます。
ただし造り手によっては、例外的にもっと高価なものもあります。


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ブルゴーニュ地方では優良な畑の名前にもAOCがつきます ~ グラン・クリュ(特級畑)、プルミエ・クリュ(1級畑)など畑にも階級があります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ブルゴーニュ地方は畑の場所によって土壌やテロワールがかなり異なります。
そのため、特定の畑の位置がワインの味わい、品質、価格に大いに影響を与えます。

際立った特徴を持つ小さな畑のワインのほうが、複数の畑のブドウがブレンドされたワインや、それほど有名でない畑のワインよりも、貴重かつ希少と見なされます。
 
このような事情から、ブルゴーニュ地方のAOCは畑の場所の重要性を反映した仕組みになっています。

地方名レベルの広域AOC、地区名レベルのAOC、村名レベルのAOCがあるのはボルドーと同様ですが、
ブルゴーニュの場合は優良な畑の名前にもAOCがつきます
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優良な畑と書きましたが、つまり、畑にも階級があるのです。
プルミエ・クリュ(1級畑)グラン・クリュ(特級畑)です。

ボルドーの生産者もプルミエ・クリュとかグラン・クリュといった用語を使うことがあります。
しかしボルドーでは、サンテミリヨン以外は、こういった用語はシャトーのステイタスに基づいて使われているにすぎず、法的根拠はありません。

しかしブルゴーニュ地方では、プルミエ・クリュもグラン・クリュも常にワイン法に基づく法的根拠のある区別であり、その意味するところは公的に認められているものなのです。

ブルゴーニュ地方におけるAOC名称の階層は下記の通りです。
上位から順に、

①特級畑 Grand Cru
 (例)AOC Musigny
②1級畑 Premier Cru
 (例)AOC Chambolle-Musigny Premier Cru Les Amoureuses
③村名
 (例)AOC Chambolle-Musigny
④地区名
 (例)AOC Beaujolais
⑤地方名
 (例)AOC Bourgogne

ブルゴーニュワインを語る場合、とくに上記①②③の階層が重要です。
まずは、このような階層があるということを覚えておきましょう!

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ブルゴーニュの赤ワインは淡くてきれいなルビー色、赤い果実の香りと果実味・酸味が豊か ~ 熟成するとオレンジ色がかって複雑な香りと滑らかな舌触りのワインになります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回述べたように、ブルゴーニュ地方には大きく分けて、北からシャブリ地区、コート・ドール地区、コート・シャロネーズ地区、マコネ地区、ボージョレー地区があります。

シャブリ地区は白ワインのみを造っています。
マコネ地区は白ワインが主体です(赤もあります)。

コート・ドール地区とコート・シャロネーズ地区は赤も白も造ります。
ボージョレー地区はガメイから造られる赤ワインがほとんどです(白もあります)


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 ▲熟成したブルゴーニュの赤ワイン ~ オレンジがかった色調になっている


「ブルゴーニュの赤ワイン」
と言う場合、基本的には
・ コート・ドールの赤ワイン
・ コート・シャロネーズの赤ワイン

の2つを指すことが多いです。

コート・シャロネーズはコート・ドールに比べると知名度は低めですが、その分お手頃価格で味わえる美味しい赤ワインも結構あります。

「ブルゴーニュの白ワイン」
と言う場合、通常は
・ コート・ドールの白ワイン
・ コート・シャロネーズの白ワイン

の2つを指すことが多いですが、
・ マコネ地区の白ワイン
も含めて話している場合もあります。

ただマコネ地区の白ワインについては、「マコンの白ワイン」と呼ぶことが多いように思います。
シャブリ地区の白ワインは、ずばり「シャブリ」と呼ぶことがほとんどでしょう。

ブルゴーニュの赤ワインはピノ・ノワールから造られ、
ボルドーのものと比べて色調が淡く、赤みを帯びたきれいなルビー色をしています。
これはボルドーで用いられるカベルネ・ソーヴィニヨンやメルローほどの色素をピノ・ノワールは持たないからです。

香りの特徴はチェリー、ラズベリー、イチゴ、クランベリーなど赤い果実の香りが中心です。
より高級なものになると、ブラック・チェリー、ブラック・ベリーのような香りや、森林、湿った土、キノコなどの香りがします。
樽香がするものもあります。

アルコール度数もタンニンもボルドーの赤ワインに比べるとやや低めですが、その割には赤い果実味を伴う中程度のボディがあります。
赤ワインのなかでは酸味が豊富で、良いワインになると果実味にふくらみがあり、かすかに出汁のような旨みを感じることもあります。

とくにグッド・ヴィンテージといわれる1999年、2005年、2009年、2010年のものは全般に果実味が力強く、若いうちはタンニンを感じるものもあります。

ブルゴーニュの赤ワインが熟成すると、色合いもオレンジ色~褐色を帯びてきます。
そして腐葉土やなめし皮のような香りが現れ、シルキーでなめらかな舌触りと果実の風味を伴う自然な甘味が出てきます。

もっとも、ブルゴーニュの赤ワインはボルドーほどは長期熟成しないので、
前述したグッド・ヴィンテージのものは別としても、通常はヴィンテージから10年程度のうちに楽しんだほうが良いでしょう。

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ブルゴーニュでは赤がピノ・ノワール、白がシャルドネ ~ コート・ドールが最重要な名醸地で、北側がコート・ド・ニュイ、南側がコート・ド・ボーヌです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ブルゴーニュ地方は、夏は温暖で冬は寒冷な大陸性気候です。

局地的な雹(ひょう)を伴う嵐にさらされ、それがブドウを傷めたり果実を腐らせたりすることがあります。
天候による作柄の良い年とそうでない年が比較的ハッキリと表れやすい産地です。

土壌は主に石灰岩と粘土質が主体で、粘土質成分と炭酸塩成分が混合した泥灰岩質のエリアもあります。

ブルゴーニュではピノ・ノワールから赤ワインが、シャルドネから白ワインが造られます。

この地方のテロワールは、これら2大主要品種の栽培によく適しています。
とくに、気まぐれで栽培の難しいピノ・ノワールがこれほど素晴らしく育つ土地は、世界中どこを探しても他にありません。

ブルゴーニュ地方の南にあるボージョレー地区も、技術的にはブルゴーニュ地方に含めるのが一般的です。

ボージョレー地区の土壌は基本的には花崗岩ですが、粘土質や砂質も豊富に含み、この地区の主要黒ブドウ品種であるガメイに適しています。

ブルゴーニュ地方は大きく5つの地区に分けられます。
どの地区もとても独特なワインを生み出します。

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北から順に、次の5地区です。

(1) シャブリ Chablis
(2) コート・ドール Côte d'Or
(3) コート・シャローネーズ Côte Chalonnaise
(4) マコネ Mâconnais
(5) ボージョレー Beaujolais


(2) のコート・ドールは直訳すると「黄金の丘」で、ブルゴーニュ地方の心臓部です。
コート・ドールは北側のコート・ド・ニュイ Côte de Nuits と南側のコート・ド・ボーヌ Côte de Beaune に分かれます。

これからブルゴーニュ地方について詳しいお話に入っていく前に、まずは上記(1)~(5)の地区名とその位置関係を覚えておきましょう。

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ブルゴーニュはボルドーと双璧をなすフランスの名醸地 ~ 小さな畑がたくさんありテロワールも非常に多様、隣の畑でも全く違うタイプのワインができるのが面白いところです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回まで11回に分けてボルドー地方について書いてきました。
今回からブルゴーニュ地方に移ります。

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 ▲ラ・ロマネ La Romaneé はフランスで面積最小(0.85ha)のAOC


◆ブルゴーニュ地方

ブルゴーニュ地方はフランス東部、パリのやや南東に位置するワイン産地です。
フランスの2大産地のひとつとして、ボルドーと肩を並べる存在です。

赤ワインで名高いボルドーと異なり、ブルゴーニュは赤ワインも白ワインも世界的に高く評価されています

ボルドーともう一つ違うのは、ブルゴーニュの人気ワインはだいたい品薄で入手が難しいという点です。

その理由は簡単です。
ボージョレー地区を除いたブルゴーニュ地方のワイン生産量は、ボルドー地方の約25%にすぎないのです。

ブルゴーニュ地方のワインは、いわば少数精鋭なのですね。

また、ボルドーに比べてブルゴーニュのブドウ畑は細かく断片化されています

ブルゴーニュ地方の土壌は基本的には石灰質ですが、実際には場所や丘によって非常に変化に富んでいます。
それこそ同じ丘でも中腹と裾野では土壌の構成が異なったりするのです。

農道を挟んで互いに2メートルしか離れていない2つの畑で同じブドウを栽培しても、それぞれ明らかに違う味わいのワインができたりするのがブルゴーニュです。

ボルドーと比べて、ブルゴーニュは小さな畑がたくさん集まっている地域だといえます。
生産者も、ボルドーでは比較的規模が大きいのに対して、ブルゴーニュでは家族経営の零細農家が多いです。

大きな畑があっても、複数の家族によって分割所有されていることが多く、
個々の家族はそのブドウ畑のうち2~3列しか持っていないこともあります。

有名な畑のひとつであるクロ・ド・ヴージョ Clos de Vougeot は、ブルゴーニュで面積最大のグラン・クリュ(特級畑)ですが、80人あまりの造り手が分割して所有しており、それぞれのワインのスタイルも様々です。

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 ▲このクロ・ド・ヴージョの造り手はユドロ・ノエラ

ボルドーではブドウ栽培からワイン醸造・瓶詰めまで一貫して行なうワイナリーのことをシャトーと呼びますが、ブルゴーニュではドメーヌと呼びます
シャトー(城)とドメーヌ(所有地)という呼び方の違いからも、ブルゴーニュの造り手の規模の小ささが感じられます。

ブルゴーニュのドメーヌの生産量は、ワイン1種類あたり年間50ケースから1000ケース程度なのが普通です。
世界中のファンの手に行き渡るには全然足りない量ですね。
ボルドーのシャトーが、主力となるワインを年間1万5千ケースから2万ケースも造るのとは大違いです。

わかりやすく単純化して言えば、ボルドーの高級ワインはお金さえ出せば購入できますが、
ブルゴーニュの人気ワインはそもそも数が十分に出回っていないので、買うこと自体が困難な場合が多いのです。

こういうところがブルゴーニュワインの魅力でもあるんですけどね。

これから数回にわたってブルゴーニュについてのお話を進めていきます。
どうぞお付き合いください!

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ボルドーには白ワインもあります ~ グラーヴ地区には上級白ワインがありますが、ぼくはアントル・ドゥ・メール地区のシーフードによく合うお手頃白ワインが結構好きです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

これまでボルドー地方の赤ワインを中心に述べてきましたが、ボルドーには白ワインもあります。
ボルドーの白ワインには、辛口と甘口があります。

ボルドー甘口の代表格はソーテルヌ地区の貴腐ワインですが、これについてはまた別の機会にまとめてみようと思います。

今回はボルドーの辛口白ワインについてです。

ボルドーの辛口白ワインは、ソーヴィニヨン・ブランとセミヨンの2つが主要品種で、たいていブレンドされています。
両者のブレンド比率は様々ですが、この2つは非常に良い組み合わせです。

ソーヴィニヨン・ブランはワインにフレッシュな爽快さを与える一方、
セミヨンはワインにコクと重量感をもたらし、熟成にも耐える力を与えます。

ボルドーの辛口白ワインで手頃な価格のものは、たいていソーヴィニヨン・ブラン主体です。
もちろん、なかには素晴らしいものもあります。

逆に、セミヨン比率が高いほど熟成向きのワインだと判断できます。

ボルドーの高級辛口白ワインは 若いうちは爽やかさがあり活き活きとしていますが 
熟成させると年とともにコクや複雑さを帯び、ハチミツのような香りも出てきます。
樽香がすることも多いです。

辛口白ワインでも高級なものは長期熟成に耐え、飲み頃を迎えるまで10年くらいは熟成が必要です。

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 ▲アントル・ドゥ・メールの白ワインはシーフードによく合う


ボルドーの辛口白ワインの産地としては、グラーヴ地区(とくにペサック・レオニャン地区)とアントル・ドゥ・メール地区 Entre-Deux-Mers の2つが重要です。

位置関係についてはこちらをご覧ください(↓)
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●グラーヴ地区(とくにペサック・レオニャン地区

グラーヴ地区の白ワインは、昔は安物白ワインの代名詞だったそうです。
シャトー・オー・ブリオンやドメーヌ・ド・シュヴァリエなどごく少数の生産者が、例外的に高品質な辛口白ワインを造っているのみでした。

ボルドーの白ワイン全般の品質向上が進んだのは1960年代に低温発酵の技術が導入されて以降です。
さらに1980年代以降、スキンコンタクトや樽発酵などの技術革新によって飛躍的に品質が向上しました。

現在ではグラーヴ地区、とくに北部にあるペサックレオニャン地区はボルドーの上級辛口白ワインの中心地となっています。

ペサック・レオニャン地区の優良な辛口白ワインをいくつかリストアップします。

・ Ch. Haut-Brion Blanc オー・ブリオン・ブラン(希少、1本20万円くらいします)
・ Domaine de Chevalier ドメーヌ・ド・シュヴァリエ(1~2万円)
・ Ch. Smith-Haut-Lafitte スミス・オー・ラフィット(1~2万円)
・ Ch. Malartic-Lagravière マラルティック・ラグラヴィエール(1万円前後)
・ Ch. de Fieuzal ド・フューザル(8千円前後)
・ Ch. Carbonnieux カルボニュー(5千円前後)

上記のうち、とくにオー・ブリオン・ブランとドメーヌ・ド・シュヴァリエは深みや複雑さなど品質が抜群であるだけでなく、熟成可能期間も他のものより長い白ワインです。

また、スミス・オー・ラフィットとマラルティック・ラグラヴィエールはソーヴィニヨン・ブラン比率が高いのが特徴です(ヴィンテージによるが80%から100%)。

●アントル・ドゥ・メール地区

ガロンヌ河とドルドーニュ河の間に位置するアントル・ドゥ・メール地区は、シーフードによく合う軽快な辛口白ワインの産地として知られています。

若飲みタイプで、値段も2千円から5千円台くらいまでの手頃なものが多いです。

ぼくは個人的に、レストランなどでシーフードを食べるとき、ワインリストにアントル・ドゥ・メールの白ワインがあったら注文してみることが多いです。
ソーヴィニヨン・ブラン主体なので味わいがハツラツとしており、魚介類によく合うのです。


なお、赤ワインが圧倒的に主体のオーメドック地区でも、少量ながら白ワインは造られています。
一流シャトーが造るものは品質も価格も上等です。
たとえばシャトー・マルゴーが造るパヴィヨン・ブラン Pavillon Blanc du Château Margaux などが有名です。

AOCオーメドックやその中にあるポイヤック、マルゴーなど6つの村のAOCは赤ワインだけに適用されるため、どれだけ品質が優れた高価な白ワインであっても、AOCボルドー・ブランとだけ名乗ります。

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ボルドー赤を楽しむための実践的なアドバイス ~ レストランなどで外食時に高級ボルドーを注文するのは、ぼくはあまりオススメしません

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドーの高級赤ワインは飲み頃を迎えるまで何年もかかります。
レストランに置いてあるボルドーは若いヴィンテージのものが多いので、レストランで高級ボルドーを注文するのはあまり良い選択とは言えません

たとえよく熟成したボルドーがワインリストにあったとしても、ものすごく高価である場合がほとんどです。

自称ワイン通の中には、レストランに行っても格付ボルドー以外は注文しないという人もいるようです。
よほどのお金持ちならともかく、個人的にぼくは、あまりオススメしません。

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 ▲右岸のコート・ド・カスティヨンあたりにはお手頃なボルドー赤がある


外食時には、それほど高価でない、若いヴィンテージでも飲みやすいボルドーを注文するほうが良いと思います。

これは、高級ボルドーはまだ若いと渋すぎてあまり美味しく感じられないことが多い
というのが一つの理由ですが、それだけではありません。

もう一つの理由は、初めのうちはそれほど高価でないボルドーを飲んでおくことによって、自分の中でボルドーワインの味わいに対する "評価基準" ができるからです。
そうすれば高級ボルドーを飲んだときに、通常クラスのボルドーとの対比で、そのスゴさが本当に理解できるのです。

そもそもレストランで食べる料理が、何でもかんでも高級ボルドーに合うわけではありません。
むしろミドルクラスのボルドー赤のほうが、料理との相性が良くて美味しく楽しめることが多いと思います。

ですから、外食時にボルドーを注文するのであれば、それほど高価でないミドルクラスのワインにしたほうが賢明です。
最高クラスのボルドーは自宅でのお楽しみにとっておきましょう

ボルドーの赤ワインは仔羊、鹿肉、シンプルな牛肉のローストなどによく合います。
またコンテ、グリュイエール、チェダーなどハードチーズとともに楽しむのもオススメです。

もし良いボルドーワインをまだ若いうちに楽しむならば、デキャンタに移して、食事の前に最低でも1時間は空気に触れさせておきましょう。
ワインの温度も低すぎず高すぎず・・・18℃前後がボルドー赤を最も美味しく楽しめる温度です。

若い高級ボルドーワインは、小さなものでも良いのでワインセラーを購入して、何年間か定温で寝かしておくと、ワインはものすごく良くなります。

ご参考までに、ボルドー赤ワインの近年の当たり年(出来の良いヴィンテージ)は、2010年、2009年、2005年、2000年、1996年、1995年、1990年・・・といったところです。

とりわけ2005年と2010年は秀逸なヴィンテージだと言われています。
2015年についてはまだ評価は定まっていませんが、とても期待できるヴィンテージのようです。

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クリュ・ブルジョワはお買い得ボルドーの筆頭格 ~ 毎年審査の「認証」であるがゆえに格付ワインにも引けをとらない秀逸なワインが結構あります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

これまでボルドー各地区の格付について述べてきました。
格付ワインは、たとえばメドック1級ともなると1本15万~20万円くらいになります。
3級~5級でまだ若いヴィンテージのものでも、やはり一番安くて5千円くらいはします。

でも、格付ワインじゃなくてもお買い得のボルドーはあるのではないか、と思いますよね?


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 ▲シャトー・グロリアは格付されていない



はい、あります。
ヴィンテージ後2~3年くらいで飲めるお買い得のワインを探してみると、格付もの以外でも面白いボルドーワインが結構あるのです。

その筆頭格として、今回はクリュ・ブルジョワ Cru Bourgeois についてお話します。

クリュ・ブルジョワは、いわばメドックのミドルクラスのワインたちです。

1855年のメドック格付に選ばれなかったメドックの生産者444シャトーが、1932年にボルドー商工会議所等の権威をバックとした「クリュ・ブルジョワ」という準公的な格付を獲得しました。

その後、戦争などもあってシャトー数は激減しましたが、クリュ・ブルジョワのワインは数十年間にわたり、メドック格付に代わるもうひとつの選択肢として信頼される存在でした。

メドック格付のようなブランド性はなくても価格が
明らかにリーズナブルで、メドック格付シャトーの最低クラスのところより品質面で優るワインも少なくありませんでした。

もとよりクリュ・ブルジョワという言葉は、法的な裏づけのある格付としては存在していませんでした。

そこで2000年に農務省はクリュ・ブルジョワの詳細な規定を定めようとする省令を出し、
これに基づきボルドー商工会議所がクリュ・ブルジョワの格付シャトーの見直しに着手しました。

その選定は大変厳しく、格付に応募した490シャトーのうち半分近くが選ばれませんでした。
2003年に計247シャトーが、省令が初めて公的に定めるクリュ・ブルジョワ格付として発表されましたが、78シャトーが選定の際の審判団の公正性に疑義を呈して訴訟を起こし、法廷で激しく争いました。

その結果、2007年に裁判所は「2003年に決定されたクリュ・ブルジョワとその根拠となる省令は無効」との判断を下しました。

これをうけて、生産者団体(クリュ・ブルジョワ連盟)は「格付」ではなく一種の「認証」としてクリュ・ブルジョワを復活させることを発表しました。

このクリュ・ブルジョワ認証はメドックの8つのAOCの生産者を対象とし、認証を得るためには毎年行なわれる第三者機関による品質審査に合格すること等の条件をクリアする必要があります。

この審査・認定はヴィンテージごとに行なわれるので、認定されるワインの数は毎年変動します(収穫の2年後に行われ、毎年9月発表)。

2010年9月に発表された2008年ヴィンテージが初認証で、そのときは243シャトーが認証されました。
2016年9月に発表の2014年ヴィンテージについては、278シャトーが認証されています

その後のクリュ・ブルジョワが示すコストパフォーマンスの良さには目を見張るものがあります。

ぼく自身のワインショップ&バーの現場経験からも、たとえば次のようなワインは秀逸で、もしもいま1855年メドック格付の見直しがあったとしたら、きっと格付されるだろうと思います。

・ Ch. Chasse-Spleen シャス・スプリーン
・ Ch. Poujeaux プージョー
・ Ch. Les Ormes-de-Pez オルム・ド・ペズ
・ Ch. de Pez ド・ぺズ
・ Ch. Potensac ポタンサック

さらに、クリュ・ブルジョワ認証を申請していないワインの中にも、大変良いものがあります。

・ Ch. Gloria グロリア
・ Ch. Sociando-Mallet ソシアンド・マレ

Ch.Gloria はサン・ジュリアン村のシャトーで、しばしばその品質がメドック格付ワインと比して語られるワインです。

上記に挙げた7つのワインは、比較的新しいヴィンテージであれば日本で1本3~4千円台で購入できます。
ただグロリアだけは、ちょっと高くなってしまいましたね。。1本5~6千円以上します。

ワインショップやインターネットで探してみてはいかがでしょうか。
掘り出し物が見つかるかもしれません。

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ソーテルヌ地区、グラーヴ地区、サンテミリヨン地区にも格付があります ~ 覚える必要はありませんがワインショップやレストランのワインリストで目にするかも!

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

メドック格付が制定された1855年には、同じボルドー地方で貴腐ワインの産地であるソーテルヌ地区のシャトーも格付が行なわれました。
またグラーヴ地区とサンテミリヨン地区にも格付があります。


◆ソーテルヌ地区

ソーテルヌ地区の格付は、27シャトーが下記の3階級に分類されています。
すべて貴腐ワイン(甘口白)で、主要品種はセミヨンです。

①Premier Cru Supérieur (特1級)
 プルミエ・クリュ・スュペリウール
 ・・・シャトー・ディケム Ch.d'Yquem のみ
②Premier Crus (1級)
   プルミエ・クリュ・・・11シャトー
③Deuxiemes Crus (2級)
   ドゥジェム・クリュ・・・15シャトー

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 ▲ソーテルヌ特1級のシャトー・ディケムはフランス貴腐ワインの最高峰


Premier Cru Supérieur (特1級)のシャトー・ディケムはフランスの貴腐ワインにおける最高級品です。
1級の11シャトーを下記に示します。(Ch. はシャトーの略)

・ Ch. Climens クリマン
・ Ch. Coutet クーテ
・ Ch. Guiraud ギロー
・ Ch. Suduiraut スュデュイロー
・ Ch. Rieussec リューセック
・ Ch. La Tour Blanche ラ・トゥール・ブランシュ
・ Ch. de Rayne-Vigneau ド・レーヌ・ヴィニョ
・ Ch. Rabaud-Promis ラボー・プロミ
・ Ch. Sigalas Rabaud シガラ・ラボー
・ Ch. Clos Haut-Peyraguey クロ・オー・ペラゲ
・ Ch. Lafaurie-Peyraguey ラフォリ・ペラゲ


◆グラーヴ地区

グラーヴ地区は1953年に最初の格付が行なわれ、1959年に修正されて16シャトーが認定されています。
グラーヴ地区の場合、ワインの色ごとに格付され、階級の上下はありません

赤ワインのみ格付けされたシャトー(7シャトー)、赤ワイン・白ワインともに格付けされたシャトー(6シャトー)、白ワインのみ格付けされたシャトー(3シャトー)の3通りがあります。

すべてグラーヴ地区北部のペサック・レオニャン地区にあり、 AOCペサック・レオニャン Pessac-Léognan を名乗ります。

①赤ワインのみ格付

・ Ch. Pape-Clément パプ・クレマン
・ Ch. La Mission-Haut-Brion ラ・ミッション・オー・ブリオン
・ Ch. de Fieuzal    ド・フューザル
・ Ch. Haut-Brion オー・ブリオン
・ Ch. Smith-Haut-Lafitte スミス・オー・ラフィット
・ Ch. La Tour-Haut-Brion ラ・トゥール・オー・ブリオン
・ Ch. Haut-Bailly オー・バイイ

 ※Ch. Haut-Brion はメドック格付でも1級に格付けされています。
 ※Ch. La Tour-Haut-Brion は2005年ヴィンテージをもって生産中止となりました。


②赤ワイン・白ワインともに格付

・ Domaine de Chevalier ドメーヌ・ド・シュヴァリエ
・ Ch. Latour-Martillac ラトゥール・マルティヤック
・ Ch. Malartic-Lagravière マラルティック・ラグラヴィエール
・ Ch. Carbonnieux カルボニュー
・ Ch. Bouscaut ブスコー
・ Ch. Olivier オリヴィエ

③白ワインのみ格付

・ Ch. Couhins    クーアン
・ Ch. Couhins-Lurton    クーアン・リュルトン
・ Ch.Laville-Haut-Brion ラ・ヴィル・オーブリオン

 ※Ch.Laville-Haut-Brion は Ch. La Mission-Haut-Brion に買収され、2009年ヴィンテージから Ch. La Mission-Haut-Brion Blanc に名称変更されています。


◆サンテミリヨン地区

サンテミリヨン地区の格付は1954年の政令で初めて定められ、以降およそ10年ごとに見直しされています。
最新の格付は2012年のもので、下記のように2段階に分けられています。

①Saint-Emilion Premier Grand Cru Classé
  サン・テミリオン・プルミエ・グラン・クリュ・クラッセ・・・18シャトー
②Saint-Emilion Grand Cru Classé
  サン・テミリオン・グラン・クリュ・クラッセ・・・64シャトー

上記①の Saint-Emilion Premier Grand Cru Classé の中に(A)と(B)の階級があり、(A)が最上位となります。下記の通り、現在(A)は4シャトー、(B)は14シャトーとなっています。

(A)
・ Ch. Ausone オゾーヌ
・ Ch. Cheval Blanc シュヴァル・ブラン
・ Ch. Angélus アンジェリュス
・ Ch. Pavie パヴィ
(B)
・ Ch. Beauséjour ボーセジュール
・ Ch. Beau-Séjour Bécot ボーセジュール・ベコ
・ Ch. Belair-Monange ベレール・モナンジュ
・ Ch. Canon カノン
・ Ch. Canon La Gaffelière カノン・ラ・ガフリエール
・ Ch. Figeac フィジャック
・ Clos-Fourtet クロ・フルテ
・ Ch. La Gaffelière ラ・ガフリエール
・ Ch. Larcis Ducasse ラルシ・デュカス
・ La Mondotte ラ・モンドット
・ Ch. Pavie-Macquin パヴィ・マッカン
・ Ch. Troplong-Mondot トロロン・モンド
・ Ch. Trottevieille トロットヴィエイユ
・ Ch. Valandraud     ヴァランドロー

格付はすべて赤ワインのみで、主要品種はメルローです。
ただし(A)の Ch. Cheval Blanc はカベルネ・フラン主体です。
いずれも AOCサンテミリヨン・グランクリュ Saint-Emilion Grand Cru を名乗ります。


メドック地区だけでなく、ソーテルヌ地区、グラーヴ地区、サンテミリヨン地区にも格付シャトーがいろいろあるのですね。
すべて覚える必要はありませんが、ワインショップやレストランのワインリストで見かけるワインがいくつかあるかもしれませんよ。

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1855年メドック格付で唯一の変更は1973年に1級昇格したムートン・ロートシルト ~ その特例の背景にはフィリップ・ド・ロスチャイルド男爵の長年にわたる戦いがありました

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

メドック格付は1855年の制定以来160年以上もの間、唯一の "劇的な例外" を除いて、変更は一切なされぬまま現在に至っています。

その唯一の例外とは、1973年にシャトー・ムートン・ロートシルトが2級から1級に格上げされたことです。

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 ▲1級昇格を果たしたシャトー・ムートン・ロートシルト1973年のラベル


同じロスチャイルド家のラフィット・ロートシルトは1級なのに、ムートン・ロートシルトは2級でした。
ムートンの跡を継いだフィリップ男爵(1902-1988)は、若い頃からこれが不満でなりませんでした。

その悔しさをバネに長年にわたり品質改良の努力がなされてきたことはもちろんですが、
同時にフィリップ男爵は、財力や政治力を駆使してフランス政府に様々な働きかけを行なってきました。

50年にも及ぶ粘り強い男爵の活動が奏功し、1973年、彼はついにシャトー・ムートン・ロートシルトを2級から1級に格上げさせることに成功したのです。

この、メドック格付の歴史上で唯一の例外は、ロスチャイルド家の財力と政治力があったからこその特例だともいえるでしょう。

この特例を果たした当時の農業大臣は、のちに(1995年)大統領となるジャック・シラク氏でした。

1973年6月21日、シラク農業大臣(当時)は、シャトー・ムートン・ロートシルトは公式に1級格付だとする省令に署名しました。
(もっともボルドーワイン愛好家たちは、公式にそうなる以前からずっと、ムートンの実力は1級並みだと見なしていました。)

家紋にフランス語で書かれているフィリップ男爵のモットーは、1973年に変更されました。

それ以前まではずっと、

「われ1級たり得ず、されど2級なることを潔しとせず、われムートンなり」

と悔しさをにじませる文言が記されていましたが、
1973年ヴィンテージのラベルにおいて、次のように書き換えられました。

「われ1級なり、かつて2級なりき、されどムートンは変わらず」

なおシャトー・ムートン・ロートシルトはラベルの絵柄が毎年変わるのが特徴で、有名画家が絵を描きます。
記念すべき1973年のラベルの絵はピカソが描きました。

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1855年パリ万博の際に制定された「メドック格付」は今なお有効 ~ 61シャトーが1級~5級に格付されていますが、現在の実力を反映しているとは限りません

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ワイン好きの人が
「このワインはメドック3級だよね」
みたいな話をするのを聞いたことがありませんか?

これは、今から160年以上前に定められた格付を持っているシャトーのことを言っているのです。

1855年のパリ万博に際して、ナポレオン3世はボルドー商工会議所に、ボルドーワインの格付を整備するよう命じました。
その命を受けたボルドー商工会議所は、ボルドーワインの仲買人たちにその実務を委託しました。

その仲買人たちはクルティエと呼ばれ、ボルドーのワイン生産者の情報や品質に精通した業者たちでした。

クルティエたちは、61シャトーを最優良生産者として選びました。
うち60シャトーがメドックから、1シャトーがグラーヴ(現在ペサック・レオニャンと呼ばれる地区)から選ばれました。
そして、当時のワインの取引価格や評判に基づいて、これら61シャトーを1級から5級まで5ランクに分けました。

これが「メドック格付」として現在まで続いているもので、格付けされたシャトーは現在でも特別な名声に浴しているのです。

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 ▲メドック3級のシャトー・マレスコ・サンテグジュペリ ~ ラベル上方に
Grand Cru Classé en 1855 と書かれている


メドック格付は現在、1級が5シャトー、2級14シャトー、3級14シャトー、4級10シャトー、5級18シャトーです。
(末尾に◆メドック格付シャトー一覧◆を付記しましたのでご覧ください。)
格付はすべて赤ワインのみで、主要品種はカベルネ・ソーヴィニヨンです。

これら61シャトーは グラン・クリュ・クラッセ Grands Crus Classés と呼ばれることもあり、自らそう名乗ることもあります。
格付けされた61シャトーのひとつであることは非常に名誉なことなのです。
ボルドー地方には全部で約8千シャトーが存在するのですから。

とはいえ1855年の格付ですので、そっくりそのまま現在にもあてはまるかといえば、やや疑問です。

格付を持つシャトーの中には、いまとなっては格付け当時ほどの実力を維持していないものもいくつか見受けられます。
一方、当時5級と格付けされたシャトーの中には、いまや2級並みの実力を持つシャトーもありますし、
格付けされなかったシャトーの中にも、いまや格付シャトーにも劣らぬ実力を持つシャトーがあります。

しかし様々な政治的要因もあり、1855年に制定された格付は、唯一の劇的な例外を除いて、変更は一切なされぬまま現在に至っています。

◆メドック格付シャトー一覧◆
 ※Ch. は Château の略。

【1級】 5シャトー
・ Ch. Latour
・ Ch. Lafite-Rothschild
・ Ch. Mouton-Rothschild
・ Ch. Margaux
・ Ch. Haut-Brion (ペサック・レオニャン地区)

【2級】 14シャトー
・ Ch. Montrose
・ Ch. Cos d'Estournel
・ Ch. Pichon-Longueville Baron
・ Ch. Pichon-Longueville Comtesse de Lalande
・ Ch. Ducru-Beaucaillou
・ Ch. Léoville-Barton
・ Ch. Léoville-Poyferré
・ Ch. Léoville-Las-Cases
・ Ch. Gruaud-Larose
・ Ch. Brane-Cantenac
・ Ch. Rauzan-Ségla
・ Ch. Rauzan-Gassies
・ Ch. Durfort-Vivens
・ Ch. Lascombes

【3級】 14シャトー
・ Ch. Calon-Ségur
・ Ch. Lagrange
・ Ch. Langoa-Barton
・ Ch. Palmer
・ Ch. Cantenac-Brown
・ Ch. Kirwan
・ Ch. Boyd-Cantenac
・ Ch. Desmirail
・ Ch. Giscours
・ Ch. Ferrière
・ Ch. Malescot-Saint-Exupéry
・ Ch. Marquis d'Alesme(-Becker)
・ Ch. La Lagune

【4級】 10シャトー
・ Ch. Lafont Rochet
・ Ch. Duhart-Milon-Rothschild
・ Ch. Saint-Pierre
・ Ch. Beychevelle
・ Ch. Branaire-Ducru
・ Ch. Talbot
・ Ch. Pouget
・ Ch. Prieuré-Lichine
・ Ch. Marquis-de-Terme
・ Ch. La Tour-Carnet

【5級】 18シャトー
・ Ch. Cos-Labory
・ Ch. Batailley
・ Ch. Haut-Batailley
・ Ch. Croizet-Bages
・ Ch. Haut-Bages-Libéral
・ Ch. Lynch-Bages
・ Ch. Lynch-Moussas
・ Ch. Pontet-Canet
・ Ch. Grand-Puy-Ducasse
・ Ch. Grand-Puy-Lacoste
・ Ch. Pédesclaux
・ Ch. d'Armailhac
・ Ch. Clerc-Milon
・ Ch. du-Tertre
・ Ch. Dauzac
・ Ch. Belgrave
・ Ch. Camensac
・ Ch. Cantemerle

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ボルドー左岸のオーメドック地区はボルドーの最重要地域です ~ サンテステフ、ポイヤック、サンジュリアン、マルゴーは特に有名なのでぜひ覚えておきましょう!

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドー地方の続きです。

ボルドー左岸のオーメドック地区は古くからボルドーの中でも最重要地域であり、それゆえ世界中のワイン愛好家が常に注目しているエリアです。

オーメドック地区は、ジロンド河が大西洋に注ぐ河口周辺の、メドックと呼ばれる半島の南部にあります(図表の黄緑色で示したエリア)。

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メドック Médoc という地名は、次のように2通りの使われ方をします。

①左岸の最も北にあるメドック地区を指すとき
・・・図表の濃い緑色で示したエリアを「メドック地区」と呼びます。このエリアのワインはAOCメドックを名乗ります。

広くジロンド河口部の西側全体を指すとき
・・・①の「メドック地区」と「オーメドック地区」の2つを併せたエリア全体を「メドック」とよぶ言い方。これも、よく使われる言い方です。


ワインとして見れば、メドック地区よりオーメドック地区のほうがずっと重要です。
オーメドック地区の中には、素晴らしいワインを生み出す産地として有名な村が4つあるからです。

サンテステフ Saint-Estèphe
ポイヤック Pauillac
サンジュリアン St.-Julien

マルゴー Margaux


の4村です。

各村のワインの特徴を以下にまとめました。
  • サンテステフ Saint-Estèphe
    堅固でタンニン豊富な、分厚い感じの長期熟成型の赤ワイン。
    【代表的ワイン】 シャトー・モンローズ Château Montrose
  • ポイヤック Pauillac
    濃密で力強く、堅固でタンニン豊富な、きわめて長期の熟成能力を持つ赤ワイン。
    ボルドーで最も高名な3つのシャトーの本拠地。

    シャトー・ラトゥール Château Latour
    シャトー・ラフィット・ロートシルト Château Lafite-Rothschild
    シャトー・ムートン・ロートシルト Château Mouton-Rothschild
  • サンジュリアン St.-Julien
    風味豊かでコクがあり、タンニンが比較的柔らかく、ややふくよかな印象の赤ワイン。
    【代表的ワイン】 シャトー・デュクリュ・ボーカイユ Château Ducru-Beaucaillou
  • マルゴー Margaux
    香り高く、オーメドック地区の中では繊細、しなやか、エレガントな印象の赤ワイン
    【代表的ワイン】
    シャトー・マルゴー Château Margaux

オーメドック地区には他にもリストラック Listracムーリス Moulis の2村があります。
上記の4村ほど有名ではありませんが、それぞれ良いワインを造っています。

これら6村はそれぞれ、村の名前がAOCとなっています。
それ以外のオーメドック地区では、一部の例外を除き、AOCオーメドックと名乗ります。

なお、AOCメドック、AOCオーメドック、上記6村の各AOCを名乗れるのは赤ワインの場合のみです。
これらのエリアで作られた白ワインはすべてAOCボルドーとなります。

同じ産地で同じシャトーが造ったワインであっても、赤と白とではAOCが異なるのですね。

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「イタリアワインの基本」セミナー開催しました!~ イタリア主要産地のワインをテイスティングしながら、ゲストのみなさんとイタリアワインの面白さを体感しました

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

おとといの6月24日(土)、お気楽ワインセミナー「イタリアワインの基本」を東京・四谷で開催しました。

イタリア主要産地の "イタリアらしいワイン" を5種類テイスティングしながら、
イタリアの基本的なブドウ品種の特徴やイタリアワイン法の概要を学び、イタリアワインの面白さを体感する講座です。

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今回はイタリアワインのみです。
まずは、ソムリエール犬飼雅恵によるフランチャコルタの抜栓から。

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フランチャコルタは、ミラノを州都とするロンバルディア州のスパークリングワイン。
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵方式で造られる、イタリアを代表するスパークリングです。

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乾杯のあと、すぐにキメ細かな泡が立ち上がる様子など外観をチェックします。

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白ワインのテイスティング。みなさん、真剣ですね。

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ピエモンテ州の軽めの赤ワインとトスカーナ州の少々重めの赤ワインをテイスティングしながら、ボディの違いを体感しています。

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ソムリエール犬飼雅恵が、トスカーナ州のスーパートスカーナワインについて解説。

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身内ながら、よく準備・整理されていて、とてもわかりやすい説明でした ^^
回を重ねるごとに進歩や成長があって、社長としても喜ばしい限りです(なーんて 笑)

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今回は泡1、白ワイン1、赤ワイン3の計5種類をテイスティング。
ひととおりワインが出揃ったら、ゲストのみなさんと質疑応答を交えたコミュニケーションの時間です。

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とてもリラックスしたムードでセミナーは進みます。
犬飼もジョークを飛ばしたり、とてもノッていますね ^^

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犬飼につられて、ぼくもノッてきました (笑)

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和やかな雰囲気のなか、楽しい時間はあっという間に過ぎていきました。

ぼくたちのお気楽ワインセミナー、7月は

● 7月9日(日) 「ワイン入門」セミナー
● 7月12日(水) 「美味しい料理とワインを気軽に楽しむ会」セミナー  
● 7月22日(土) 「夏のスッキリ白ワイン」セミナー
  
を開催いたします。

ご興味のある方、ぜひ気軽に来てみてください!
みなさまのご参加をお待ちしています。

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ボルドーの左岸と右岸ではワインのタイプも違います ~ 右岸のメルロー主体のワインはタンニン柔和で飲みやすく、お買い得ワインがけっこうあります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回述べたように、ボルドーの左岸と右岸は土壌が異なるため主要ブドウ品種も異なります。
左岸はカベルネ・ソーヴィニヨン主体右岸はメルロー主体となります。

したがって、ボルドーの左岸と右岸ではワインのタイプもずいぶん違います

その違いに比べれば、オーメドック地区のワインとグラーヴ地区のワインはよく似ていますし、サンテミリヨン地区のワインとポムロール地区のワインも似ています。

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 ▲ボルドー右岸コート・ド・フラン地区のシャトー・ピュイグローは口当たり柔らかな良いワインだが2~3千円で買える


右岸のワインにも左岸のワインにも熱烈なファンがいます。

一般にボルドー左岸のワイン、とくに一流のシャトーが造るものは、堅牢でタンニンが強く、カシスのような黒系果実の風味とともに非常に引き締まった感じがします。

左岸のカベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインは、飲み頃を迎えるまでたいてい何年もかかり、ものによっては数十年単位の長期にわたる熟成が可能です。

逆に言えば、左岸のワインは熟成させずに若飲みすると、あまり美味しく感じられない場合もあります。

一方、ボルドー右岸のワインはボルドー初心者にとっては飲みやすいワインが多いと思います。
サンテミリヨン地区やポムロール地区よりももっと広いエリアのものを探せば、手頃な価格で買えるワインも少なくありません。

メルローが主体の右岸のワインは、左岸のワインよりもタンニンが柔和です。
アルコール感が豊富なことから口当たりがふっくらと感じられ、果実味も豊かに感じられます。
また左岸のワインよりも若飲みが可能で、ヴィンテージ後5~8年もすれば十分に美味しく楽しめます。

メルローは右岸の赤ワインで中心的な役割を果たしているばかりでなく、
実際にはボルドー全体で見ても最も多く使われているブドウ品種です。
量的には2番目がカベルネ・ソーヴィニヨンで、次がカベルネ・フランです。

近年では左岸においても、若飲みできて売りやすいワインを造るために、以前よりもメルローを多くブレンドする傾向があります。

ワインがあまり険しすぎると、何年も熟成させてから飲むことになり消費が進まないので、商売上の理由からもいろいろな工夫をしているのですね。

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ボルドーには「左岸」と「右岸」があります ~ それぞれ土壌やワインのスタイルが異なり、左岸はカベルネ・ソーヴィニヨン主体、右岸はメルロー主体のワインとなります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドー地方には、明確にタイプの違うワインを生み出す2つのエリアが存在します。
それぞれボルドー「左岸」「右岸」と呼ばれています(図表を参照)。

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いちばん安価な価格帯のボルドーワインは、左岸も右岸も含めた「ボルドー地方のどこか」でできたブドウから造られ、原産地表示もいちばん広域の「AOCボルドー」を名乗ります。

もう少し良いワインになると、左岸もしくは右岸の中の、より狭く特定された地区や村のAOCを名乗ります。

左岸のブドウ畑はガロンヌ河から、さらに河口側で大西洋に注ぐジロンド河にかけての西側(つまり左岸)にあります。

右岸のブドウ畑はドルドーニュ河の北側と、さらに河口側のジロンド川の東側(つまり右岸)にあります。

ちなみにガロンヌ河とドルドーニュ河の間に位置するアントル・ドゥ・メール地区はソーヴィニヨン・ブランを使った白ワインの名産地です。

ボルドー左岸、右岸にはそれぞれ、覚えておきたい重要な地区があります。

●左岸

オーメドック地区 Haut-Médoc
  (この中にポイヤックやマルゴーなどの有名な村々があり、グラン・ヴァンも生まれる)

グラーヴ地区 Graves
  (中でもぺサック・レオニャン Pessac-Léognan が名醸地)

ソーテルヌ地区 Sauternes
  (甘口の貴腐ワインの名産地)

●右岸

サンテミリヨン地区 St.-Émilion
 (メルローやカベルネ・フラン主体のソフトで厚みのある赤ワインの産地) 

ポムロール地区 Pomerol
 (サンテミリヨンの西に隣接する通好みの高級ワインの産地)

左岸と右岸は、主に土壌が異なります。
左岸は砂利質が主体なのに対して、右岸は粘土質が主体です

そのため、砂利質の土壌に適したカベルネ・ソーヴィニヨンが左岸の主要品種となり、
粘土質に適したメルローが右岸の主要品種となります。

もちろん、左岸でもメルローを栽培していますし、右岸でもカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。
またいずれの側でも、重要な補助品種としてカベルネ・フランも育てられています。

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ボルドーのグラン・ヴァン(偉大なワイン)はスゴイですが、それは全体のごく一部 ~ 中価格帯にも良いワインがたくさんあるので、探せるようになると面白いですよ

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドーは「世界トップレベルのワイン産地」としての名声を得ています。
そうした評判は、ボルドーが生み出す偉大なワインによるところが大きいでしょう。

偉大なワインのことをグラン・ヴァン grands vins といいます。
歴史や伝統のあるシャトー(= ワイナリー)が造る、何十年も熟成可能なワインのことです。
値段も1本何十万円とします。

本当に偉大なボルドーワインの場合、まだ若い段階には非常に濃く紫がかった外観をしており、カシス、ブラックベリー、ブラックチェリーなどの黒系果実やスパイス、杉などのような香りがします。

最初の10年ほどの間は、強靭すぎるタンニンが果実味を覆ってしまい口当たりが硬く、かなり険しい味わいです。
でも最終的には、ワインは熟成を経てやや褐色を帯び、非常に複雑な香りと風味を持ち、タンニンも溶け込んで口当たりが柔らかくなります。

そのような状態になるまで20~25年はかかります。

ボルドーのシャトー・ラトゥール
Château Latour は100年でも熟成可能と言われています。
ヴィンテージから18年経過したラトゥールを試飲したことがありますが、まだ外観も香りも味わいも信じられないほど若く、タンニンも依然として強靭だったのを覚えています。

ちなみに一流シャトーが造る2番手ブランドのことを、
セカンド・ワイン(フランス語はスゴン・ヴァン second vin)といいます。

セカンド・ワインは、自社の看板ブランド用の原料からは選別されたブドウや、看板ブランド用に使うにはまだ樹齢の若いブドウから造られます。

(例)
・ シャトー・ラトゥールのセカンド・ワインは
 レ・フォール・ド・ラトゥール Les Forts de Latour
・ シャトー・マルゴーのセカンドワインは
 パヴィヨン・ルージュ・デュ・シャトー・マルゴー Pavillon Rouge du Château
Margaux

このクラスのセカンド・ワインになると、他の通常のシャトーの看板ブランドよりも格段に素晴らしいワインです。

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 ▲レ・フォール・ド・ラトゥール1973年 ~ 40年過ぎても骨格がシッカリしていた


こうしたグラン・ヴァンは、ボルドーの赤ワインにおけるピラミッドの頂点だといえます。
ただし数量でいうと、グラン・ヴァンはボルドー全体の赤ワイン生産量から見れば極めて少量で、ほんの例外的な部分に過ぎません。

年間7億本ものワインを産出するボルドー地方には、安価なものから中程度の価格帯のワインがたくさんあります。
中程度の価格帯には面白いワインが結構あります。


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飲み頃を迎え褐色を帯びてきたシャトー・デュ・テルトル2003年 ~ メドック格付けワインだが最新ヴィンテージなら4~5千円で買える


中価格帯のボルドー赤ワインは、1本3~4千円台あたりから買うことができます。
メドック格付けを持つ有名シャトーのワインであっても、発売されたばかりの若いヴィンテージであれば、そのくらいの価格で購入できるものもあります。

このようなワインを探せるようになることが、ワインを学ぶメリットの一つですね。
こうした中価格帯のボルドー赤ワインは、収穫年(ヴィンテージ)から10~15年くらいで飲み頃を迎えます。

いちばん低価格帯のボルドー赤でしたら、スーパーなどで1本千円前後で売られているものもあります。
このクラスのワインはあまり長期熟成には向かないので、買ってすぐ、遅くともヴィンテージ後2~5年以内に飲んでしまったほうが良いでしょう。

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