早稲田ワインアカデミー

ワインに興味はあるけれど、ワインって何だかムズカシそう・・・
ワインを楽しむのに必ずしも知識は要りません。
でもワインの基本を知ると、ワインがもっと楽しくなります。
ブログ「早稲田ワインアカデミー」は、ワイン初心者の方にもワインをよく飲む方にも
気軽にお読みいただける、オンライン・ワイン教室です。

​バイザグラスの初拠点となる【神楽坂ワインハウス by the glass】
2018年11月にオープンしました!
神楽坂ワインハウス バイザグラス
https://www.bytheglass.jp/

フランス南西地方は郷土色あふれる個性的なワインの宝庫です ~ 力強い赤ワインのカオール、マディラン、甘口白ワインのモンバジャック、ジュランソンが有名です

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボルドー地方の南からスペイン国境のピレネー山脈にかけて、フランス南西部一帯にブドウ畑が広がっています。
この広いエリアのことを大括りに南西地方 Sud-Ouest といいます。

広大なエリアにワイン産地が点在し、各地で多様なスタイルのワインが造られており、南西地方のワインをひとくくりにして述べるのは困難です。

それらの中では、
ボルドーの近郊でボルドーと似たスタイルのワインを造るベルジュラック地区
カオールマディランなどの重厚な赤ワイン、
モンバジャックジュランソンなどの甘口白ワインが有名です。

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● ベルジュラック Bergerac


ボルドーのサン・テミリオンなどが位置するドルドーニュ河を上流に遡って行くと、ベルジュラックの町を中心としたベルジュラック地区が広がっています。

ボルドー地方に近いため、ボルドーと同じ品種(赤はメルロー主体、白はセミヨンとソーヴィニヨン・ブラン)でボルドーのようなワイン造りが行われていますが、価格はボルドーより割安です。
1本千円ちょっとで買えるものもあります。

ベルジュラック地区では甘口白ワインも造られており、モンバジャック Monbazillac がよく知られています。

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 ▲ベルジュラック地区のボルドースタイルの赤ワイン


● カオール Cahors

南西地方で最も高名な赤ワインの産地です。
主要品種はマルベックで、近年はラベルに表示されることが多くなっています。
アルゼンチンを除いて、世界中でマルベックが主要なブドウ品種となっている産地はほかにありません。

カオールの赤ワインは伝統的には色が大変濃く、タンニン豊富で、飲み頃になるまで10年くらい熟成が必要なワインですが、最近では飲みやすいスタイルのものも出ています。

伝統的なカオールのすぐれた造り手としてはシャトー・ラグレゼット C
hâteau Lagrezette がよく知られています。1本4千円くらいです。

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 ▲シャトー・ラグレゼットのカオール


● マディラン Madiran

非常にタンニンが豊富なフルボディの赤ワインです。
鹿肉、鴨肉のほか、カスレなどボリュームある郷土料理にはピッタリです。

主要ブドウ品種はタナ tannat で、タンニンの語源となったブドウ品種です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランも補助的に使用されます。

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 ▲タンニン豊富で力強いワイン「マディラン」


● ジュランソン Jurançon

晩秋に山から吹き降ろす南風によって樹上で過熟したブドウから、甘口の白ワインが造られます。
プティ・マンサン及びグロ・マンサンというブドウ品種が主体です。辛口もあります。

隣接するポー市 Pau はブルボン王朝の創始者アンリ4世(在位1589-1610年)の生誕地で、
ジュランソンはアンリ4世の洗礼式に使われたことで有名です。

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 ▲ジュランソンの辛口

フランス南西地方は非常にローカル色あふれる個性的なワインの宝庫です。
ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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風光明媚なプロヴァンス地方はロゼワインで有名 ~ ニースの郷土料理ソッカにはロゼがピッタリ、力強い赤ワインならバンドール、白ならブイヤベースにカシスですね

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

プロヴァンス地方はローヌ地方の南側、ラングドック地方の東側、北イタリアの西側に位置する地中海に面したワイン産地で、おそらくフランスで最も風光明媚な地域でしょう。

ニース、カンヌ、マルセイユなどの国際都市、エクサン・プロヴァンスやサン・ポール・ド・ヴァンスなどの小さくて古い村々、コート・ダジュールの青い海・・・プロヴァンス地方は間違いなく、フランスでトップクラスの観光エリアです。

鮮やかな日差しと恵まれた気候は、たくさんの芸術家を惹きつけました。
オランダ人のファン・ゴッホもその一人で、彼のすぐれた作品の多くはこの地で描かれたものです。

ワインはつねに、プロヴァンスの文化・経済の一部でした。いまでもそうです。
そもそもプロヴァンス地方はフランスで最もワイン造りの歴史が古い場所で、紀元前600年頃にマルセイユに港を築いたフェニキア人がこの地にワイン造りを伝えたといわれています。

プロヴァンス地方はロゼワインで有名です。
この地を訪れた旅行者は、たいていロゼワインを楽しむでしょう。

ニースの旧市街の食堂に行くと郷土料理のソッカ Socca が食べられます。
ソッカはヒヨコ豆の粉でつくるニース名物で、具の無いクレープみたいな食べ物です。

外側はカリッと、中はフワッとしていて美味しいです。

アツアツのソッカに塩と胡椒で少々味付けをして食べます。
このソッカには、プロバンス地方のロゼワインがとっても良く合います。

もう15年以上も前ですが、ぼくもニースを訪れたとき、旧市街の食堂でソッカを食べながらロゼワインを飲みました(写真はその時に撮ったものです)。

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 ▲ソッカとロゼワイン ~ コップで飲むのがニース流

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 ▲ソッカを食べたお店 NISSA SOCCA(ニッサソッカ)

プロヴァンス地方で最大のAOCはコート・ド・プロヴァンス Côtes de Provence ですが、そこではロゼワインが生産量の約9割を占めています。
プロヴァンス地方に、ロゼを生産しないAOCはありません。

プロヴァンス地方には、良い赤ワインを造るAOCもいくつかあります。

とくにバンドール Bandol はプロヴァンスの赤ワインの中で最も評価が高いです。
ムールヴェドル種主体で18ヶ月以上の樽熟成が義務付けられている、力強いワインです。
このほかニース近郊のパレット Palette にも良い赤ワインがあります。

マルセイユ近郊のカシス Cassis という産地(果物のカシスとは無関係)は、クレレットおよびマルサンヌというブドウ品種から造られるアロマティックな白ワインが有名です。

マルセイユはブイヤベースの発祥地としても知られ、郷土料理のブイヤベースにはカシスの白ワインがよく合うといわれています。

聞いただけでも美味しそうですよね!

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ラングドック・ルーション地方はフランス最大の産地 ~ 日常消費用ワインが大半ですが、地ワインはペイ・ドック Pays d'Oc と呼ばれ、安くてお買い得なワインです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

フランスで最も変化と活力に満ちた勢いあるワイン産地をあげるとすれば、フランス南部だと思います。
とはいえフランス南部は、フランスで最も古いワイン産地でもあります。
紀元前6世紀にはギリシャ人がこのあたりですでにワインを造っていました。

ラングドック・ルーション地方はフランス南部、プロヴァンスの西からスペイン国境にかけて地中海沿岸に広がるワイン産地です。
ひと続きになっているので "ラングドック・ルーション" と総称されていますが、厳密にはそれぞれ別の産地です。

プロヴァンス西部から地中海沿岸の平地に広がるのがラングドック地方
さらに西に行きスペイン国境ピレネー山脈の山裾の丘陵地に拓かれているのがルーション地方です(ルーション地方は文化的にもスペイン・カタルーニャ地方に近い)。

【関連記事】フランスのワイン産地の位置はこちら
 

日照量に恵まれ、乾燥した気候のラングドック・ルーション地方はワイン生産量でフランス最大の産地です。
このエリアでフランスワイン全体の40%以上を生産しています。

生産されているのは、ヴァン・ド・ターブルやヴァン・ド・ペイ(現在はIGP)の安価な日常消費用ワインが大半です。
フランスの日常消費用ワインの約半分はラングドック・ルーション地方産です。

ラングドック・ルーション地方で造られるワインの8割以上が赤ワインです。
フランスの赤ワインの半分以上が
ラングドック・ルーション地方で造られています

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 ▲メルローのペイ・ドック

この地方で産まれる力強い赤ワインは、伝統的にグルナッシュ、ムールヴェドル、カリニャンといった南部の典型的なブドウ品種から造られます。 
しかしここ2~30年ほどはシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルローなどを用いて高級志向のワインを造る動きが生産者の間で広がってきています。

ブドウ品種は単一で使われることも、ブレンドされることももあります。

ラングドック・ルーション地方のヴァン・ド・ペイ(IGP)はペイ・ドック Pays d'Oc と呼ばれ、ラングドック・ルーション地方じゅうのブドウで造られる "地ワイン" ですが、安くてお買い得なワインが多いです。

AOCクラスのワインも存在します。
ラングドック地方の有名なAOCは
・ コルビエール Corbières
ミネルヴォワ Minervois
サンシニアン Saint-Chinian
フィトゥー Fitou
で、いずれも力強い赤ワインです。

Pay d'Oc もAOCワインもだいたい千円台~2千円までで購入できますので、濃い目の赤ワインを気軽に楽しみたいときにはオススメです。
スーパーやディスカウントストアでもよく見かけますね。

ルーション地方にもAOCコリウール Collioure がありますが、
同じ地域で生産されるVDN(ヴァン・ドゥー・ナテュレル Vin Doux Naturels = 天然甘口ワイン)であるバニュルス Banyuls が有名です。

VDNとはワインのアルコール発酵中にブランデー等を添加して、アルコール発酵を停止させて造られる甘口の酒精強化ワインです。

バニュルスはポルト(ポートワイン)のような色をした甘口ですが、ポルトほどベトついた感じがなく意外にさらっとした口当たりで、けっこう美味しくてクセになるかもしれませんよ ^^

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アルザス地方は9割以上が白ワイン ~ リースリングは高貴なアルザスワインの王様、ゲヴュルツトラミネールはエキゾチックでスパイシーなアジア料理によく合うワインです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

アルザスではピノ・ノワールから赤ワインも造られていますが、
アルザスワイン全体の9割以上が白ワインです。

アルザスの白ブドウは次の6種類です。
・ リースリング
・ ゲヴュルツトラミネール
・ ピノ・グリ
・ ミュスカ

・ ピノ・ブラン
・ シルヴァネール

このうち特に大事なブドウは、リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ピノ・ブランです。
なかでもリースリングゲヴュルツトラミネールは、アルザスを代表するユニークで価値あるワインです。


● リースリング

アルザスワインの王様です。
リースリングの白ワインには青リンゴのようなフルーティな香り、若いうちは白い花のような華やかな香りもあります。
独特の石油のような香り(ペトロール香という)が感じられることも多いです。

しっかりとした酸味を伴い、フレッシュ、フルーティ、フローラルで高貴な印象のワインになります。

基本は辛口ですが、すぐれた生産者が造る上級品のなかには残糖分を含み甘く感じられるものもあります。
若いうちに飲んで楽しめますが、上等品は10年くらい熟成させることも可能です。

リースリングのワインはだいたい1本1800円~5千円くらいで購入できます。
上等品は1万円くらいするものもあります。


● ゲヴュルツトラミネール


アルザス地方を本拠地とするブドウ品種です。
果皮がピンク色の白ブドウで、濃い色の白ワインになります。

ゲヴュルツトラミネールのワインは非常にアロマティック
で、ライチを思わせる果実香とバラのような香りが爆発的に迫ってきます。

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 ▲アルザスのゲヴュルツトラミネールはライチやバラの香りのパンチがものすごい


アルコールが高く酸味の低いワインになるため、実際には残糖分がほとんど無くても、甘味があるように感じられます。

ワインはフルボディのまったりした力強いタイプになります。
この独特のエキゾチックでスパイシーな風味は、人によってかなり好き嫌いが分かれるでしょう。

もしアルザスのゲヴュルツトラミネールを試したことがなければ、世界で最も特徴的なワインをまだ経験していないことになりますね。

価格はリースリングと同じくらいです(ただしリースリングのように熟成には向きません)。

ゲヴュルツトラミネールは、カレーをはじめとするスパイシーなアジア料理に合うワインです。
未経験の方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

【関連記事】アルバリーニョ、シュナン・ブラン、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカデ、ヴィオニエ・・・白ブドウもいろいろ ~ たくさんのブドウに出合えたら面白いですね!


●ピノ・グリ

ピノ・グリはゲヴュルツトラミネールと同様に果皮がピンク色の白ブドウで、イタリアのピノ・グリージョと同じブドウです。
ピノ・グリは生物学的にはピノ・ノワールが突然変異してできたブドウ品種です。

それほど特徴的な香りはなく、しいて言えば白桃やアンズのようなニュアンスの香りでしょうか。
アルコール感が高く肉付きのよい白ワインとなるため、アルザス地方では豚肉など肉料理にあわせて飲むことも多いようです。
アルザスのピノ・グリは1本1800円~4千円くらいです。


●ピノ・ブラン

ピノ・ブランは現地ではクレヴネルとも呼ばれる品種で、ここにあげた4品種のなかでは最も軽く感じられるワインです。
香りも穏やかでそれほど特徴はなく、酸味のあるライトボディの辛口白ワインになります。
基本的には安価なものが多く、1本1500円~2千円くらいで購入できます。

造り手のなかには、アルザスワインの入門者向けに ピノ・ブランを中辛口(すこし甘口)に仕立てて造っているものもあります。


なおアルザスにはAOCアルザス・グランクリュという上級の白ワインだけが認められる小地区が51あり、
リースリング、ゲヴュルツトラミネール、ピノ・グリ、ミュスカの4つが指定品種となっています(上級指定品種)。

アルザス・グランクリュではブドウ品種のブレンドは認められておらず、ブドウは手摘みが義務付けられています。


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アルザス地方はフランスの中ではドイツ的でユニークなワイン産地 ~ その背景には、ドイツになったりフランスになったりを繰り返してきたアルザスの歴史がありました

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

フランス北東部に位置するアルザス地方は、ドイツとの国境のすぐ近くにある魅力的なワイン産地です。
ドイツのバーデン地方とちょうどライン河を隔てたところにあります。

アルザスワインはフランスワインの中でも独特です。

まず、ワインは基本的にすべて、アルザスという産地名だけでなくブドウ品種名も名乗ります
ドイツと同じく、アルザスはリースリングが有名です。

また、すべてのアルザスワインは "フルート型" と呼ばれる細長く背の高いボトルに詰められています。
これもドイツと似ています。

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 ▲フルート型のボトル ~ ラベルには産地名ALSACEとともにブドウ品種名RIESLINGが書かれている

アルザス地方の緯度がずいぶん北にあることから、きっと寒い気候なのだろう・・・と思うのではないでしょうか。

さにあらず。
アルザス地方を南北に貫くヴォージュ山脈が西から来る雲をせき止めるので、雨が少なく、とても日照量が多く、温暖で乾燥した気候なのです。

実際、アルザスは降雨量がフランスで最も少ない産地です。
畑はほとんど東向きです。
一言でいえば、ブドウの生育に理想的な気候なのです。

アルザス地方について語るには、地理的なことだけでなく歴史もすこし見ておきたいところです。

前述のようにアルザス地方はフランスとドイツとの国境に位置していますが、
この地方は歴史上、フランスになったりドイツになったりしてきたのです。

アルザス地方はもともと(5世紀)フランク王国の領土にあり、
9世紀にフランク王国が西・中部・東に3分割されたとき、東フランク王国(現在のドイツの基礎)の領土となりました。

東フランク王国が10世紀以降、現在のドイツにあたる神聖ローマ帝国(962年~1806年)となってからも、アルザス地方は700年近くの間その領土内にありました。

アルザスが最初にフランスの領土となったのは1648年のことです。

カトリックとプロテスタントが争った三十年戦争(1618年~1648年)の終結時に、ウェストファリア条約によって、戦勝国であるフランスが神聖ローマ帝国からアルザス地方を得て併合したのです。

それから200年以上にわたってアルザス地方はフランス領でしたが、
1870年~1871年の普仏戦争(プロイセン<後のドイツ帝国>とフランスの戦争)で勝利したプロイセンがアルザス地方をフランスから取り戻しました。

プロイセンは1871年にドイツ帝国となりましたが、その後1914年~1918年の第一次世界大戦で敗北し、
1919年のヴェルサイユ条約によって、戦勝国フランスがアルザス地方を再び領土としました。

しかし第二次世界大戦中の1940年、ナチス・ドイツがアルザス地方を占領しドイツの領土としました。
そして1945年のナチス・ドイツの降伏によりアルザス地方がフランス領土となり、現在に至っています。

アルザス地方は今日でも、言語(アルザス語はドイツ語の方言)、食文化、建築物などの面でドイツっぽさが色濃く残っています。
ワインのスタイルやブドウ品種などに共通項が多いのも、こうした歴史があったからなのですね。

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ロワール河が大西洋に注ぐエリアのペイ・ナンテ地区は生ガキや魚貝類に合う爽やかなミュスカデの本拠地 ~ 日本の甲州と同様シュール・リー製法で造られるものが多いです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ロワール河の下流域、この大河がちょうど大西洋に注ぐエリアの産地を
ペイ・ナンテ地区 Pays Nantais
と呼びます。
このエリアの中心都市であるナンテの町からつけられた名称です。

このエリアはミュスカデという白ブドウの本拠地です。

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 ▲ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌはキリッと辛口の白ワイン

ミュスカデの白ワインはライトボディで爽やかな辛口で、非常にキレがよいのが特徴です。
ソーヴィニヨン・ブランのワインをさらに細くしたような味わいです。

爽やかな酸味とフレッシュな風味、くっきりとしたミネラル感が感じられるワインですので、生牡蠣、アサリ、ムール貝、川魚などとピッタリです。

ペイ・ナンテ地区で最も生産量が多いのは、
ミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌ Musucadet-Sèvre et Maine という産地のものです。
ミュスカデのワインで、ぼくたちが目にすることが多いのもこれだと思います。
ラベルにも Musucadet-Sèvre et Maine と表記されています。

ミュスカデは香りが穏やかでブドウそのものには際立った特徴がないため、ワインはシュール・リー Sur lie
製法で造られるのが主流です(ラベルにも Sur lie と記載されていることが多い)。

シュール・リーとは、発酵タンク内で滓(オリ = 発酵を終えた酵母の死骸)の上で一定期間熟成させ、その後タンクから直接瓶詰めされたワインのことです。

より具体的にいうと、ワインのアルコール発酵終了後、ワインを滓引きせずにそのまま発酵タンクの中に放置して年を越させ、翌4~5月に滓の上にあるワインの上澄みだけを取り出して瓶詰めを行なうことです。
こうして滓の上にワインを接触させておくことによって、滓由来の風味をワインに取り込むのです。

シュール・リーを行うと、活き活きと爽やかなワインになります。
シュール・リーを行なう代表的なワインはミュスカデと日本の甲州です。

【関連記事】
シュール・リーはミュスカデや甲州、MLFは赤ワインやシャルドネの高級白ワインに多く使われるワイン醸造テクニック ~ 風味を引き出したり酸味を抑制したり様々な工夫があります
アルバリーニョ、シュナン・ブラン、ゲヴュルツトラミネール、ミュスカデ、ヴィオニエ・・・白ブドウもいろいろ ~ たくさんのブドウに出合えたら面白いですね!

ミュスカデのワインは1本1000円から1500円くらいで購入できます。
近所のスーパーに置いてあるかもしれません。
ぼくの家の近くのドン・キホーテでも、1200円のミュスカデ・セーヴル・エ・メーヌが売られています。

スッキリ気軽に楽しめるワインですので、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

ロワール中部アンジュ&ソミュール地区とトゥーレーヌ地区は、シュナン・ブランの白ワインとカベルネ・フランの赤ワインの名醸地 ~ シノンはしゃぶしゃぶにもよく合います

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

今回はロワール河の中流エリアにあるロワール中部についてです。

ロワール中部は白ワインと赤ワイン、どちらもよく知られています。
白ワインではシュナン・ブラン種が主役です。
おそらく世界で一番、シュナン・ブランの実力を発揮できる産地でしょう。

このロワール中部は、さらに2つのエリアに分けられます。
東側のアンジュ&ソミュール地区 Anjou & Saumur と、
西側のトゥーレーヌ地区 Touraine です。

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●アンジュ&ソミュール地区 Anjou & Saumur

アンジュ&ソミュール地区のうち、アンジュ地区はおそらく世界一すばらしいシュナン・ブランの産地でしょう。

辛口白ワインではサヴニエール Savennières がとくに有名です。
すぐ近くでは、サヴニエール・クレ・ド・セラン Savennières Coulée-de-Serrant という独特の白ワインもあります。

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 ▲ニコラ・ジョリが造る
サヴニエール・クレ・ド・セラン


サヴニエール・クレ・ド・セランは、ビオ・ディナミの実践者として知られるニコラ・ジョリ氏が単独所有するわずか7ヘクタールの単一畑AOCです。
非常にボディのしっかりとした濃縮感あふれる白ワインで、粘性が強くハチミツのようなトロリとした舌触りが特徴です。

シュナン・ブランからは偉大な甘口ワインも造られます。

・ボヌゾー Bonnezeaux
カール・ド・ショーム Quarts de Chaume
コトー・デュ・レイヨン Coteaux du Layon

は特に有名なデザートワインです。

一方ソミュール地区はどちらかといえば赤ワインが中心のエリアで、
ソミュール・シャンピニ Saumur-Champigny というカベルネ・フラン種から造られる赤ワインがよく知られています。

●トゥーレーヌ地区 Touraine

トゥール市街をはさんで東西に広がる産地がトゥーレーヌ地区で、周辺ではシャンボール城、シュノンソー城など美しい古城が見られます。

トゥール市街の東側にブーヴレVouvray、モンルイ・シュル・ロワール Montlouis-sur-Loire などシュナン・ブランから白ワインを造る産地があり、
西側にはシノン Chinon、ブルグイユ Bourgueil などカベルネ・フランから赤ワインを造る産地があります。

ヴーヴレは白ワインのみの産地で、シュナン・ブランから辛口と甘口が造られています。
スパークリングワインもあります。

ヴーヴレの辛口はサヴニエールに比べると親しみやすくボディも軽めな白ワインで、若いうちに飲むべきフレッシュなスタイルのワインです。価格も1本2千円以下の手頃なものが多いです。

辛口と言っても、ソーヴィニヨン・ブランから造るサンセールやプイィ・フュメのようなキリっとしたワインに比べるとややふくよかな口当たりですので、鶏肉などの白い肉やクリームソースで料理した肉料理にも合わせられるでしょう。

ヴーヴレの甘口はブドウが非常によく熟した例外的な年にしか造られないため、大変希少です。
高い酸度のため飲み頃を迎えるまで数年を要し、超長期の熟成が可能です。

ヴーヴレでこれほど多様なワインが造られるのは、この産地周辺がちょうど海洋性気候と大陸性気候のせめぎ合う境界エリアで、毎年の気候変動が非常に大きいためだといわれています。

シノンはトゥール市街の西側に位置し、赤ワインの産地として有名です。
シノンでは白もロゼも造られていますが、9割以上が赤ワインです。
カベルネ・フランから果実味と酸味の豊かなミディアム・ボディの赤ワインが造られます。

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 ▲しゃぶしゃぶ店で注文したシノン


この周辺にはシノンのほかにもブルグイユ、サン・ニコラ・ド・ブルグイユといった赤ワインだけを造る産地もあります。
いずれもカベルネ・フランから造られる、口当たりの柔らかいミディアム・ボディの赤ワインです。

カベルネ・フランのワインは1本1500円~4千円くらいです。
タンニンが強くなく、果実味と酸味が主体なので、日常的な食事全般に合わせやすいワインです。

カベルネ・フランの赤ワインには少々青っぽい野菜のようなニュアンスの香りがあるので、野菜を伴うあまり味付けの濃くないお肉料理、それこそ白菜を使う日本のしゃぶしゃぶなどには大変よく合うと思います。
実際ぼくは、しゃぶしゃぶ店でシノンの赤ワインを合わせて楽しんだことがあります。

機会があれば、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。

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ロワール地方も見逃せない ~ ロワール河の上流にはサンセールとプイィ・フュメという、ソーヴィニヨン・ブランの溌剌とした白ワインで有名な2大産地があります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

白ワインのブドウ品種で一番有名なのはおそらくシャルドネですが、シャルドネばかり飲んでいたら飽きてしまいますよね (笑)

もしもシャルドネ以外の白ワインをフランスでお探しでしたら、
ロワール地方 Val de Loire のワインをオススメします。

ロワール地方にはたくさんの種類の白ワインがありますが、シャルドネのワインはほぼ見かけません。
赤ワインもロゼワインも造られていますが、やはり白ワインに有名なものが多いです。

今回からはロワール地方について書いていきます。

ロワール地方はフランス北西部に東西に細長く広がる産地です。
東はフランス中央部から西の大西洋に向って流れているロワール河に沿って産地があります。
このロワール川は全長約1000kmあり、フランスで最も長い河川です。

【関連記事】フランスのワイン産地の位置はこちら
 
気候は、とくに東側はかなり冷涼で、酸味がしっかりとしたライトボディの白ワインの名産地となっています。

ロワール地方は大きく分けると3つのエリアがあり、それぞれ主要としている品種が異なります。

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 ▲ロワール地方全体図

そのうち最も東側、つまりロワール河の上流にあるエリアをサントル・ニヴェルネ
地区 Centre Nivernais といいます。ちょうどパリの真南の方角です。

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 ▲アンリ・ブルジョワのサンセール

そのサントル・ニヴェルネ地区には、ロワール河をはさむようにして
サンセール Sancerre
プイィ・フュメ Pouilly-Fumé という、ソーヴィニヨン・ブランの白ワインで有名な2大産地があります。

これらの産地で造られるソーヴィニヨン・ブランの白ワインは、ハツラツとした酸味を持つ辛口ワインで、
グレープフルーツのような柑橘系果実の香り、青草(ハーブ)やアスパラガスを思わせる香り、ミネラル感あふれるキレのある口当たりが特徴です。

個人的にも、ぼくにとってサンセールは、あらゆる白ワインの中でも特に好きなワインのひとつです。

サンセールとプイィ・フュメは非常に特徴が似ており、利き酒で判別するのはよほど経験を積んだ飲み手でも難しいのではないかと思います。

しいて特徴の違いをあげるとすれば:
  • サンセールは、プイィ・フュメよりさらに活きいきとした爽快さを感じます。
    暑い季節に川魚、淡水魚、貝類などと共に楽しむと完璧な組み合わせとなります。

    アンリ・ブルジョワという造り手のものは特に素晴らしいです。
  • プイィ・フュメは、サンセールよりも(かすかに、ですが)ボディがあり、火打石のような鉱物性のミネラル香がほんのりと感じられるかもしれません。
    サーモンなどと非常によく合います。
サンセールもプイィ・フュメも、たいてい2千円くらいから4千円台で購入できます。
ただし良いものになると5千円以上します。
なかには1万円クラスのものもありますが、このレベルのものは多くありません。

どちらも若飲みタイプで、ヴィンテージから3~4年以内に飲んでしまうほうが良いでしょう。

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夏のスッキリ白ワインセミナーを開催しました!~ 今回はあえて基本品種以外のワインを中心にセレクト、夏らしい爽快な白ワイン5種類を楽しみました

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

おととい7月22日(土)は、お気楽ワインセミナー「夏のスッキリ白ワイン」を開催しました。

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よく晴れた昼下がり。
スッキリ爽快な白ワインをテイスティングするのに相応しい陽気の週末です。


暑い中を会場に到着したゲストの方に、まずはクールなワインで涼んで頂きましょう。

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というわけで、オーストリアの代表的なブドウ品種グリューナー・フェルトリーナーのワインで乾杯~!

今回はいわゆる基本品種から一歩離れて、オルタナティヴ品種と呼ばれるブドウの白ワインも交えて試飲、学習してみました。

オーストリア・ニーダーエストライヒ州のグリューナー・フェルトリーナーは、
柑橘系の果実を思わせる酸味がハツラツとした、クールでファッショナブルな印象の白ワインです。

2つめはイタリア・ヴェネト州のソアーヴェ・クラシコ
ブドウ品種はガルガーネガです。

ソアーヴェを本拠地とする造り手でソアーヴェの最高峰ともいわれるピエロパンのソアーヴェ・クラシコをセレクトしました。
リースリングを思わせるような華やかな香り、熟したライムのような果実味を伴う酸味が心地よい、エレガントなタイプのソアーヴェでした。

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3つめはスペイン西部ガリシア地方の産地、リアス・バイシャスのワインです。
ブドウ品種はアルバリーニョ

非常にアロマティックな(芳香性に富んだ)ワインですね。
トロピカルな花の香り、シトラスや白桃などのフルーティさが強調されています。
と同時に、非常にミネラリー・・・海水を口に含んだときのような塩味をかすかに感じます。

それもそのはず、リアス・バイシャスは大西洋に面した海沿いエリアに広がる産地で、
ブドウ畑の土も木も年がら年中、海風を浴びているのですから。

その意味でテロワールがよく表現されている、まさに「海のワイン」といえるでしょう。
間違いなくシーフードに合いますね。パエリアとか、アサリ、タコ、イカ、エビ、タラ・・・

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そのリアス・バイシャスのすぐ南にあるのがポルトガルです。
リアス・バイシャスから国境を挟んでポルトガル側に広がる産地がヴィーニョ・ヴェルデで、ここでも同じアルバリーニョを使った爽やか系の白ワインが名産となっています。

スペインのリアス・バイシャスからポルトガルのヴィーニョ・ヴェルデにかけての産地で造られている、アルバリーニョ種を使ったスッキリ系白ワインについて、ソムリエール犬飼雅恵がお話しました。

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4つめはポルトガルの、これまたシーフードに合いそうな白ワインを用意しました。
ヴィーニョ・ヴェルデではありませんが、ラビガートとビオジーニョという土着品種のブレンドで造られた白ワインです。
産地はポルト(ポートワイン)と同じエリアにある、ドウロというポルトガルを代表する名醸地です。

白桃、洋梨、アンズのような香りとジンジャーなど甘いスパイスを思わせる香り。
口当たりがやや肉厚な、酸味と果実味のバランスの良いワインでした。

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テロワールの親和性といいますか、同じ地方で産まれる農産物や食物同士がいかに相性が良いかを体感して頂けるよう、ポルトガル産のオリーブオイルもご用意しました。

5つめは、ドイツのラインガウ地方の辛口リースリングをご用意しました。

ドイツといえばリースリング、リースリングといえばドイツですが、残糖分のある中甘口のワインが多いです。
実際、ドイツのワイン格付で最上位にあるプレディカーツヴァインも、残糖分によって等級分けされています。

しかし今回テイスティングしたのは、
プレディカーツヴァインのカビネットという等級のトロッケン(辛口)です。
ドイツの辛口リースリングって、本当に美味しいんですよ。

白い花、青リンゴ、マスカットを思わせる高貴な香りがします。
口に含むと、青リンゴのような果実味を伴う良質でエレガントな酸味。
果実味のコクと高貴な酸味が感じられる、典型的に良くできたドイツらしい辛口リースリングでした。

「これは美味しい!」と、ゲストの皆さんも意見が一致していましたね ^^

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上の写真が、今回の白ワイン5種類です。
左側→右側の順序でテイスティングしました。


ぼくたちバイザグラスのお気楽ワインセミナーは、毎月の「ワイン入門」のほか今回のようなテーマ別ワインセミナーも定期的に開催しています。

ぜひお気軽にご参加ください!

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南ローヌには、ロゼの王と呼ばれる力強いタヴェル・ロゼや、果実味濃厚でフルボディな南仏ワインの大御所シャトーヌフ・デュ・パプもあります

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回に引き続き、ローヌ地方南部のワインについて見ていきましょう。
南ローヌには、ロゼにも特徴的なワインがあります。

それは、ロゼの王と呼ばれるタヴェル Tavel です。

タヴェルはロゼワインのみの産地です。
グルナッシュを40%以上使用することが義務付けられ、ほかにシラーやサンソーなどをブレンドします。
色が比較的濃く、アルコール感も感じられ、ロゼにしてはボディのある力強いスタイルのワインです。

タヴェルはかつてルイ14世の御用達になったというエピソードもあります。
価格は1本1500円~3千円くらいで購入できます。

タヴェルのようなしっかりしたロゼは、食事にも十分合わせられると思います。
もちろんロゼですので、夏の日の昼下がりに少し冷やして楽しむのも良いですけどね。
他の一般のロゼと同様、タヴェルも若いうちに飲むのがベストです。

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さて、ローヌ南部は比較的安価で複雑さよりも親しみやすさを感じるワインの産地だと前回述べましたが、
南ローヌにも忘れてはいけない大御所的なワインがあります。

それはシャトーヌフ・デュ・パプ Châteauneuf-du-Pape です。
南ローヌのワインの王様と言ってもよいでしょう。

シャトーヌフ・デュ・パプという名前は、「教皇の新しい城」という意味です。
14世紀の約70年間、すぐ近くのアヴィニヨン(ローマではなく!)にローマ教皇庁が置かれ、計7人のローマ教皇の本拠地だったという史実に由来しています。

シャトーヌフ・デュ・パプのワインのほとんどは赤ですが、わずかながら白もあります。
13種類のブドウのブレンドが許されていますが、主体となるのはグルナッシュ、ムールヴェドル、シラーです。

シャトーヌフ・デュ・パプはフルボディでコクがあり、アルコール度数が高く口当たりは豊満で、よく熟した果実味が濃厚に感じられる南フランスらしいワインです。

ヴィンテージや造り手にもよりますが、だいたい15年から20年は熟成可能です。
1本4千円台から7千円くらいで購入できますが、良いものになると1万円を超えます。

シャトーヌフ・デュ・パプの生産者でとくに優れており有名なのは、
シャトー・ラヤス  Château Rayas と、シャトー・ド・ボーカステル Château de Beaucastel の2つです。

シャトー・ラヤスは、
古木のグルナッシュほぼ100%でワインを造ることで知られています。
シャトー・ボーカステルは、
20年以上は熟成可能な力強いワインを造ります。
これらのクラスになると、1本2万円を超えるでしょう。たしかに美味しいんですけどね。。

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ローヌ地方のワインのほとんどはローヌ南部で造られています ~ グルナッシュ種を中心とした豊満で柔らかく親しみやすいワインの産地です

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ローヌ地方のワインのほとんど(・・・というか95%くらい)はローヌ南部で造られています

コート・ロティ&エルミタージュという2大スターを持つ北ローヌに比べて、ローヌ南部は値段も安く複雑さよりも親しみやすさを感じるワインの産地です。

北ローヌがシラー、ヴィオニエという主要ブドウ品種を中心にした単一品種のワインを造る傾向があるのに対して、南ローヌは複数のブドウ品種のブレンドでワインを造る傾向があります。

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 ▲ジゴンダス ~ 色が濃い

南ローヌで最も中心となるブドウ品種はグルナッシュです。

グルナッシュは高アルコール感を伴うふくよかさを感じ、タンニン穏やかで、やや緩さや豊満な印象を受ける、とても親しみやすいワインを造るブドウ品種です。
とはいえ、シラー等との絶妙なブレンド具合によっては、とても趣き深いワインを造る品種でもあります。

南ローヌのワインのほとんどは赤ワインです(94%が赤、白が3%、ロゼが3%)。

広域AOCであるAOCコート・デュ・ローヌ以外に面白いワインとしては次のものがあります。

●ヴァントゥ Ventoux
 ・・・AOCコート・デュ・ローヌに似ていますが、やや軽く感じるかもしれません。

●コート・デュ・ローヌ・ヴィラージュ Côtes du Rhône-Villages
 ・・・単なるAOCコート・デュ・ローヌよりもボディのあるブドウを産み出すことのできる95村で造られるワインです。

●ジゴンダス Gigondas
 ・・・コクがあり力強く、10年くらいは熟成可能なワインです(3千円~4千円)。

●ヴァケラス Vacqueyras
 ・・・ジゴンダスほどの力強さはありませんが、価格的にはお買い得なワインです(2千円~3千円)。

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ローヌ北部にはほかにも面白いワインがあります ~ 赤ならシラー100%のコルナス、白ならヴィオニエ100%のコンドリューが特徴的、シャトー・グリエは幻のワイン?

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ローヌ地方の北部には、コート・ロティエルミタージュというローヌ地方の2大スター以外にも、面白いワインがいくつかあります。

位置関係は下記の関連記事にあるローヌ地方の地図を参照してください。

【関連記事】フランス南東部のローヌ地方は温暖な気候でパワフルなワインが生まれやすい土地


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 ▲
なかなかお目にかかることのないシャトー・グリエを試飲!
 


まずは赤ワインから見ていきましょう。

100%シラー種から造られるコルナス Cornas も、北ローヌの良い赤ワインのひとつです。
やや骨太でタンニン豊富で最低10年くらいの熟成が望ましいという点ではエルミタージュと共通しています。
価格は1本5千円~9千円くらいです。

このほか、北ローヌ地方の赤ワインで比較的買いやすい価格のものは、クローズ・エルミタージュ Crozes-Hermitageサン・ジョゼフ Saint-Joseph です。

クローズ・エルミタージュはローヌ河の河口に向って左岸に、エルミタージュを取り巻くように広がるエリアです。
シラーを85%以上使用します(残りはルーサンヌ種・マルサンヌ種という白ブドウをブレンド可能)。

サン・ジョゼフはローヌ河右岸、コルナスの北にあるやや面積の広い産地です。
シラーを90%以上使用します(残りはルーサンヌ・マルサンヌをブレンド可能)。

どちらも1本3千円~5千円くらいで見つけられると思います。


次に白ワインを見てみましょう。

コンドリュー Condrieu ヴィオニエ種
100%から造られる、黄色い花の香りを思わせる非常にアロマティックな白ワインです。
世界に存在する辛口白ワインの中でも、アルザス地方のゲヴュルツトラミネール種のワインに匹敵するくらい芳香性に富んだワインです。

味わいにコクがあり、桃やアンズのような風味を伴います。
ワインはアルコール度が高く、酸味は低くミディアム~フルボディになります。
コンドリューなどヴィオニエ種の白ワインはあまり熟成させずに若飲みするほうが良いでしょう。

コンドリューは1本5千円~8千円くらいです。
ただ産地が小さいので、それほど選択肢の幅はなく、たとえば "最高レベル" のものを探すのは難しいかもしれません。

もうひとつ、コンドリューのエリアの中にポツンとあるのがシャトー・グリエ Château-Grillet です。
このワインもヴィオニエ100%で造られます。
名前からわかるように、産地というよりひとつのワイナリーが単独でAOCを持っているのです。

1本2~3万円くらいしますが、そもそも見つけるのが困難です。
ちなみにぼくは以前勤務していたワインバーで一度だけ、お客様のご好意でシャトー・グリエを試飲できる幸運に恵まれました。上の写真はその時に撮ったものです。

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コート・ロティとエルミタージュはローヌ地方の2大スター ~ どちらもシラー主体ですが、コート・ロティはエレガント系、エルミタージュは骨太で男性的なワインです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ローヌ地方全体の中でトップ2に数えられる赤ワインは、
コート・ロティ Côte Rôtieエルミタージュ Hermitage でしょう。

どちらもローヌ北部のワインで、この地方の高貴なブドウ品種であるシラーを主体に造られます。
シラー独特の黒コショウのような香りは両者共通で、いずれも力強くフルボディな赤ワインです。

コート・ロティのほうがスリムに引き締まった酸味を伴う、エレガントさを持ったワインです。

ピノ・ノワールを思わせるような香気もあり、ベーコンを焦がしたような香り、オリーブ、ラズベリーなどの赤系果実を想起させるアロマがあります。
比較的口当たりが滑らかで、果実味も感じられます。
良いヴィンテージのものは20年以上熟成可能です。

ぼくは熟成したコート・ロティを何度か飲んだことがあります。
本当にブルゴーニュのピノ・ノワールのワインを思わせるくらい色合いがきれいで、口当たりも滑らかなエレガントなワインになります。

価格は1本5千円~7千円くらいですが、良いものになると1万円を超えるものもあります。
ギガルという造り手が最も有名で、単一畑のものはとくに希少価値があり、1本2万円位するものもあります。


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 ▲レストランで注文したエルミタージュ ~ 力強かった。。


エルミタージュ
は、おそらくローヌ地方で最もフルボディで長期熟成可能なワインです。

複雑で、コクがあり、タンニンが力強く、骨太で男性的なワインです。
若いうちに飲むと口当たりや味わいが大変険しく感じられます。
飲めるようになるまで最低数年は必要なワインです。
良年のワインは30年は余裕で熟成できるでしょう。

力強いワインなので、鹿、猪など大型獣のジビエやカスレなど力強い料理に合います。
ぼくはレストランで内臓肉の煮込み料理を注文した時、エルミタージュを合わせたことがあります。
10年ほど熟成したワインでしたが、それでも力強く、内臓肉と見事にマッチしたことを覚えています。

1本6千円から1万円くらいで、良いものは1万円以上します。
5千円以下で売られているエルミタージュもたまに見かけますが、正直あまり美味しくないので避けたほうが無難かもしれません。。

なお厳密には、コート・ロティはシラー80%以上を使用して、ヴィオニエという白ブドウを20%までブレンドすることができます。
同様にエルミタージュはシラー85%以上を使用してルーサンヌ及びマルサンヌトいう白ブドウを15%までブレンドすることが可能です。

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フランス南東部のローヌ地方は温暖な気候でパワフルなワインが生まれやすい土地 ~ 世界的にみてもコストパフォーマンスの良い赤ワインができる産地のひとつです

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

前回まで約2週間にわたりブルゴーニュ地方について書いてきました。
縦長に伸びるブルゴーニュ地方の南端のボージョレー地区から、リヨンの町を挟んでさらに南側に伸びる産地が、ローヌ地方です。

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ローヌ地方はフランス南東部に位置し、リヨンからローヌ河に沿って南に向かいアヴィニヨンまで及ぶエリアです。
ローヌのさらに南には地中海に沿ってプロヴァンス地方が広がります。

【関連記事】フランスのワイン産地の位置はこちら

ローヌ地方はブドウの生育時期は非常に日照が強く暑くなります。
ワインはこうした気候を反映したものになります。

ローヌ地方の赤ワインはフルボディで濃厚でアルコール度数が高めです。
白ワインさえもフルボディでパワフルになりやすいです。

ローヌ地方は北部と南部に分けられます。
  • ローヌ北部はセプタントリオナル Septentrional と呼ばれ、急斜面の丘に段々畑が並ぶエリアです。
    大陸性気候で、土壌は花崗岩や片岩などが中心です。
  • ローヌ南部はメリディオナル Méridional とよばれ、比較的なだらかな起伏の丘が続くエリアです。
    より温暖な地中海性気候で、丸い小石のころがる砂質の土壌が特徴的です。

    南部では、ミストラルと呼ばれる強烈な北風が吹きます。
こうしたテロワールの違いのため、ローヌ地方の北部と南部ではワインのタイプもかなり異なります。
次回以降、ローヌ北部とローヌ南部に分けて、それぞれの産地とワインの特徴について述べていきます。

北ローヌにも南ローヌにも本格的なワイン(とくに赤)がいくつかありますが、
ローヌ地方は世界的に見てもコストパフォーマンスの良い赤ワインの産地のひとつだといえます。

1000円台くらいで、適度なボディとコストパフォーマンスの良さを持ったワインを探すのであれば、AOCコート・デュ・ローヌ Côtes du Rhône をオススメします。
ローヌ地方全域のブドウで造る広域AOCのワインですが、ほとんど南部で造られています。
ローヌ地方の全生産量の4分の3くらいを占めるワインですので、近所のスーパーでも売っているかもしれませんよ。

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ブルゴーニュワインを楽しむための、ちょっとしたコツ ~ 生産者名とヴィンテージとAOC名がワイン選びのポイントですが、まずは気軽にソムリエに相談してみましょう

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ブルゴーニュ地方のワインはグラン・クリュ、プルミエ・クリュ、村名ワイン・・・といったかたちでハッキリ階層化されているので、買うときもわかりやすいと思っていませんか?

"プルミエ・クリュは必ず村名ワインよりも良くて、グラン・クリュは常に最高" みたいにシンプルなら良いのですが、
実際はそう単純ではないのです。。

平凡な生産者のプルミエ・クリュよりも優れた生産者の村名ワインのほうが美味しい、なんてことはザラにあります。
そもそも同じワインであっても、ヴィンテージによってずいぶん味わいが異なります。

また村名ワイン同士でも、どの村か(どのAOCか)によっても差があります。
平凡な村のプルミエ・クリュよりAOCヴォーヌ・ロマネの村名ワインのほうが美味しかったりします。

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 ▲ドメーヌ・フーリエのAOCブルゴーニュは、ヘタな造り手の村名ワインよりもずっと美味しい


そこで、ブルゴーニュのワインを購入する際に考慮すべきポイントを、重要な順に列挙すると次のようになります。

①どの生産者か?
・・・ここ数年、その生産者のワインはどう評価されているか

②どのヴィンテージか?
・・・ブルゴーニュ地方は、同じワインでも収穫年によって大きく品質が変動する

③AOC名は?
・・・村の名前や畑の名前によって、品質に違いがある

ブルゴーニュでは生産者やヴィンテージの重要性が高いのです。

現時点で近年のヴィンテージに関して言えば、
赤ワインでは1999年、2005年、2009年、2010年、2012年、
白ワインでは2006年、2007年、2010年あたりが良い年ですね。

ただ、最初から生産者やヴィンテージにこだわりすぎるのも考え物です。
はじめのうちは手頃な価格帯のものからいろいろと試してみて、その中で美味しいものに出合うのが良いと思います。

ワインショップに行ったらお店の人に聞いてみましょう。
ちょっとしたレストランに行ったら、ぜひソムリエに聞いてみましょう。

レストランでワインを注文するなら、ブルゴーニュの赤ワインはとても良い選択です。

若いうちは力強くて渋すぎるボルドーのカベルネ・ソーヴィニヨン系ワインと違って、
口当たりの柔らかさ、香りや風味の華やかさが身上
ブルゴーニュ赤ワインは、若い段階でも楽しめるからです。

そのうえ、ピノ・ノワールは多くの料理と合わせやすいブドウ品種です。
鶏肉、豚肉、ハンバーグ、ハムなどの肉料理はもちろんのこと、サーモンなどの魚と合わせることも可能です。
和食にも合うでしょう。

ボディとコクのある高級なブルゴーニュ赤でしたら、牛肉や鴨、鳩、ウサギ、鹿肉などのジビエとも相性抜群です。

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 ▲ある日本料理店でのワイン会 ~ お店のソムリエさんが赤出汁にフーリエのブルゴーニュ・ルージュ(最初の写真)を提案


ブルゴーニュワインは飲む温度も大切です。
赤ワインでしたら、16~17℃くらいがベストでしょう。

デカンタはしないほうがいいです。
ブルゴーニュ赤は年数の経ったワインですら、オリがたくさん出ることはまれです。

むしろデカンタで空気接触を無駄に増やしてしまうと、せっかくのブルゴーニュらしい華やかなアロマが損なわれてしまうリスクのほうが高いです。

一方、まだ若いブルゴーニュの高級白ワイン(5年以内のグラン・クリュもの)でしたら、デカンタするのも一理あります。
偉大なブルゴーニュ白ワイン(たとえばコルトン・シャルルマーニュ)は、とくに最初の数年間は硬く閉じていることが多いので、空気接触させることによって香りや風味を開かせることができます。

ブルゴーニュの白ワインは冷やしすぎないことも大事です。
高級なブルゴーニュ白を飲む温度は15~16度くらいがベストでしょう。

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ボージョレー地区の北側にあるクリュ・デュ・ボージョレーはワイン通をもうならせる本格的赤ワインの産地 ~ とくにムーラン・ナ・ヴァンとモルゴンは有名です

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ボージョレーにも本格的な・・・といいますか、ワイン通をうならせることのできるクラスのワインがあります。
ボージョレーで最高級のワインは、ボージョレ地区北半分側の、花崗岩質土壌のエリアで産出されます。

ボージョレー北部にある10の村でできる赤ワインは、 非常に品質の高い赤ワインです。
これらの10村のワインは
クリュ・デュ・ボージョレー Crus du Beaujolais
と呼ばれます。

ラベルには、これら "クリュ" たる村名だけが記載され、わざわざボージョレーとは書かれていません。

クリュ・デュ・ボージョレーのワインは、通常のボージョレーのワインに比べてずっと深みがあります。
ほんとうに美味しく楽しむには、すこし熟成期間が必要かもしれません。
4~5年は余裕で熟成できるでしょう。
価格帯は1本1500円から5千円くらいでしょうか。

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 ▲ルイ・ジャド傘下のドメーヌが造るムーラン・ナ・ヴァン


クリュ・デュ・ボージョレーの10村を北から順にリストアップします。

①サン・タムール Saint-Amour
②ジュリエナス Juliénas
③シェナス Chénas
ムーラン・ア・ヴァン Moulin-à-Vent
⑤フルーリー Fleurie
⑥シルーブル Chiroubles
モルゴン Morgon
⑧レニエ Régnié
⑨ブルイイ Brouilly
⑩コート・ド・ブルイイ Côte de Brouilly

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これらの中でも、ムーラン・ナ・ヴァンモルゴンはとくに熟成能力にすぐれたワインです。

ムーラン・ナ・ヴァンの良質のワインには、コート・ドールのピノ・ノワールにワインに負けないくらいのエレガントさ、複雑さを持つものがあります。
モルゴンのワインは、ガメイとは思えぬほど肉付きの良い力強さを持ったワインがあります。樽香を感じるものさえあります。

ボージョレーのワインは、コート・ドールのような個々のドメーヌではなく、大手ネゴシアンの名前で売られているものがほとんどです。

ボージョレーのワインを取り扱っている2大ネゴシアンは、
ジョルジュ・デュブッフ
Georges Duboeuf とルイ・ジャド Louis Jadot です。

ルイ・ジャドは傘下にドメーヌをいくつも持っていますので、ネゴシアンでありドメーヌでもあるともいえます。
ボージョレー地区においても、ルイ・ジャドはムーラン・ナ・ヴァンとモルゴンにいくつかのドーメヌを所有しています。

ボージョレーなんて・・・とバカにしていた人も、ぜひムーラン・ナ・ヴァンやモルゴンを試してみてください。
きっと、驚きがあると思いますよ。

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ボージョレー地区でガメイ種から造られる赤ワインはジューシーで気軽に飲める赤ワイン ~ ちなみに日本は世界最大のボージョレー・ヌーボー輸入国です

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

マコネ地区の南側で、ブルゴーニュ地方の最南端に位置するのがボージョレー地区です。
ボージョレー地区周辺はグルメエリアとしても知られており、
とくに地区の南側にあるリヨンは、世界的にも名高いレストランが集まるフランス随一の食通の町として有名です。

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 ▲ボージョレー・ヌーボー

ワインとしても、「ボージョレー」という名はよく知られています。

ボージョレー地区をブルゴーニュ地方に含めているのは、単に技術的、行政的な便宜によるものに過ぎません。
そもそも、他のブルゴーニュ地方とはブドウもワインのタイプも異なります。
赤ワインがほとんどですが、ブドウはピノ・ノワールではなくガメイという独特の品種を使います。

白ワインやロゼワインのような軽やかなタイプのワインが好きな人や、
ワインをあまり飲んだことのない人でしたら、
ボージョレーのワインはきっと、赤ワインの "入門ワイン" としてはピッタリだと思います。
今後、より本格的な赤ワインに進んでいくための橋渡しにもなるでしょう。

ボージョレーのワインは辛口ワインですが、フランスでは最も果実味の強い赤ワインです。
タンニンも穏やかで、ジューシーで、おそらくフランス中の赤ワインの中でも一番、気軽に飲めるワインではないでしょうか。

ボージョレー Beaujolais とボージョレー・ヴィラージュ
Beaujolais-Villages がいちばん飲みやすいボージョレー・ワインです。

この2つのAOCは一応ボージョレー地区全体に広がっていますが、実際には
粘土質や砂質の土壌が主体の、ボージョレー地区の南半分側のブドウで造られています。

フレッシュで、フルーティで、シンプルで、とてもライト・ボディなワインです。
日本では1本900円から1500円くらいで販売されています。
完全に若飲みタイプなので、遅くともヴィンテージから2年以内には飲んでしまったほうが良いでしょう。

ボージョレーといえば、きっと誰でも知っているのが
「ボージョレー・ヌーボー」ですね。

毎年11月の第3木曜日になると、その年に収穫されたブドウから造られたばかりの新酒が「ボージョレー・ヌーボー」として解禁されます。
いわば一種のお祭りで、毎年、世界中で盛大に祝われます。

この産まれたばかりの新酒(造られてたった6週間ほど)は、きわめてブドウジュース的で果実味にあふれ、タンニンはほとんどなく、とても飲みやすいワインです。

ちなみに日本は世界最大のボージョレー・ヌーボー輸入国です!

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お手頃価格のブルゴーニュ白はマコネ地区にあり ~ ブルゴーニュらしい白ワインを気軽に飲んでみたい!というときは、マコンの白ワインを探してみましょう

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

ここ10日間ほどブルゴーニュ地方について集中的に書いていますが、
ブルゴーニュは飲みたいけど普段飲みの白ワインに1本2千円も払うのは高すぎる!
・・・ということでしたら、もうひとつ別の選択肢があります。

それは、マコネ地区の白ワイン!

フランス国内はもちろんのこと、世界のどこでも気軽に買えるブルゴーニュの白ワインといえば、
マコンの白ワインです。

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 ▲ルイ・ジャドのマコン・ヴィラージュ ~ 1本1800円くらい


マコンの白ワインが生まれるマコネ地区は、コート・シャロネーズ地区のすぐ南、ボージョレー地区の北にあります。

【関連記事】
ブルゴーニュでは赤がピノ・ノワール、白がシャルドネ ~ コート・ドールが最重要な名醸地で、北側がコート・ド・ニュイ、南側がコート・ド・ボーヌです


マコネ地区は、コート・ドール地区よりも気候はやや穏やかで 日照量もあります。

ワインの生産地は、マコンの町の周辺に広がっています。
マコネ地区の丘は、
シャブリやコート・ドールでも見られるような石灰質の火打石を含んでおり、シャルドネの栽培に適した土壌です。 

マコンの白ワインは100%シャルドネから造られます。

こうしたワインの大部分は、マコン Mâconマコン・ヴィラージュ Mâcon Villages という名前です。
マコン・ヴィラージュのほうがマコンよりも若干品質が良いものとされています。
マコン・ヴィラージュは、定められた特定の村のブドウだけを使っているからです。

価格は1本1200円から2000円くらいです。高くても2500円はしないでしょう。

マコンの白ワインはミディアムボディで、比較的爽やかな飲み口ですが、それなりにコクもある、中庸的なワインです。
シャブリのようなミネラル感をやや感じることもあります。
通常、樽香はありません。あったとしても、コート・ドールのものほどではありません。

マコンの白は熟成向きではなく、若いうちに楽しむべきワインです。
ヴィンテージから3年以内くらいでしょうね。
なお、マコンではガメイ種から赤ワインもわずかに造られています。

マコンの白ワインの中でも、ちょっと良いものはマコネ地区のやや南方にあり、独自のAOCを持っています。

プイイ・フュイッセ Pouilly-Fuisséサン・ヴェラン Saint-Véran が有名です。

プイイ・フュイッセは、通常のマコンよりもややコクがあり、ボディも若干ですが重めになります。
樽香がすることも多いですね。
価格も少し高めで、1本2500円~4500円くらいです。

サン・ヴェランも、マコンの中ではやや良いワインです。
1本1800円~2500円くらいです。

ブルゴーニュらしい白ワインを気軽に飲んでみたい!
というときは、ぜひマコンのワインを探してみてはいかがでしょうか。

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シャブリは辛口白ワインの代名詞!~ 生牡蠣や白身魚のお刺身に合わせるなら、グラン・クリュよりも普通のシャブリのほうがキリッとして合うと思います

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

今回は、ブルゴーニュ地方では最も北部にある白ワインの名産地
シャブリ Chablis について書いてみます。

「シャブリ」という名前は辛口白ワインの代名詞として特に有名ですね。

シャブリの村はコート・ドールの北西にあり、パリに最も近いブルゴーニュ産地です。
シャブリのワインは、コート・ドールの白ウィンと同じく100%シャルドネから造られますが、ワインのスタイルはかなり違います。

一例をあげれば、コート・ドールの白ワインの多くは木樽で発酵や熟成を行なうのに対して、シャブリの生産者はステンレスタンクを用いることがほとんどです。
そのため、シャブリの白ワインはふつう樽香はしません。

また、シャブリの気候はコート・ドールよりも冷涼なので、シャブリのワインは本質的にライトボディで、風味もシンプルで爽やかな飲み心地のものが多いといえます。

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 ▲シャブリの味わいのイメージ


シャブリの土壌はキンメリジャンと呼ばれる白亜質や石灰質の土壌です。
そのため、ワインもミネラル感のあるキリッとしたものになります。

伝統的にシャブリのワインはとても辛口で、コート・ドールの白ワインのようなコクや果実感はほとんどありません。
むしろ口当たりに石や石灰のような鉱物的ニュアンスを伴い、硬質の水を飲んでるような風味を感じるものもあります。

シャブリは魚介類、シーフードによく合います。
とくに「牡蠣(カキ)にはシャブリ」って言う人は多いですね。
生牡蠣はもちろん、お刺身や白身魚のカルパッチョにもよく合います。

シャブリはワインの品質によって4段階に分類されています。
上から順に、

● シャブリ・グラン・クリュ Chablis Grand Cru
シャブリ・プルミエ・クリュ Chablis Premier Cru
シャブリ Chablis
プティ・シャブリ Petit Chablis

の4段階となります。

シャブリのグラン・クリュは公式には7つあります(非公式のムートンヌを含めると8つ)。

①ブーグロ Bougros
②プルーズ Preuses
③ヴォデジール Vaudésir
④グルヌイユ Grenouilles
⑤ヴァルミュール Valmur
⑥レ・クロ Les Clos
⑦ブランショ Blanchots

上記の公式グラン・クリュ7つのほかに、
非公式グラン・クリュであるムートンヌ Moutonne が②プルーズと③ヴォデジールにまたがる位置にあります。

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公式とは、畑名のラベル表記が法的に認められているものですが、
非公式のムートンヌも畑名のラベル表記は事実上可能となっています。

ちなみにコート・ドールのグラン・クリュのワインは、村の名前はラベルに表記せず特級畑名がそのままAOCとなりますが(例: AOC Romanée-Conti)、
シャブリの場合は特級畑名がAOCにならず、

AOC Chablis Grand Cru 特級畑名

という形で表記されます。
(例:
AOC Chablis Grand Cru Vaudésir

シャブリ・グラン・クリュは、造り手によって1本7千円~1万4千円くらいです。
良いものは10~15年位熟成させることも可能です。

シャブリ・プルミエ・クリュは1本4千円~7千円くらいです。

グラン・クリュのシャブリになると、スッキリした味わいの
通常のシャブリとは異なり、口当たりにコクがあり樽香がするものもあります。
プルミエ・クリュも、平均的に言えば通常クラスのシャブリよりも風味にふくよかさが出てきます。

通常クラスのシャブリでしたら、2~3千円台で購入できるでしょう。

生牡蠣やお刺身に合わせるのでしたら、グラン・クリュやプルミエ・クリュよりも通常クラスのシャブリのほうがキリッっとしていて、よく合うように思います。

少し冷やして飲むと美味しいですよ!

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ワインセミナー「美味しい料理とワインを気軽に楽しむ会」を開催しました!~ セミナーの詳しいレポートをご覧ください

バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。

昨日(7月12日)の水曜日19時から、お気楽ワインセミナー
「美味しい料理とワインを気軽に楽しむ会」
を開催しました。

毎月1回、ぼくたちバイザグラスがVASHON日本橋兜町で開催している、お料理とワインのセミナーです。

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今回のワインは、
・ クレマン・ド・ブルゴーニュのロゼ
・ アルザス・リースリング
・ チリのピノ・ノワール
・ リオハ・レセルバ
というラインナップです。

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スタートはクレマン・ロゼで乾杯!
ロゼは色が命・・・きれいなピンク色にキメ細かな泡が立ち上がります。

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前菜を待つ間にテイスティングを行い、香りと味わいもチェックします。

このワインセミナー、単なる "ワイン会" ではありませんっ (笑)
いつも、ワインの学習をしっかりと行います。

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前菜のイサキのカルパッチョ。
とても新鮮で肉厚さを感じる素材に、デリケートな味付けです。

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お店の方から、料理について詳しい説明をして頂いています。

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前菜に合わせて、アルザスのリースリングもサーブしました。
さっそくテイスティングに入ります。

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真剣にテイスティングしてますね。
「このワイン、青リンゴの香りを感じた人~?」
みたいに、ワインについてゲストの皆さんの感じ方も聞いています。

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2皿目が来ました。
ベーコンが主役の菜園風プレート。
チリのピノ・ノワールと合わせます。

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カリカリ具合が異なる複数のスタイルのベーコンに、甘味を感じる美味しいナスとジャガイモ。
ベーコンはもちろん、添えてあるイチジクとブルーベリーもチリ産ピノ・ノワールとよく合い、とてもニクい演出ですね。

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このセミナーでは、講師陣もお料理を楽しませて頂きます ^^
しばしお食事&歓談タイム!

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本セミナーも後半に入っています。
4本目のワイン、スペインの名醸地リオハのレセルバをテイスティングしています。

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キッチンも大忙し。
星付きレストランで修行したシェフが腕をふるいます。

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牛ほほ肉をふんだんに使ったフレッシュパスタです。
柔らかく煮込んだ牛ほほ肉と、かすかにトマトの酸味を残したラグー風ソースが、太めのパスタとよく絡みます。

これは美味い! お肉の使い方がとても贅沢です。
7年熟成しているリオハと非常によく合い、料理がワインを、ワインが料理を、互いに引き立て合いますね。

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なんと、今回は常連ゲストの方々からワインの差し入れが ^^
左から、
・ イタリア・カンパーニャ州の高級赤ワイン「タウラージ」(2003年もの!)
・ 同じくカンパーニャ州の白ワイン「グレコ・ディ・トゥーフォ」
・ カリフォルニア・ナパのカベルネ・ソーヴィニヨン(アルコール15.1%!)

お心遣い、ありがとうございます!
さっそくゲストの皆さんと共有しました。

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楽しい夜はまだまだ続きます。
いったん閉会した後も30分ほどワインと会話を楽しみました。
ゲストの皆さん、お店の皆さん、どうもありがとうございました!

料理がとても美味しいVASHON日本橋兜町での「お気楽ワインセミナー」は、毎月開催しています。
来月は8月23日(水)に開催します。
お申込みはコチラから。

ご興味のある方、ぜひご参加ください。

バイザグラスのソムリエ松沢裕之とソムリエール犬飼雅恵が、
皆さまのご参加をお待ちしています!

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