バイザグラスのソムリエ松沢裕之です。
白ワインの醸造の特徴は、発酵の前にブドウ果実の圧搾を行なうことです。
つまり、さっさとブドウの実をつぶして皮や種を捨ててしまい、
ブドウの果汁のみを発酵させるわけです。
それでは順を追って白ワインの造り方を見ていきましょう。
1.除梗(じょこう)
ブドウを収穫したら、まず果梗から果粒を取り外します。
2.破砕
果肉からジュースを絞り出すことを容易にするために、果粒の皮を軽く破ります。
ブドウの粒を、お祭りの屋台で売っている、水の入ったゴム製ヨーヨーに見立てて考えてみてください。
表面のゴムに軽く穴を開けると中から水が滴ってきますよね。
それと同じように、ブドウの粒からブドウ果汁が出てきます。
3.圧搾
破砕してはじめに自然に流出してくる果汁をフリーランジュースといいます。
さらにその果粒を圧搾機にかけてつぶして果汁を搾り出します。
これをプレスジュースといいます。


▲山梨・勝沼 シャンモリワインの圧搾機
フリーランジュースのほうがプレスジュースよりも雑味がなく、ピュアな味わいの果汁です。
圧搾機で軽い圧力で搾り出されたプレスジュースはフリーランジュースに混ぜられますが、
そのあと強い圧力で搾り出されたプレスジュースはワイン造りには用いられません。
4.発酵
そして、果汁をアルコール発酵させます。
アルコール発酵を単純化した図を見てみましょう。

糖分を含む液体(すなわちブドウ果汁)の中に含まれる糖分を酵母が食べて、
排泄物としてアルコールと二酸化炭素を出すのです。
【関連記事】
ワインは土地の個性が出やすいお酒 ~ 酵母のチカラがなければワインはただのブドウジュースです
この二酸化炭素は空気中に逃げていきます。
これを逃さずに液体中に閉じ込めるのがスパークリングワインです。
発酵させるときの容器は、白ワインの場合はステンレスタンクを用いることがほとんどです。
赤ワインの場合は木製タンクや木樽を使うこともあります。
こうして1週間から1ヶ月くらいでブドウジュースがワインに変わります。
なお、このあと白ワインの種類によっては、口当たりをまろやかにするための発酵(マロラクティック発酵といいます)を行なうこともあります。
5.熟成
発酵してできあがったワインを別のタンクか樽に移し替えて、しばらく静置します。
こうして寝かしておくことで、ワインの中に含まれる不純物が下のほうに沈殿していき(オリといいます)、ワインが落ち着いてきます。
ワインのバランスや風味が向上します。
6.オリ引き(澱引き)
熟成の間にオリが底に沈殿したら、上澄みの部分を別の容器に移し替えます。
これをオリ引きといいます。
7.清澄
できあがったばかりのワインには不純物がいっぱい残っています。
澱引きしても、軽い不純物がまだ少し残ってワインの液面や液内に浮かんでいます。
こうしたオリを強制的に下に落としていく作業を清澄といいます。
その方法は、ゼラチンとか卵白のようなネバネバした物体をワインの中に入れて、この物体にオリがくっつき、一緒に容器の底に落ちていくという仕組みです。
8.ろ過
清澄してもなお残っているオリを、フィルターにかけたり遠心分離機にかけたりして取り除きます。
なお、清澄とろ過はワインの品質安定を図るための大切な工程ですが、ワインに必要な風味成分まで取り除いてしまうとの批判もあります。
そのため、あえて清澄・ろ過をしないでワインを瓶詰めする生産者もいます。
そうしたワインはうまみ成分が残りやすい反面、少々濁った外観をしており、微生物による変質のリスクも高まります。
9.瓶詰め
こうしてワインはようやく瓶に充填され、コルクの打栓やラベル貼付が行なわれ、箱詰めされて出荷されます。
いかがでししょうか。
目の前にある白ワインもこうして手を掛けて造られてきたんだって考えると、より一層、愛着がわいてきますよね。
最近白ワインづいているぼくですが、これを書いていたら今日も白ワインが飲みたくなってきました!

白ワインの醸造の特徴は、発酵の前にブドウ果実の圧搾を行なうことです。
つまり、さっさとブドウの実をつぶして皮や種を捨ててしまい、
ブドウの果汁のみを発酵させるわけです。
それでは順を追って白ワインの造り方を見ていきましょう。
1.除梗(じょこう)
ブドウを収穫したら、まず果梗から果粒を取り外します。
2.破砕
果肉からジュースを絞り出すことを容易にするために、果粒の皮を軽く破ります。
ブドウの粒を、お祭りの屋台で売っている、水の入ったゴム製ヨーヨーに見立てて考えてみてください。
表面のゴムに軽く穴を開けると中から水が滴ってきますよね。
それと同じように、ブドウの粒からブドウ果汁が出てきます。
3.圧搾
破砕してはじめに自然に流出してくる果汁をフリーランジュースといいます。
さらにその果粒を圧搾機にかけてつぶして果汁を搾り出します。
これをプレスジュースといいます。


▲山梨・勝沼 シャンモリワインの圧搾機
フリーランジュースのほうがプレスジュースよりも雑味がなく、ピュアな味わいの果汁です。
圧搾機で軽い圧力で搾り出されたプレスジュースはフリーランジュースに混ぜられますが、
そのあと強い圧力で搾り出されたプレスジュースはワイン造りには用いられません。
4.発酵
そして、果汁をアルコール発酵させます。
アルコール発酵を単純化した図を見てみましょう。

糖分を含む液体(すなわちブドウ果汁)の中に含まれる糖分を酵母が食べて、
排泄物としてアルコールと二酸化炭素を出すのです。
【関連記事】
ワインは土地の個性が出やすいお酒 ~ 酵母のチカラがなければワインはただのブドウジュースです
この二酸化炭素は空気中に逃げていきます。
これを逃さずに液体中に閉じ込めるのがスパークリングワインです。
発酵させるときの容器は、白ワインの場合はステンレスタンクを用いることがほとんどです。
赤ワインの場合は木製タンクや木樽を使うこともあります。
こうして1週間から1ヶ月くらいでブドウジュースがワインに変わります。
なお、このあと白ワインの種類によっては、口当たりをまろやかにするための発酵(マロラクティック発酵といいます)を行なうこともあります。
5.熟成
発酵してできあがったワインを別のタンクか樽に移し替えて、しばらく静置します。
こうして寝かしておくことで、ワインの中に含まれる不純物が下のほうに沈殿していき(オリといいます)、ワインが落ち着いてきます。
ワインのバランスや風味が向上します。
6.オリ引き(澱引き)
熟成の間にオリが底に沈殿したら、上澄みの部分を別の容器に移し替えます。
これをオリ引きといいます。
7.清澄
できあがったばかりのワインには不純物がいっぱい残っています。
澱引きしても、軽い不純物がまだ少し残ってワインの液面や液内に浮かんでいます。
こうしたオリを強制的に下に落としていく作業を清澄といいます。
その方法は、ゼラチンとか卵白のようなネバネバした物体をワインの中に入れて、この物体にオリがくっつき、一緒に容器の底に落ちていくという仕組みです。
8.ろ過
清澄してもなお残っているオリを、フィルターにかけたり遠心分離機にかけたりして取り除きます。
なお、清澄とろ過はワインの品質安定を図るための大切な工程ですが、ワインに必要な風味成分まで取り除いてしまうとの批判もあります。
そのため、あえて清澄・ろ過をしないでワインを瓶詰めする生産者もいます。
そうしたワインはうまみ成分が残りやすい反面、少々濁った外観をしており、微生物による変質のリスクも高まります。
9.瓶詰め
こうしてワインはようやく瓶に充填され、コルクの打栓やラベル貼付が行なわれ、箱詰めされて出荷されます。
いかがでししょうか。
目の前にある白ワインもこうして手を掛けて造られてきたんだって考えると、より一層、愛着がわいてきますよね。
最近白ワインづいているぼくですが、これを書いていたら今日も白ワインが飲みたくなってきました!
